Crystal Nights Story


 

第3回            悪魔の入り口へ


洞窟は暗く、そしてじめじめしている。それが当たり前。ここ、緑の悪魔にある洞窟も同じだった。
僕の心臓はドキドキ。ポールもドキドキ。ランプをつけてもまだ薄暗い中を歩いていった。

「ポール、大丈夫?恐くない?」そう言いながらも、僕の足は震えていた。
考えてみれば、兄さんがいないときにここまで遠くにきたのは初めてだ。
もしモンスターが出てきたらどうしよう。戦えるのかなぁ・・・

「アルス〜、なんだか恐くなってきちゃったよ・・・」
ポールは早くも弱音を言っている。
「ポール?まだ少し歩いただけじゃんか〜。大丈夫だよ・・・!」
僕の声も何となく弱弱しい・・・恐い。でも進まなきゃ。何となくそういう気分にさせられていた。


しばらく進むと、道が分かれている。しかも3つ。
「右から順番に調べてみようか?」
「う、うん。アルスに任せる」ポールはもう、帰りたくて仕方ないようだ。
それでも一番右の道を進むことにした。一つくらい何かを発見しないと、ここまで来た意味が無い。
そうやってしばらく進むと、なぜか前の方に明かりが見える。不思議だ・・・
「あの明かりってなんだろうね?だれか人がいるのかなぁ」
「なんだろ・・・人じゃなかったりして」
ポールが嫌なことを言う。
「モンスターなら望むところさ。ポール、武器を構えて」
洞窟などで何かがいる気配を察知したら、まず敵を思え。兄さんはいつも言っていた。
もし人間だとしても100%味方とは限らない、とも・・・また、心臓がドキドキしてきた。
「僕が先に見てくるよ。もし人だったら一緒に行こうって誘うし、モンスターなら・・・
倒してやる」
ポールは強気にも前に進む。大丈夫かな・・・
そして、悪い予感が的中した。



「グギャァ〜!!」突然の来客に驚いたゴブリンさん、棍棒を持っていきなり殴りかかってきた。
「危ないっ!」と叫ぶだけで、僕はポールを助けることはできなかった。
ゴブリンの一撃は、モロにポールの脳天を叩いた。ゴンっ!と大きな音がする・・・
「よくもやったな、こいつめ!!」ポールは怒って大きな剣を振り回した。
当然というか、当たらない。あれ?でも待てよ・・・
「ポール!!無事なの?痛くなかった??」
体が小さめとはいえ、ゴブリンの一撃は頭をつぶすのに十分な勢いがあった。
でも、ポールはケガすらしていないようだけど・・・?
「家宝の冠が、そんなので壊れるわけないじゃん!大丈夫だよ!!」
そうか、さすが家宝。妙に納得しちゃった。いいなぁ・・・

って、納得してる場合じゃない。ポールの攻撃は到底当たりそうもないし、
ゴブリンも次の一撃を狙っている。僕がなんとかしなきゃ。
よし、距離も離れてるし、魔法を使おう。僕はショートソードをしまうと、集中力を高め始めた。

万物の根源たる四大属性が一、よ。我に力を貸し与えたまえ・・・

かっこいいセリフを言うと集中した気分になる。ドメイン先生の受け売りだけど、実際効果あるのかな・・・
「ファイヤーー!!」
大きな炎のかたまりが・・・
お?まっすぐ伸びてる!!そして見事にゴブリンにHit!やった!
「ギャ〜!・・・・」
ゴブリンは苦しんだすえ、その場に倒れた・・・
こんなに僕の魔法、すごかったっけ?何か調子がいいや。

「アルス!!すごいや〜!!こんな魔法が使えるなんて、知らなかったよ〜!!」
後少しで間違って当たりそうだったのに、ポールは素直に喜んでいる。
良かった、ちゃんとゴブリンに当たって。


僕はモンスターを倒した。やったね!でも・・・これは全ての始まりでしかなかった。
だって、大きな炎を出したおかげで、奥からゴブゴブ×たくさんがやってきたんだから。

次回からは展開が早くなるかも・・?気長に待っててくださいね♪