知 っ て い る こ と に
 
 
 
 
 
ど れ だ け の 意 味 が あ る ?
 
 
 
 
 
 
 
焦 燥
 
 
 
 
 
 
 
小さな出窓に半分だけ身体をあずけて
 
気だるそうに落ちてきた髪をはらって
 
さっきからずっと
 
ずっとそのまま
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
無意識なのか故意なのか
 
さんは嫌なことがあるたびに煙草の本数を増やしていく
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
そして
 
 
 
今 彼女の左手に握られてる灰皿は、とうの昔に満杯になっていた。
 
 
 
 
 
 
(今日は一段とひどいみたいだ)
 
 
ぼんやりと煙を追っている姿を見ながら思う。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
さんは滅多に感情を露にしない
 
なにかを拒絶するみたいにみんな自分の中に押し込んでしまう
 
 
 
 
 
そのことに気づいたのはずいぶん前。
 
 
 
 
 
 
なにも言わない
 
 
表情も変わらない
 
 
灰皿に積もる吸殻の数だけが増していく。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
さんは
 
きもちを 煙に溶かしてしまう
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
俺は、
 
それが切なくて  苦しくて
 
 
なにか言いたくて
 
でも
 
言葉なんて見つからないまま
 
 
 
 
 
こうして
 
また 見つめるだけ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
歯 痒 い
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
この歯痒さはなにに対してのものだろう
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
さん」
 
 
 
 
「なぁに?」
 
 
「………」
 
 
「あ、ごめん。 煙、そっちいった?」
 
 
「いえ、そんなことは…」
 
 
どうでもいいんです
 
 
 
 
ただ俺は
 
 
 
 
「…健太郎 君?」
 
 
 
ちいさな身体を抱きしめたら
 
 
やわらかな身体からふっと力が抜けていった
 
 
 
 
 
さん
 
 
 
 
 
 
 
さん
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「 俺は… 」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
あなたのために なにができますか?
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
くり坊へ HappyBirthday!!


★よう様、ありがとうございました! くり坊