雨の原
電車のドアが開くたびに
激しい雨のリズムと
ひんやりとした風が
俺の右肩で蟠る
ついさっきまで二人で見ていた街の灯は
もうとっくに硝子の水に溶けて
じきに流れて消えてしまうけれど
其れでもまだ君の声は
俺の胸に確かな光を残していて
何処か
遠く
遠く
俺を導くように
静かに輝きつづける
其の先にあるものが
俺の望むものなのかはわからないけれど
ただ惹かれていく
深い深い闇の向こう
この光が導く場所へ
鉛のような粒に打たれ
俺があの町に降り立つ頃
君の町にはきっと
柔らかな霧が立ち込めるのだろう
2003.04.27
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