「おまえが言うたやろ、隠居爺は日向ぼっこでもせぇて」

門扉の向こう側の微笑みに思わず顔を顰める。

「言ったっけ?」
「…うっわ。相変わらず過ぎて泣けてくるわ」

泣けてくると言った割にその欠片さえ見せず、
目の錯覚でなければ彼は嬉しそうですらあった。

「そういうわけでおまえの一日、俺にあずけて?」
「……どういうワケよ」
「お爺ちゃん孝行思うて」

おねだり上手な“お爺ちゃん”もいたものだ

けれど困ったことに
差し出された手のひらを無視できるほど、私は彼を嫌ってはいないのだ。


「…しょうがないなぁ」

言い訳のような賛同の言葉に彼は笑って「ありがとう」と返した。