ふと自分の手を見ると
掌の奥に
自分が今立っている地面が見える。
「またかぁ…」
今回は3日間の滞在だった。
すこし歩くと市場が在った。
持っていた硬貨が使えたので果物を一つ買う。
特別腹が減っている訳では無かったが
何かと落ち着くには食べ物を口にした方が良いと
自分が造った方法。
訛りの強い英語が飛び交う。
観光地だろうか?
言葉が繋がるなら有り難い。
ただここはやっぱりイギリスではないのだろう。
「Somewhere…over the rainbow…」
感傷に浸るような性格だったかな。
昔彼女の隣で見た芝居なんか思い出して。
日本は何だか英語に憧れているフシが在って
セリフは日本語なのに
歌がやたら流暢な英語で笑えた。
歌は喜劇の入った話には少し重い歌詞じゃないかと思ったけど、
良い歌だった。
そうだ気に入ってCDを捜したんだっけ。
気付いたら歌詞を丸々覚えてた。
「Sky are
blue…ですよね?確か」
「おぁ…?!」
「今日和。今日もいらしたんですね」
「カイちゃん!」
「?」
今回はラッキーなのかな
早い段階で知り合いに逢えた。
「残念!正解はSkies
are blue」
「あ・そうですね、複数系ですね。」
「そゆことー…つか何で知ってんの?
あれっそいや今日私服だね?」
「ええ…まぁ昨日の今日ですから、
皆も気を使って下さったのでしょう…」
「昨日?何か逢ったの?」
「え?」
「あ・いや、俺今飛んで来たばっかでさ。」
「あ…じゃあ昨日私が逢ったアクセルさんとは
違うアクセルさんなんですね?」
「うーん何かややこしいけどそうなるのかな」
聞いて見ると昨日たまたま居合わせた俺は
カイの仕事の手伝いをしたらしい。
Bランクの飛行型ギアを倒したとか何とか…
そのあとこの時代のイギリスを見に行くとか言ったとか。
あーだから最初あんな言い方したワケね。
あとどうやら今フランスに旦那が居るらしい。
「へー?何でわかんの」
「あんなに大きな気配が近くにあったら解りますよ」
「ふぅんそーゆーもんなのね」
ちょっち羨ましいカモ。
「そんで逢ったの?」
「いえ…私には会いたくないみたいです…」
あ〜避けられてる訳ね。
そりゃー…ネェ。
あ、
「そりゃそうと何でさっきの歌知ってたん?」
「あぁ昔よく歌ってるのを聞いてたんです。」
「誰が?」
「ソルです。意外でしょう?」
意外じゃ無いけど意外だ。
「えっダンナって歌うんだ?」
「私の知る限りでは」
「へぇ…」
でもこの歌は…
「カイちゃんはこの歌全部歌えるのかい?」
「いえ…知ってるのはそこだけなんですけど。何か?」
「んー別にィ。」
不思議な御伽噺。
竜巻に巻き込まれた女の子は異世界に迷い込む。
そこで出会う臆病なライオン、
心のあるブリキの玩具、
知恵の無いカカシ。
冒険の最後にライオンは勇気を
ブリキは命を
カカシは脳味噌を欲しいと言い、
女の子は家に帰りたいと願う。
「蒼い鳥は虹を越えて行けるのに」
「何故私には出来ないの?」
この世には得られない物があって与えられない者が居て、
叶わない夢が在る。
それを認めたくない
大人になれない
子供のうた。
あの虹の向こうに何があるのだろう。
もしかしたら自分の求めるものが在るかもしれない。
誰も見たことの無い場所だから。
でも…そう
虹は反対側からは見えないのだ。
点灯の暗い店を好んで行く事を知ってる。
で、大体カウンターに座っている。
赤茶色の長い髪の毛「みーっけv」
「!!」
さっすが俺様ー
「何でここが解った…」
「カン?それとも運命かな☆」
「………」
日が暮れてからは
仕事してるか呑んでるかだもんね
アンタは。
「せっかくじゃん一緒に呑もーよ」
「嫌だっつっても呑むだろどーせ」
「うへへーあ・俺黒ビールねん☆」
すんなりオーケィしてくれる時は、
一人で居たくなかった時。
だから店で呑んでたんでショ?
今日は運が良いなぁ。なんて
「ねー旦那?」
「…何だ」
「今日カイちゃんに逢ったよ」
「…殴られたいのか?」
「いやいや最後まで話を聞いてよ。
ダンナの事聞いたよ。」
「どうせろくでもねェ事だろ…」
「俺にとっちゃそうでもなかったケドー」
「いちいちひっぱるな。何が言いてェんだ」
「虹の向こうに」
「?」
「ダンナよく歌ってたんだって?」
「…!」
あ・赤面したの解っちゃった。
「あんのヤロ…」
「でもサビの所しか覚えてないって。」
「…………」
「え?」
「…お前は歌詞知ってんのか?」
「うん全部」
「〜……」
あらぁ頭痛そうね
「好きなんだ。この歌」
「………。」
「行けるんなら行ってみたいよね。」
「………」
「可能性がゼロじゃないんだったらさ」
「厭味か」
「大真面目だよ」
「…」
「そうやって茶化すのは旦那の方でしょうが」
あ・溜息つかれちゃった。
「…そうだったな」
「それにさ、発見って
日常の中の非常識にあるもんじゃない?」
学者めいた事を言う。
そう言われた。
「読んだ事が在る。
昔の学者は理屈屋だったってな。」
「俺よりもっと昔の話ね」
「まぁな」
氷だけになったグラスが鳴る
「場所かえよっか」
いつのまにか恋人ばかりになっていたから。
「んーいい天気」
綺麗な月が見えた。
「俺は帰るぞ」
「えーもう?」
「寝たい」
「…ってことは宿もうとってあるんだ?」
「………」
しまった
って顔してら
「俺も
「嫌だ。」
「まだ何も言ってないじゃんよぉ!」
「床で良いんなら案内するが?」
「えぇえぇそんなぁ!一緒に寝よーよ」
「嫌だ。狭い。」
「いーじゃん。くっつこーよ」
「触ってくるな」
「触るって言うかー上に乗るっていうかー」
ゴン
「あイター…」
「口にだすな」
「照れちゃって
「次は燃やす」
「黙ります」
「………」
めそめそめそ
「………」
めそめそめそ
「…着いて来ねぇのか」
「えvいいの?」
「一度しかいわねぇ」
「聞きました聞きました
行きます行きます行きます!」
「勝手にしろ…」
もっと話したいよ。
出来る限り一緒に居たい。
これも叶わぬ希望だと分りながら
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