- 20 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:04/02/14 12:36 ID:ZqoVNxA6
- >1に捧ぐ。俺 = >1 で読んでくれ。
俺の朝は、どすどすという廊下に響く足音と、地響きで始まる。
毎朝起こしに来てくれる妹だ。毎朝妹に起こしてもらう。エロゲみたいな夢のような生活と
いえるだろう。外見が高見盛でなければ。現実は非情だ。
乱暴にふすまを開ける音がして、数瞬後。ものすごい圧力が俺を襲う。妹が飛び乗ったのだ。
「ぐぇ……」
かえるがひき潰されるときのような悲鳴が漏れる。
「おにいちゃん。おはよー」
妹のヒキガエルの発情期のような声の挨拶。
頼むからこの起こし方はやめてくれ。なんど言ってもやめてくれない。これでは朝起きる前に
永眠してしまう。
いくら世の中広しといえど、『ロードローラだっっ!!!』で一日が始まる奴は俺くらいの
ものだろう。よく毎日乗り切れるものだ。我ながら誉めてやりたくなる。
「おにいちゃん。きょうは、バレンタインデーだよ。はいこれ。チョコレート。あ、い、言って
おくけど、義理だからね。か、勘違いしないでね」
「…………」
やめてくれ。頼むからそのエロゲのような台詞をその顔と声で言わないでくれ。
喉まででかかった言葉を飲み込む。
「ね。ね。早く開けてみて。一応手作りなんだよ」
そのまえにどいてくれ。俺が死ぬ前に。
妹を布団の上からどけてから、そのねっとりとまとわりつくような期待する眼差しに、蛇に
睨まれた蛙よろしく、仕方なく包装を開ける。
「ぶっ……」
中身を見て思わず吹きだしそうになった。ハート型にホワイトチョコで書かれた文字。
『ギリギリラヴ』
正直妹のセンスを疑った。これは『義理』って意味なんだよな? おい? そう思わないと
俺の精神が危うい。いろいろな意味で。
なにかを期待するような妹の視線。
どうすればいいんだ。