288 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:04/03/01 09:53 ID:Cf1IQw7W
 じ、地震か!?
 人が気持ち良い眠りに浸っていたところに、いきなり激しい揺れが襲った。
「お兄ちゃん! お兄ちゃん! 大変なの!!」
 って、地震じゃないじゃないか。妹の奴がいきなり俺の身体を思いっきり揺さぶっているだけ。そりゃ
もう、ガクンガクンと揺さぶってやがる。
 『春眠暁を覚えず』との格言があるように、人は眠りに逆らえないのだよ、我が妹よ。いや、今はまだ
冬だって突っ込みはなしだ。突っ込んで良いのは男だけ。んで、突っ込まれるのは女の役目。ニシシ。
 というわけで、とにかく俺を眠らせてくれ、マイ・シスター。
「お願い、起きて! 起きてったら、お兄ちゃん!!」
 ガクンガクン。
 まったく身体に力が入っていない状態で、身体をガクンガクンと揺すられれば、そりゃ首がガクンガク
ンでグルングルンとなってしまうわけだ。それでも頑強に起きるのに抵抗しているというのに、この妹は
「これでもか! これでもか! えぇ〜い、これでもか!!」というぐらい揺すってくる。
 うげぇ。だんだん酔ってきたぞ。
 さすがに俺様も、眠っていられなくなった。
「いいかげんにしろっ!」
 おきざまに力道山直伝(自称)の空手チョップを妹の眉間に、ズベシッ!と叩き込む。
「あいたぁっ!」
 赤くなった眉間を両手で押さえて、なみだ目になって俺を見上げる妹。
 ……おいおい、その格好はなんだ? いかにも、「あたし起きたばかりなの。うふ♥」というようなちょっ
と着崩れたパジャマは。くわぁ〜! その胸元はどうにかしろっての! 床にペタンと座り込んでいると、
ベッドの上からだと何が覗けちゃうだろうが。
「ひどいよ、お兄ちゃん」

289 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:04/03/01 09:54 ID:Cf1IQw7W
「うるさい! 俺様の眠りを妨げるものは万死に値するのだ!」
 さらに空手チョップをズベシ!と叩き込む。
「あうっ!」
 ……あれ?
 さっきは気にならなかったけど、手ごたえが変だ。そのなんというか、頭に空手チョップを食らわした
はずなのに、その手前に見えない壁があって、それを叩いたような手ごたえ。掌の側面全体がヒットす
ると思ったのに、いきなり指先から当たったようだ。
 ま、まさか、妹の分際でバリアーなる高等技術をマスターしたのか!? おのれ、生意気な。この俺様で
さえ身に着けていない技術を手にするとは、言語道断!
 って、妹は頭を抑えているし、ちゃんと当たっているみたいだぞ???
 それに、何だか……?
「おい、妹。動くんじゃないぞ」
 じ〜と妹を見る。
 そりゃ、穴が空くほど見る。
「あうぅ。あ、あのお兄ちゃん……。はうぅ〜」
 変だ。
 変だ変だ。
 変だ変だ変だ!
 なんだか全体的にのっぺりとした感じがする。そりゃ、もともと凹凸の少ない体型をしている妹だった
が、今日はいつにも増して凹凸が少ない気がするぞ。
 いや、外見は変わっていないのに、なんだかそんな気がする。
「じぃ〜…………」

290 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:04/03/01 09:55 ID:Cf1IQw7W
「や、やだ。お兄ちゃん。そんなに、あの……」
 ……!
 わかった! わかったぞ! ふははは、さすが俺様。マリファナ好きなどこぞの名探偵も真っ青な観
察力だぜ。
 こいつには、陰影がない!! 凹凸があっても、その下にあるはずの影がないのだ。だから、いつにもま
して、凹凸がないように見えるのだ。驚かせやがって……
「……って、おい! そうじゃないだろ、俺!」
「ひゃぁ!」
「こら! 動くなといっただろ! 動いたら、電気アンマかけるぞ!」
 俺はベッドから立ち上がると、妹の横に移動。
 ……見えない。
 妹の正面に移動。
 ……見える。
 妹の横に移動。
 ……見えない。
 …………
「お兄ちゃん! また眠ろうとしないでよ!」
「うるさい! 今、俺は夢を見ているんだ! 夢だ、夢! おまえは夢の中の妹!」
「あぁ〜〜ん! わけのわからないこと言わないでよ!」
 再びガクンガクンと揺さぶられる。
「お兄ちゃん! これ、夢じゃないよぉ!」

「あたしの身体が二次元になっちゃったんだよぉ!!」