455 名前:1/4[sage] 投稿日:04/03/20 00:06 ID:THavJ5M3
 うぅ。あ、うぅ……。
「うぎゃぁ〜! や、やめろぉ〜!」
 あ……? ゆ、夢か。
 何だかとてつもなく嫌な夢を見た気がする。なんというか、いい男がベンチに座っていて、いきなり
ツナギのホックをはずして「やらないか?」とか言われたような夢だった。うわ、思い出すだけで寒気
がしてくる。
 しかし、枕に顔をうずめるようにうつぶせになってるなんて、昨夜はずいぶんと寝相が悪かったみた
いだな。
「……? え? あれ? 身体が動かない?」
 起きようとしたら、手足が動かないぞ。まさか、これが金縛り?
 って、マジで動かない。まるで手足を縛られたみたいに動かない!
「あら、お兄様。お目覚めになられました?」
 背中の方から、聞こえたのは妹の声。
 マジで、シャレにならない。危険です、本気で危険です! 俺の危険感知メーターはレッドゾーンを
ぶち抜いてます。
 なぜ、危険かというと――
「なぜ、おまえが俺の部屋にいるんだ?」
「そんなのお兄様の寝顔を見るために決まっているじゃありませんか。ああぁん♥  お兄様の寝顔。
思い出すだけで、わたしのいけないところがジンジンうずいてしまいますわ。もちろん、デジカメで撮影
済み。あとでプリントアウトして、この感動をわたしのアルバムに納めなくては」
 はい、もうお分かりのように、この妹は変態です。この妹はイカれています。キ(ピー)イです。異常で
す。犯罪者です!
 小さい頃は、ただの妹でした。そりゃ、多少は兄である俺にベタベタしすぎるとは思っていましたけど、
ここ数年はもはや人外の領域に達しています。

456 名前:2/4[sage] 投稿日:04/03/20 00:07 ID:THavJ5M3
 朝は目覚めのキスから始まり、朝食は俺にもたれかかりながら、「あ〜ん♥」を強要してくる。お昼は
さらなる地獄です、はい。学校では愛妹弁当を公言してはばからず、俺の前の席にいる田中を蹴倒し
て席を確保すると……ああ、思い出すだけで自殺したくなります。あのクラスメイトたちの目。異常者を
見るような、白く冷たい視線……。その上、なんで俺は妹のことで生活指導の先生に呼ばれなくちゃい
けないんですか?
 そして、もちろん夕食は言うに及ばず、風呂に入っていれば「お背中をお流しにまいりました」といいつ
つ、なぜか前を執拗に狙ってくる。夜にともなれば、あの、その、ちょ…ちょっと目のやり場に困るような
寝巻きを着用し、俺のベッドに侵入しようとする。
 最近では、自室、トイレ、風呂にいるときは鍵をかけなければ落ち着くこともできない始末。
 この狂った妹から俺は自分を必死に守っているというのに、周囲の人間はなぜか俺が諸悪の根源
と思っている。なんでですか? そんなに俺は信用ありませんか?
 そりゃ、確かにエロゲ好きですよ。妹ものもしっかり抑えていますよ。
 ですけど、常日頃の妹の言動見れば、異常なのはどちらかあきらかでしょ? そ、それなのに、なん
で母親が「こんな息子に育てた覚えはないわ」って泣かなきゃいけないんですか? 幼なじみの綾乃
ちゃんに「妹を洗脳した鬼畜! 幼なじみであることが恥ずかしい!」って怒鳴られなきゃいけないん
ですか? 男友達に「なあ、教えろよ。薬? 催眠術? それとも、あっちのテクかよ?」と下品な笑い
で問い詰められるんですか?
 絶対にみんなは、妹にだまされている!!
 妹は身内の贔屓目を差し引いても、めちゃかわいいよ。天使だよ! 妖精だよ! 街歩くと必ずって
いいくらい、芸能プロのスカウトからナンパとに、5mごとに声かけられるくらいだ。
 そのうえ、頭脳明晰成績優秀品行方正と、美少女の理想が服をきて歩いているような奴だ。
 ヲタなアニキとは大違い。何度「悪いところだけ兄にいき、いいところだけが妹にいってようだ」と言わ
れたことか。…うう、自分で言っていて泣けてくるぜ。
 だから、いくら妹が異常な行動をとっても、なぜか俺が悪者で妹が被害者。

457 名前:3/4[sage] 投稿日:04/03/20 00:08 ID:THavJ5M3
 あはは。もう、あきらめましたよ。この世はすべて、俺の敵なのさ。あーっはっはっはっ!(涙)
「で、妹よ。今朝はなんのマネだ?」
「ああ、良くぞ聞いてくださいました!」
 目をウルウルとうるませ、至福の表情を浮かべている姿が見ないでもわかる。
「今日こそ、今日こそが、わたくしたちふたりにとって最良の日。ああ、これからはこの日があったこと
を思い出すたびに、ふたりは喜びに満ち溢れることでしょう!」
「……で、それが俺は手足をロープで縛られていることとなんの関係がある? だいたい、俺は寝る前
に部屋に鍵をかけたはずだぞ」
「あら、あの程度の鍵なんて、わたくしたちの愛の前には何の障害にもなりませんわ。ロープでしばっ
ているのは……」
 妹は恥らうように赤くなった頬を両手でつつむ(見えないけどたぶん)。
「愛するものを自分という存在で縛りつける。ああ、なんて甘美な愛の行為♥」
「おまえの存在は、ロープなのか!?」
「……たいした問題ではありませんわ、お兄様」
 たいした問題じゃないのかよって、うひょほっ!
 な、な、なんなんだ! いきなりケツの穴に冷たくてヌルってしたものっうひゃぁ!
「おまえ、何やってんだ!?」
「あん。動いてはいけませんわ、お兄様(グリグリ)」
「うひゃぁ! や、やめっ!」
「もう、ダメですわ。せっかく、通販で買ったローションですのよ。この日のために、最高級のものを用
意してまいりましたのに」
「うきゃ! やめろって! 何をする気だよ!?」
 妹は天使の笑みを浮かべ(見えないけど間違いなく)。

458 名前:4/4[sage] 投稿日:04/03/20 00:09 ID:THavJ5M3
「もちろん、お兄様の後ろの処女をいただくつもりですわ」

 松井のフルスイングを脳天に食らったような衝撃に、肛門の力を緩めた瞬間、妹の指が俺のいけな
いところに侵入! うひゃほ! うわ、指を動かすな! うほぉっ! や、やめ! お願い、やめ! あぅ。
だ、だめ。いけないものに目覚めちゃうだろ!
「ダメですわ、お兄様。もっともみほぐしておかないと、痛いですわよ」
「お、お願いです。許してください。マジで、勘弁してくれぇ〜(血涙)」
「ああぁん♥ 何だかとっても興奮いたしますわ。女性をレイプする殿方の気持ちが、少し分かりました
わ。うふ、病み付きになりそう」
 後ろではカチャカチャと、金具の音。
「こ、今度は何をする気だ!?」
「もう少しお待ちくださいませ。ただペニスバンドをつけているだけです」
 ペニスバンド!?
 まさか、レズの女の人が装着して、相手を突いちゃったりするような、あれですか!?
「うふふ。お兄様ほどではありませんが、なかなか素敵なものがわたくしにもつきましたわ」
 本気で、やめて。お願い、助けて!
「愛とはお互いのすべてを独占したいものですわ。わたくしのすべてはお兄様のもの。そして、お兄様
のすべてはわたくしのもの。わたくしの処女は前も後ろも、お兄様のものです。ですから、お兄様の前
の童貞と後ろの処女はわたくしがいただいてもよろしいでしょ?」
 どれもいりません! だから、俺からどれも奪わないでぇ〜!!
「それでは、失礼いたしますわ。――んっ!」

「 痔 は い や ぁ 〜〜〜!!」

470 名前:1/4[sage] 投稿日:04/03/21 20:57 ID:mmE7mpr+
「シクシクシク……」
 お尻が痛い。
 マジで痛い。死ぬほど痛い。そりゃもう痛い。
 さっき指で確認したら、血がついていた。あはははは(涙)。処女を失うとき出血するっていうのは、本
当だったんだね、ママン。
「ああ…お兄様。そんなに泣かないでくださいませ」
 こぉんのぉ諸悪の根源がぁ!!
 お兄ちゃんはな。お兄ちゃんはな。男が一生失ってはいけないものを失われ…いや、奪われてしまっ
たんだぞ!
 いくら可愛い妹だからって、もう許さない! 絶対に許さない!
 そんな泣きそうな顔で言ってもダメなんだからな!
 いや。だから、ダメだって! 許さないんだぞー! ……たぶん。
「お兄様。そんなにお泣きになるなんて……」
 うるうると目をうるませる妹。
 うっ。何だか罪悪感が……。
「それほど、よろしかったのですわね♥」
 その目をうるませているのは、感涙かぁっ!?
「良かったわけねーだろ!! うわぁ〜〜〜〜〜ん!!(激涙)」
「あぁん。お兄様ぁ〜」
 妹の制止を振り切り、部屋を飛び出す俺。

 ぢぐじょぉ〜〜〜。

471 名前:2/4[sage] 投稿日:04/03/21 20:58 ID:mmE7mpr+
 ううう、みじめだ。みじめすぎる。
 なんで朝から、トイレにこもって切れた肛門の手当てをしなくちゃならないんだよ。しかも、うちの救急
箱には切痔の薬なんてなかったから、しかたなくオ○ナイン軟膏。ホントに、効くのかこれ?
 しかも、いまだにジンジンと脈打っているように痛い。
 いつか処女の女の子とエッチしたときは、ちゃんと手当てしてやろうと決意したよ、俺。あんな棒のよう
なもので内臓を引っかき回されるなんて、どんなにつらいことなのか身をもって理解しました。ああ、で
きることなら一生知らないでいたかった!
「ぐぞぉ〜! 初めてのエッチの相手が妹で、しかも俺が処女奪われるなんて……」
 俺だって若い男だよ。エッチにだって興味いっぱいあったさ。エロゲもエロ本もいっぱい持ってるよ。
アナルセックスだって知識で知っていたし、興味もあったさ。ただし、俺がやられるなんて思ってもみな
かったけど(涙)
 それに俺にも、それなりにはじめてのエッチには夢ってもんがあったんだよ!!
 俺の周りじゃ「妹萌え〜♥」とかいう連中が増殖しているけど、あんな兇悪きわまりない妹を持った
俺に言わせれば、妹なんてロクなもんじゃありません。妹なんてカスです、カス!
 やっぱ、はじめてのエッチはやさしいお姉さんが理想! これ最強!
 初めてのエッチで緊張する俺をやさしく導き、そっと包み込んでくれるお姉さん。はぁぁ。

『いけないボウヤね。身体もココも、ほら、こんなにガチガチ』
『ああ、お姉さん』
『うふ。お姉さんが、優しくしてあげるからね』

472 名前:3/4[sage] 投稿日:04/03/21 20:59 ID:mmE7mpr+
『ああ、もう出ちゃうよ!』
『ああん。いけない、ボウヤだわ。出していいわよ。あたしが全部飲んであげるから!』
『ああっ!』

 なんてことを夢見ていたのに!
 ああ、ごめんなさい! 未来の俺の童貞を奪うお姉さん! お姉さんに童貞を奪われる前に、悪逆非
道な妹に、俺は処女を奪われてしまいましたぁ〜!!(血涙) お姉さんにより前に、妹に汚されてしまっ
たんです! ああ、きれいな身体でお姉さんとエッチしたかった!
 ぐやぢぃ〜〜!!
「お兄様ぁ。お兄様ぁ」
 ドンドンとトイレのドアを叩く音。
「早く出てきて朝食をお食べにならないと、学校に遅刻いたしますわよ」
 こぉんのクソ妹がぁ!
 プチッと俺の堪忍袋の緒が切れた。
 トイレから出ると、うれしそうに俺を待ち受けていた妹を無視。そのまま自分の部屋に戻ると、肛門が
痛むのを我慢しながら素早く制服に着替える。
「あの……お兄様?」
 着替え終えると部屋の外にいた妹を再び無視して階段を駆け下りて食堂に行くと、そこで微妙に緊張
感を漂わせる母さんが、ぎこちない微笑を浮かべて「おはよう」といってきた。
 そりゃそうだろう。毎日毎日、朝食と夕食ごとに兄妹の異常な関係(母さんの認識では、俺が妹をたぶ
らかせているらしい)を見せつけられているのだから、大きなストレスになっているんだろう。

473 名前:4/4[sage] 投稿日:04/03/21 21:00 ID:mmE7mpr+
 そんな母さんの顔を見るのがいたたまれず、目をそむけながら、
「今日、朝ごはんいらない。用があるから、もう学校いくよ」
 母さんが呼び止める声を背中に受けながら逃げる。
 とてもじゃないが、こんな状態でいつものように妹が朝食にからんできたら、俺はもう怒りを我慢する
ことはできない。ただでさえ、気苦労を抱え込んでいる母さんに、これ以上心配はかけられないんだよ。
わかってくれ、母さん!
 カバンを引っさげて家を飛び出した俺だけど、ほんの数十メートル先でダッシュがとまる。だって……
「いで。いでででっ! くそっ、肛門が痛ひ……」
 思いっきり走ったせいで、傷口が開いたのか? 一時期おさまっていた痛みが、そりゃもうジンジンと
突き上げるような痛さとなって戻ってきやがった。
 まともに立っていることもできず、近くの電柱にお尻を押さえた格好で寄りかかる。
 うううぅ、みじめだ。
 とてもじゃないが知り合いには見せられない格好だよ。いつもより登校時間が早かったおかげで、人
通りが少なかったのがせめてもの幸いです。ああ、この程度で幸せを感じている俺って、いったい?
 だけど、俺にはそんなささいな幸せすら存在しなかったのさ。あははは(血涙)
「ど、どうしたの? こんな朝早くから?」
 ええ。後ろを振り返らなくたってわかります。このスウィートでキュートな声は、俺の幼なじみでラブリ
ー・エンジェルな綾乃ちゃん。今、一番こんな姿を見られたくない人でした。

 ねえ、神様! 俺が一体何をしたっていうんだぁ!!

651 名前:1/4 ◆GYhzO8OFh6 [sage] 投稿日:04/03/31 01:38 ID:zQ4CWpAR
>>473より
「あ、おはよう」
 肛門の痛みを我慢して精一杯の笑顔で綾乃ちゃんに挨拶をする。
 だけど、その間も肛門はズキズキと悲鳴をあげ、俺は笑顔のまま脂汗がダラダラと流して
いた。ホントは真っ直ぐ立っているのもしんどいです。このまま道路に突っ伏して寝られたら
どんなに楽か……。
「え、あ…お、おはよう。でも、どうしたのよ? ホントに顔が真っ青よ?」
「あはははは。大丈夫、大丈夫。なんでもないったら」
 いつもは口の悪いクラスメイトに「歩く校則」とか「鉄の女」なんて呼ばれているくらい、凛々
しい顔(友達は「キツイ」っていうが、そんなことは絶対ない! あれは凛々しいんだ!)を心
配そうに曇らせてくれているだけでも、俺は幸せでどうにかなりそうだよ。そして、肛門の痛さ
でも、どうにかなりそうですが(涙)。
「気分でも悪いの? 風邪?」
 ああ、眼鏡の向こうから理知的な瞳が俺のハートを射抜きます。それはもう、立ち往生し
た弁慶も真っ青なくらい、ブスブスと射抜かれまくっております。
「風邪? ああ、そうなんだよ。どうも、寝冷えしたみたいなんだ、ゲホゲホ」
「辛くない? もう。ちゃんとお布団かけなきゃダメだよ」
 うそ臭い咳払いをする俺も何だけど、それを信じ込む綾乃ちゃん。
 綾乃ちゃん、君の人を疑うことを知らない純真さを俺はとても好きだけど、それと同時に俺
は君の未来がとても心配です。いつか口のうまい男にだまされるんじゃないかと思うと、心
配で心配で夜も眠れません。
 花形満のような髪型をしたキザ男が赤い薔薇をくわえて、綾乃ちゃんを口説いている光景
が俺の脳裏を駆け巡る。
 くそっ! 綾乃ちゃん! 君は、そんなアパタイトで前歯を磨き抜いたような男に騙されて
いるんだ! 君を本当に愛しているのは俺さ! さあ、俺の胸に飛び込んでおいで!
「ん? 熱が出てきたんじゃない? 顔が真っ赤になってきたよ」
 あ、いや。顔が赤いのは、別の理由なんですけど……って、わお! 綾乃ちゃんの右手が
俺のおでこに伸ばされてきましたよ、お客さん!

652 名前:2/4 ◆GYhzO8OFh6 [sage] 投稿日:04/03/31 01:39 ID:zQ4CWpAR
 まさか、これが伝説の「おでこの熱を手ではかっちゃうぞ♥」ですか!?
 うわ、どうしよ? 今朝、ちゃんと顔を洗ったよな。脂とか浮いてないよな? くっはぁ〜!
俺はしばらくおでこを洗わないぞ! それにこれからのことは一瞬も見逃さず、俺の心のメ
モリーに刻み込んでやる。もち、3倍速などではなく標準録画です!
 さあ、綾乃ちゃん。俺の方は準備万端です! どんと熱を測ってやってください!
 綾乃ちゃんの白くて細い指先が俺のおでこに触れようとする寸前――。

「おにいぃさまぁ〜〜!!」

 いきなり綾乃ちゃんが俺の視界からフェイドアウト。一挙手一投足も見逃さず、この目に焼
き付けようとする俺は、綾乃ちゃんが目をまん丸にして、真横に吹っ飛ぶ決定的瞬間を克明
に記録してしまいました。ああ、綾乃ちゃんが……。俺と綾乃ちゃんの甘酸っぱい青春のメ
モリーとなるはずが、綾乃ちゃんのお間抜けな顔を記録することになるとは(涙)。
「んがぁっ!!」
 そして、俺も綾乃ちゃんを心配する余裕なんてありませんでした。腹部に強い衝撃を受け
た俺は背中から後ろに立っていた電柱に激突。その拍子に頭まで思いっきり打ち付けたた
め、一瞬目の前が真っ白に染まった。
 漫画やアニメで頭に強い衝撃を受けると星が飛び出すけど、あれは本当です。今、実体
験をした俺が言うんだから間違いありません。
「お兄様、お兄様、お兄様ぁ!!」
 そして、この惨劇の原因であるのは、いわずと知れた俺の妹。その小さな頭をいい具合に
俺の鳩尾に突き入れたまま、グリグリと頭を回すのはやめてくれ。咽喉まで苦い液体が込
みあげてくるっての!
「わ、わたくしが何か失礼でもしたのでしょうか? お願いです、お願いです。わたくしを許し
てください! 何でもいたします。何でもいたしますから! どうか、わたくしを許してください!」
 恥も外聞も投げ捨てて、俺に泣きつく妹。
 ううぅ……。確かに俺は男として最大の屈辱を与えられたが、それでもやっぱり妹は妹な
わけで、こうして泣きつかれると、正直なところかわいそうになってくる……。

653 名前:3/4 ◆GYhzO8OFh6 [sage] 投稿日:04/03/31 01:40 ID:zQ4CWpAR
 いやいや。やっぱりダメだ。これまでそうして甘やかしてきたのがいけない! 今日こそは
この変態妹にガツンと言ってやるんだ。そして、正しい兄妹としての関係に修復すべきでは
ないんだろうか? いや、そうに違いない!
 泣きつく妹の肩を掴むと、力任せに妹を引き剥がす。うっ、そんな目で見ないでくれ。せっ
かく決めた意志がくじけそうになる。
「どうして俺が怒っているのかわかるか?」
 くじけそうな意志を奮い立たせた俺は、低い声で妹に告げる。
「わかりません! わからないのです、お兄様ぁ。わたくしは、わたくしは何かお兄様の気に
障るようなことをしましたでしょうか!? お教えください、何が悪かったのか。わたくしは、お
兄様がお許しになってくださるまで、謝ります! 改めます! もう二度といたしません! 
ですから、ですから……!」
 目にいっぱい涙をためた妹は、突き上げる感情に一時言葉を失っているようだった。そし
て、再び震える唇が言葉をつむごうとかすかに動くのと同時に、再び俺にしがみつく。
「嫌いにならないでください……!」
 ……!
 ちょっと。ほぉ〜〜んのちょっとだが、俺は周囲の友達がいう「妹萌え」というのがわかった
ような気がする。なんというか、背筋を甘いしびれが駆け上がる? そんな感覚だ。
 って、意志がくじけるどころか、変な方向に流れているぞ、俺! いかん、いかん。ガツンッ
て言ってやるって決めたじゃないか。
 しがみつく妹の肩に手を当てると、かがんで視線の高さを妹に合わせる。
「俺が怒っているのは、その、なんだ……今朝のことだ」
 さすがに公道のど真ん中で、はっきりと「後ろの処女を奪われたことだ!」とは言えないの
で、言葉を濁す。それでも十分伝わったのだろう、妹はポッと頬を赤らめるって、おいコラ! 
やはり、おまえの中であの出来事は、甘く切ない恋人たちの情事に変換されているだろ!!
「いいか。あんなのは、ダメなんだ! いけないんだよ!」
「……ダメ? ……いけない、のですか?」
 愛らしい目を見開き、ヒィと小さく息を呑む妹。

654 名前:4/4 ◆GYhzO8OFh6 [sage] 投稿日:04/03/31 01:41 ID:zQ4CWpAR
 ようやく、この変態妹にも事態が理解できたらしく、ずいぶんとショックを受けているようだ。
ちょっと可愛そうな気もするが、ここで弱気を見せたらいけない! それでこれまで何度失
敗しただろうか。
 とにかく、今日こそは妹に、自分がやって来たことが間違っていたということをはっきりとわ
からせなくっちゃいけない!
「そうだ。だから、お兄ちゃんは本気で怒っているんだよ」
 俺の言葉に受けた衝撃に顔を青ざめさせ、口許に固く握り締めた拳を寄せた妹は、力が
入らぬ足取りで、フラフラと後ろによろめいた。
「そうだった、んですの……。で、ですから、お兄様はお怒りになられたんですね」
 妹は俺の視線をさけるように、顔をふせる。
「わたくしが、わたくしが、わ、悪かった、ん、ですね。お兄様が、お怒り、になる、のも、と、当
然ですわ。だ、だって、わたくしが悪かったんですもの……」
 しゃくりあげ、途切れ途切れになりながらも、必死に言葉をつむぐ妹。
 声もあげず泣く妹の身体が、とても小さく、そして今にも壊れそうに見えた俺は、思わず妹
の身体を抱き寄せてしまった。こ、これはあくまで兄として、です。変な、やましい気持ちなど
これっぽっちもありません、はい。
 俺の胸の中で、「ごめんなさい」と何度も繰り返す妹が、たまらなく愛しかったのは否定し
ないが。それくらい許されるだろ?
「いや。わかってくれたなら、それでいいよ」
 泣き続ける妹の背中を優しく叩いてやると、ようやく妹は顔を上げてくれた。
「お兄様、ごめんなさい……」

「わたくしのテクニックが『ダメ』で、それでお兄様が『イケなかった』ことを怒っていらっしゃっ
たのですね」

 わかってねーじゃん、こいつ!!

702 名前:1/5 ◆GYhzO8OFh6 [sage] 投稿日:04/04/01 22:25 ID:lP96IUJW
 この妹は日本人なんでしょーか? だって、こいつ日本語通じないよ、マジで。おまえは日
本語が不自由な人なんでつか?
 さっきまで泣いていたのに、もう立ち直って昂然と薄い胸を張る妹。おい、胸を張るなら、も
う少し乳を成長させてからにしろ。
「ご安心くださいませ、お兄様。このわたくしの身も心もすべてはお兄様のもの。お兄様のた
めにわたくしは存在し、わたくしの存在はすなわちお兄様のもの。ならば、お兄様がお喜び
こそが、わたくしの喜び」
 頼む妹よ。おまえが大喜びしてやった今朝の出来事は、お兄ちゃんにとっては悲劇どころ
か喜劇。おまえの喜びがお兄ちゃんの哀しみだってことを理解してくれ!
「ええ、理解しておりますとも、お兄様。わたくしは、ただただお兄様と初めて結ばれたことが
嬉しくて、それだけで満足しておりましたわ。でも、それだけではいけなかったのですわね!」
 いえ、それだけっていうか、それ以上もいりません。俺が欲しいのは、平凡な人生。
「ああ、なんて謙虚なお兄様。愛とは愛する者への無私の行為。何も求めず、ただ自らのす
べてをささげる行為。それが愛! それなのに、わたくしはわたくしのみ満足にひたり、お兄
様を満足させることを失念していたなんて。そんなわたくしをお兄様はお叱りになってくださっ
ていたのですわね!」
 こ、この妹はっ! もういいです。勝手にやってください。
「ああ、あとは自らで道を切り開けとおっしゃるのですわね。わかりましたわ、お兄様! わ
たくしは持てるすべてのものを使い、必ずやお兄様を満足させる技巧と肉体を手に入れま
すわ! そして、それを成し得たときこそ、わたくしの肉体はお兄様の肉体を喜ばせるため
の道具となり、わたくしの心はお兄様の心を歓喜に満ち溢れさせる呼び水となるでしょう。
 ああ、そのときこそお兄様は、こう言ってくださるに違いありませんわ。
――『おまえが最高だ』と! いやん♥」

703 名前:2/5 ◆GYhzO8OFh6 [sage] 投稿日:04/04/01 22:25 ID:lP96IUJW
 「いやん♥」じゃねーよ、「いやん♥」じゃ。俺の方が、嫌だっての!
 この妹の脳には、変なコンバーターでも標準装備されているのか? だって、俺がいくら
世間の常識を説いても、こいつの頭の中では近親相姦の異常性癖に変換されちまう。世の
中には、人の話を都合のいいように変換してしまう電波がいるっていうけど、まさか自分の
妹が電波だと、笑い話にすらならないよ。
 って、妹よ。いきなり携帯を取り出し、どこにかけるつもりだ!?
「あん♥ お兄様。いきなり手を握り締められるなんて、わたくしどうしたら……」
「おまえは、どこの誰に何を電話しようとしているんだ?」
「それは、もちろん――」
 ニッコリと微笑む妹。
 だけど、その天使のような微笑も今は邪悪な魔王の笑いにしか見えません!
「まずはクラスメイトで情報通の吉田さんと池内さん。あと、お隣のいい歳していまだに下半
身が健在な大蔵さんのおじーちゃんと、その30歳も若い奥様。他には……」

 Oh! のぉぉぉぉぉおぉおおおお〜〜〜!!

「やはり、わたくしは経験と知識に劣っておりますので、こうしたことに詳しい方々から直接
お話をうかがうのがよろしいかと思いまして」
 よろしくない! よろしくない! クラスメイトの情報通ってのは、いわゆる「おしゃべり」って
ことだろ!? そんなのにことの経緯を話したら、翌日には学校中に今朝のことが広まるの
は確実! し、しかもですよ。お隣の大蔵さんっていったら、町内の広報担当と呼ばれるくら
いの噂好きの夫婦じゃん! あの夫婦に知られたら、翌日には回覧で町内に噂を広められ
かねん。

704 名前:3/5 ◆GYhzO8OFh6 [sage] 投稿日:04/04/01 22:26 ID:lP96IUJW
「お、おまえ! まさか、今朝のことを話す気じゃないだろーな!?」
「ええ。それが、なにか?」
 別に妹の奴は、俺を暗に脅迫しているわけでもない。
 こいつは本っ気で、俺との関係を正しいものと思い込んでいるだけ! こいつにとっては、
俺と自分の関係が世界の中心であり、絶対の法則、万物の真理、定説なのです。
 それだからなお性質が悪い!
 ……くっ! こうなったら、最終手段。俺は精一杯の微笑を浮かべると、妹の耳元に口を
寄せると、甘ったるくささやいてやった。
「今朝のことは、秘密にしないか?」
「秘密にですか? でも、わたくしはこの喜びを多くの人と分かち合いたくて……」
 それだけは、マジでやめれ。
「人に言うなんて野暮な行為さ。今朝のことは秘密。ふたりだけの秘密さ」
 ああ。俺は今、人生の泥沼に向かって直滑降しております。
「ふたりだけの秘密……あん♥ そうですわね。そうしましょう、お兄様」
 よし! 最悪の事態は免れた。だが、より悪い方に向かって転げ落ちている気がするのは
気のせいか?
 そんなことを考えていたのが悪かった。俺が原因とはいえ、気分が盛り上がっている妹の
至近距離に顔を置いたまま、気をそらしたのは危険なことだということをすっかり忘れてい
た。
 いきなり、その細い腕を俺の首筋に回すと、グイッと顔を引き寄せる。やばっ! と思った
ときには、すでに妹は俺の唇を奪っていた。

705 名前:4/5 ◆GYhzO8OFh6 [sage] 投稿日:04/04/01 22:27 ID:lP96IUJW
 とっさのことに反応できなかった俺が半開きしていた歯の間を妹の舌がすり抜け、俺の口
腔内に侵入する。あわてて俺は舌を咽喉の奥に退避さようとするが、妹の舌が絡みつく。
 うわ、舌長いじゃん、こいつ!
 まず、舌の先端を軽くノックして挨拶。それから怒涛のように舌を俺のにまきつかせて、し
ごきあげた。緩急をつけ、俺の舌をほんろうする妹の舌は、変な生き物。ねっとりと甘く、や
わらかく、いやらしい軟体動物が俺の口の中を暴れている。
 舌の付け根をもてあそばれては、俺は身体を震わせ、上顎を舐め上げられたときには、一
瞬頭が真っ白になった。
 やばいやばいやばい! こいつ、なんでこんなにうまいんだ!? いつもより確実にヤバ
イッ!! このままでは、キスだけで。しかも妹にイかされてしまう!?
 だけど、その寸前で妹の舌が俺の口の中から出て行った。
 ふぅ、残念というか、すごくヤバかったって、おい! 妹の舌が再度の侵略!? うわ、大
量の唾液を俺の口の中に押しこんできた? うわ、ちょっと……ゴクッ!

 飲んじゃいました。

 『いつでもお兄様にキスされてもいいように』とブレスケアを欠かさない妹の唾液は、甘く
ミントの香り。ねっとりと口腔全体にからみつき、俺の頭をくらくらさせる。
 その間も妹の舌はうごめき続ける。今度は逆に、口腔内をこそぎ取るように俺の唾液を求
めて動き回る妹の舌。緊張にカラカラになったはずの口の中は、妹の舌がもたらす刺激に、
コンコンと新たな唾をわかせる。それを一滴あまさず集め、舌を戻した妹はようやく唇を離す。

706 名前:5/5 ◆GYhzO8OFh6 [sage] 投稿日:04/04/01 22:28 ID:lP96IUJW
 息を止めていたのと興奮で荒い息をつく俺の視線は、妹の口と咽喉に釘付け。
 妹の唇からわずかに漏れた俺の唾液が、一筋垂れる。その口許を恍惚とした表情のまま
指でぬぐう妹は、俺の唾液を味わうように口を小さく動かした。
 妹の舌の上を転がる俺の唾液。
 俺の唾液が、とろり、とろりと妹の口の中を転がっている。
「はふぅ……♥」
 妹の咽喉が、コクリと動く。
 俺は妹の唾液を飲んだ。
 そして、妹も俺の唾液を飲んだ。
 くらくらする。頭がとてもくらくらする。
「お…お兄様ぁ」
 いつの間にか抱きとめていた俺の腕の中で、腰が砕けて俺にもたれかかる妹は、恍惚の
顔のまま俺を呼ぶ。
 くらくらする。とてもくらくらする。背徳のキスに、くらくらする。

「なにやってんのよ、あんたたちぃー!!」
「うぎゃー!!」

 すっかり忘れていた綾乃ちゃんが怒声とともに、俺の頭部を強打する。
 さっきとは別の意味で、頭がくらくらした。