497 名前:463-1[sage] 投稿日:04/03/23 00:12 ID:abx3TEhL
「兄さま、お時間です」
さわやかな朝の挨拶が、据えきったこの部屋にこだまする。

………
(いや、そうじゃなくて!)
起動に失敗し暴走している己の思考にツッコミを入れると、俺は再び自己の電源を落す。
この、意識が眠りに吸い込まれる直前の不思議な開放感に浸っていると…

「兄さま、…兄さま」
至福の一時に身を委ねている俺を強制再起動しようとする輩がいるが、ゆさゆさと優しく
肩口を揺らす動作と、落ち着きを伴う清んだ声故却ってまどろみの幸福感を増幅する。
本人は一生懸命起こしているつもりらしいが、俺が朝に弱いのは間違いなくコイツのせい
だ。こんな幸せを一秒でも長く味わいたいと思わない奴は人間じゃない。
証拠に、何らかの理由でコイツが起こしに来られない日は、至極普通に起床出来る。
それは家族全員周知の事柄。なのになぜコイツは毎朝早めに起こしに来るのか。

もはやお互い朝の決まり事となっているので、閉じている瞼に妹の姿がありありと浮かぶ。
少しツリ目気味の当家において、涼しげな眼差しをたたえ(これが男の俺の場合だと、
単に目つきの悪いニーチャンになってしまうのだが)、小さめの口は、その意思の強さを
表すようにあまり無駄な言葉を発しない。
長くまっすぐな、光沢のある長い黒髪は後ろできちんとまとめられている。
それが、まだわずかに幼さの残る顔立ちを年齢よりも落ち着いた印象へと導く。
その凛々しさを漂わせる顔に、いつも猫やウサギを見下ろすかのような表情を浮かべて
俺を優しく揺り起こしている。
わずかに聞こえる衣擦れの音は、既に妹の朝の準備は済んでいて、俺を起こした後すぐに
ウチでやっている道場に向かうように袴姿であるためなのだろう。

498 名前:463-2[sage] 投稿日:04/03/23 00:13 ID:abx3TEhL
多少の旧家であるウチは、男は家業、女は道場を守るしきたりなんてものがある。
そのしきたりのお陰で、家業を継ぐことに同意している俺はオタク生活を送っていても
「家の中では」何らおとがめを受けることは無い。だが、それが油断を招いてしまい、
隠し忘れた二次元のあんなのやこんなのを妹に見られてしまうと言う失敗を過去何度か
招いた。おとがめを受けないとは言っても、純情な乙女に対してこれは相当に後ろ暗い
ものがある。
一方の妹は大変良く出来ており、一子相伝とやらで家族の俺にすら全く何も教えてもら
えないような奥技とやらも先日から授けられ始めるほどである。
道場でも、既に子供相手などで良く指導する立場に立っている。
そんな忙しいなか、あんなものやこんなものにうつつを抜かす不肖の兄の世話をわざわざ
焼きに来るなど全く理解に苦しむ。

とは言え、肩をやさしく揺り動かすやわらかな手の感触は優しい女の子以外の何物でも
なく、より深い桃源郷へ俺をいざなってしまう。そのために、起こしてくれる妹には
申し訳ないがとても起き出せる状況ではない。

「… …」
ふと、優しく降り注ぐ声が止み、やわらかな手が離れた。
さすがに、愛しい妹をこれ以上困らせられないか。
まだ名残惜しいまどろみに別れを告げられる時が来たようだ。これなら自力で目覚めに
持って行ける。

500 名前:こっちが463-3だ![sage] 投稿日:04/03/23 00:17 ID:abx3TEhL
うわ、みっともな!連投規制にひっかかって、一個抜けてました。こっちが本当のNo3

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と、思ったその時

「ふー、はぁー」
なにやら、妹が気合を入れている気配がする。
何事かと思い、目を開けようとしたその刹那!
頭に妹の指先が触・れ・た

その途端
(ぐおぉぉぉぉ! の、脳がぁ、脳が痛てぇぇ!)
まるで、自分の頭の一部が無理やり組替えられるような苦痛に微動だに出来ない!
息すら止まるほどの激痛が、脳から、やがて全身の隅々にまで行き渡って行く!
声も上げられず、のた打ち回ることさえ出来ない状況で、意識が真っ白になって行く。

そして、ふいに痛みが引いた。
だが、痛みで無意識に全身に力を入れたのだろうか、自分の体に妙な違和感が漂う。
と、
ようやく目を開き、ほっと息をつこうとした俺の意識とは無関係に足が動き始める。
どうやら勝手に歩き出そうとしているではないか!?
何事だ?
パニックに陥っている俺の上から、落ち着きを取り戻させるかのように妹の優しい顔が
覗く。妹なのだが、慈愛をたたえたその笑顔は、まるで俺が年下のようである。
そして状況に怯える俺をなだめるかのように優しい声が俺に降り注ぐ。
「兄さまの経絡秘孔の一つを突かせていただきました。
意思とは関係なく足が動きますが、私が手を取って誘導いたしますのでご心配なく。」
…、内容は全然優しくなかった。

499 名前:463-3[sage] 投稿日:04/03/23 00:15 ID:abx3TEhL
!!!!!!
You Are Shock!!!
今初めて知る衝撃。
ウチで教えている武道ってのは、そんなトンデモないものだったんかいっ!
パニックに声も出ない俺を、妹は意に介する事も無く笑顔を見せることを忘れずに立ち
上がらせようとした。
掛け物を除け、俺を立ち上がらせるために手を取り、俺の体が立ち上がっている所で、
バランスを確認するためか俺の下半身に目をやった瞬間に妹が固まった。
どうやら、視線さえ動かすことが出来ないようだ。固まったまま、ただ顔色だけが徐々に
桜色に染まって行く。
ああ、妹よ、信じてくれ。兄はダメ人間だがマゾではない。この状況のせいで下半身の
一部がこうなったのではなく、単なる生理現象なのだよ。
激痛があったにもめげずに存在を誇示し続けた不肖の兄の不肖の息子には、本来敬意を
表してやるべきなのだろうが、この状況では単なる羞恥と恨みの対象でしかない。
いや、そう言う問題ではないか。俺自身パニック起こしたまんまだな。

普通なら気まずい空気がしばらく流れているのだろうが、状況は普通ではなかった。
起こす途中で固まられても俺の足は勝手に動いているのである、前進しようとしているの
である。
正面に立つ妹に向かって、俺の意思とは関係なしに覆い被さるように倒れこんでいく。
「きゃっ」
短い妹の悲鳴と、どさっと言う音と共に、俺は妹を押し倒してしまった。

妹の上に覆い被さっていく瞬間、腕は問題なかったので自分の体を腕で支え、どうにか
全体重で妹の上にぶつかる事態は避けられたが、勝手に動く俺の足の間に妹の片方の足が
入っていて、元気な状態のナニを、妹の太ももにこすりつけている形になってしまった。
さすがの妹も、これにはパニックを起こしたらしい。
「きゃぁっ! きゃぁぁぁぁ」
切れ切れに細い悲鳴をあげながら体をねじらせる。
顔は既に耳まで真っ赤で、目を固くつむっていやいやと顔を振る様子はやはり純情可憐な
女の子なんだなと、状況的にみてそれどころではない感想が思わず頭をよぎる。
そんな事を考えていても、一向に状態は改善しないのだが。

501 名前:463-5[sage] 投稿日:04/03/23 00:19 ID:abx3TEhL


現状から脱出しようと言うのか反射的になのか、妹がずりずりと体を頭の方へ出し始めた。
いまだその口からは意味のある言葉は出て来ておらず、目もまだつぶったままであるが。
さんざ体をよじって乱れた袴がそれによってずれて、妹の白い肩と胸元がまともに目に
入ってくるわ、妹の太ももが俺のナニにこすりつけられる形になり、柔らかな太ももの
感触がさらに刺激的になるわで、もう、俺、理性が飛びそう。
一方の妹と言えば、そんな兄に対して目をやる余裕も無いようで、明らかに袴の状況にも
気付かずにもぞもぞ、ばたばたと少しずつ体をずらして行く。
非の打ち所が無いゆえにともすれば人形のようにも見えてしまう整った顔も、今は羞恥の
ためか本来の年齢相当の愛らしさに見えないことも無い。

「うっ」
そんな、気もそぞろになった状態で妹の振り回した腕が俺の腕を直撃した。
大して力の入っていなかった俺の腕は払いのけられて、妹の上にまともにのしかかって
しまった。
一瞬の軽い衝撃の後に感じる、柔らかな、はっきりとした女性の胸の感触に俺の理性が
とろける。俺の胸の下でつぶれているやわらかな肉体、それは紛れも無く一人の女性の
肢体。
いま、妹をはっきり異性として意識して、俺の息子の硬度が上がった。
パニックに陥っている妹に欲情しているのだ、俺は獣だ。
伝わって欲しくない、気がついて欲しくないのに、妹にも当然俺のその状況は伝わった
らしい。
動作がずりずりと動いていくのから、再び完全なパニック状態になった。
と同時に、覆い被さっているので表情を見ることの出来ない妹の口からようやく言葉が
つむぎ出された。

502 名前:463-6[sage] 投稿日:04/03/23 00:19 ID:abx3TEhL
が、それは妹が落ち着きを取り戻したものではなく、さらなるパニックへの入り口で
あった。
「兄さま。兄妹で、兄妹でこんな事いけません」
その声は、細かく震えていた。
不出来な兄貴である俺を慕ってくれる、俺にはあまりに勿体無い可愛い妹の声を震わせる
程のことをしている。すぐに何とかしなくてはならない。
そう考える理性とは全く独立して、目覚めた獣の炎は更なる力を得る。
その力はそのまま息子の硬度に直結するのだ、それは妹への更なるプレッシャーとなる
だろう。なのに俺はそれをどうすることも出来ない。辛うじて妹のやわらかな足へ自ら
の意思で息子をこすりつけようとする欲望を抑えるのが精一杯である。
「私は、妹なのですよ」
再び妹の細い、震える声。
お互いを落ち着かせようと言うのか、嫌とか気持ち悪いと言った言葉でなく、理性に
訴えかけようとしているかのような言葉。
妹の、本当の優しさが表れた言葉…
それに対して俺の口から出た言葉は、
「なら、お前が妹でないなら良いのか?」
という、状況的にピントはずれなのは当然、兄としてはおろか人として全く不適格な言葉
そのものであった。

まずい。
現状は俺自身が自発的に起こした状況でないにもかかわらず、この発言でまるで俺が自ら
の意思で妹を押し倒したと言ったようなものではないか!
俺は一体何を言っているのか!?
この失言で妹が己の危機を悟り、本格的に大暴れを始めるのを覚悟した俺は体を固くした。

503 名前:463-7[sage] 投稿日:04/03/23 00:20 ID:abx3TEhL
が、
状況はまるで違った。
じたばたと無意味な動きをしていた妹が、ぴたりと動きを止めたのである。
強く重なり合っているのでわかるが、体が硬直したのではない、完全に脱力してしまった。
そして、密着していたお互い体から、相手の鼓動が感じられる状態になる。
早かった妹の呼吸と鼓動が、暴れるのをやめたにもかかわらずさらに激しくなって行く。
呼吸と共に押しつぶされた状態で形を変える乳房の柔らかな感触が、この上も無い性的
刺激となって俺の心に刻み込まれて行く。
一呼吸ごとに、俺は悪魔に魂を売りつけつつある自分を感じ、既に理性のタガが限界に
差し掛かっているのに、妹から離れるどころか自分の自由になるその腕は妹を強く抱き
しめてしまいそうになる。
その衝動を押さえ込もうと、とりあえず体を動かすことにした俺は、ようやく突っ伏して
いた顔を妹に向けることを思いつき横を向くと、すぐ横にこちらを向いている妹の顔が
あった。
その、普段は深い知性と優しさを感じさせる目にはうっすらと涙が浮かび見開かれ、その
ふっくらとした唇はわずかに開いて、だが全く動かなかった。
驚きと足掻きに少し乱れた感じの今の状況でもその可憐さはいささかも失われてはいない。
いや、むしろ男の本能的衝動を直撃する。
妹はショックのあまり動けないのかもしれない。だが、俺はそんな風に考えをめぐらせる
余裕は無かった。嫌がっていないと言う、自分勝手な妄想が頭を支配する。
愛する妹への、兄としての愛情が妹をなんとしても守らなくてはと思うと同時に、恐らく
ずっと隠していた、一人の女性として愛欲の対象としていた思いが俺の中で混乱の渦を
巻く。あってはいけない思いを、なんとか理性で再び無意識の闇に沈めようともがく。
だが、もはや意識することすらなしに、その柔らかな唇に引き寄せられている。
人としての尊厳など何だ!
この甘美な、獣ゆえに享受できる禁断の快楽の前には全てのものは意味を失う。
もうすこし、もう少しで後戻り出来ない所まで行ってしまう。そうすれば、もはや良識
など己を傷つける害毒でしかなくなる…

504 名前:463-8[sage] 投稿日:04/03/23 00:22 ID:abx3TEhL
己の良心をねじ伏せ、欲望のままに妹の唇を奪おうとしたその瞬間
「がっ!?」
わき腹に物凄い衝撃を感じた瞬間、俺の体が吹き飛んで行く。
続いて来た、どこかに体を打ちつけた衝撃に、そこがどこかを確認する前に、俺の意識
はブラックアウトした…


「兄さま、兄さま!」
涙声の挨拶が…

(ネタ、使いまわしかよ!)
もはや、脳内ボケ突っ込みはスタートアップに組み込まれてしまっているのかも知れん。
意識が戻ると同時に体中に激痛が走り、ぱっと目が開く。
ここは明らかに俺の部屋ではない。病院の一室のようだ。
ふと、俺の手にやわらかく暖かい感触がまとわりついていることに気がつく。
妹が、俺の手を胸に抱いて、そのやわらかい両手で包み込んでいるのだ。
そのまま見上げて妹の顔を見ると、まるで水を被った子犬のような表情でこちらを見つ
めていて、その頬に涙が伝っている。
互いの視線は重なったが、お互いに言葉を発することが出来ないままに、ただ、妹が俺の
手を強く、その胸に包みなおす。
現状を把握できていない、妹にどう接したら良いかわからない俺は、ただ黙する以外に
出来ることはない。そして、妹も黙ったままである。

505 名前:463-9[sage] 投稿日:04/03/23 00:23 ID:abx3TEhL
「あー、話は聞いた。悪かったな」
その沈黙を破ったのは、二人のどちらからでもなかった。
全く目に入っていなかったが、妹の脇には親父が居たのだった。
あれだけばたばたと大騒ぎをしていたのだから、家族が気がつくのも当たり前で、駆け
つけた親父の制裁を普通の状態でない俺の体はまともに食らい続けて全身ボロボロと
なって意識のない内に病院に担ぎ込まれていた訳だった。
意識の無い内に、出来た妹によってどうも現実以上にうまい説明が為されていたようで、
俺はその後なにも責められることなく済んだし、妹はもともと家族の信頼厚い、行いの
良い人間なので心配することは無かった。
そのため、俺は病院に居る間じゅう、目覚めてしまった妹に対する許されざる感情に
ひたすら苛まれ続けるはめとなっていた。

そして、白いシーツにくるまってひたすら己の過去を抹消したいと願う俺を、病院は無常
にも即日追い出して家への帰路につかせたのだった。