643 名前:名無し@初回限定[] 投稿日:04/03/30 22:18 ID:2LAXo4xq
朝起きたら、妹に小一時間問い詰められた。
「白状して」
「だから何を?」
朝から何で妹なんざに正座させられなあかんのよ。
「私のパンツ盗んだでしょ」
「盗むかぁ!!」
ふざけんなよコルァァ!?隣の現役女子大生のお姉さんの黒いショゥッツならいざ知らず、何で色気のかけらもねぇ超無口根暗愚妹の下着(白)を盗まなきゃならねぇんだよ、ボケェ!
「盗むわけないだろ」
と、叫びたいのを抑えて抑えて、また抑えて務めて穏やかに言う。
「お母さんに言うから」
「待てやコルァ」
がっし、と妹の腕を掴む。
そりゃ掴みますって、んなこと母親にほざかれたら今月のバイト代が焼肉店に消えちまう!!
「・・・だったら白状して」
全くの無表情で睨んでくるあたりが凄く怖い。というか殺気だってる。
・・・殺される?
今日こそはマジで妹に殺される!?
「盗んでません。昨日は須○先輩のスリルドライブに三時間付き合わされた上、ティルドーンで朝帰り。ちなみに家に着いたのは朝の五時なんだからな」

*須○先輩。
イニDの影響を受け、札幌市内を(トラック)で爆走する男。
「事実?」
「あのドリフトが夢ならとても嬉しい」

650 名前:名無し@初回限定[] 投稿日:04/03/31 01:10 ID:XbgW9J+U
「・・・・・・」
すると妹は何かを思案しているのか、顎に手を当ててうつむいた。
・・・畜生、そういう仕草って可愛いじゃねぇか。
「パンツ・・・下着・・・盗む・・・変態・・・現代社会の不適合者・・・」
「ヲイヲイ・・・」
何か方向性が微妙に間違ってないか?
「理性という名の規律を犯し・・・ひいては歪んだ欲望ゆえに・・・渇望・・・妄想・・・」
「あの、さくっち?」
というか様子がおかしい。

*さくっち[死語]
愚妹、桜のあだ名。昔は世間で多用されていたが、その個性的すぎる性格ゆえ、消えた言語。現在は実兄と桜の二人の親友のみが使用。

「・・・何?」
ブツブツと電波を発するのを何とか中断させ、妹をこちらに向かせる。
「そんなに下着が盗まれたのが嫌なら警察に通報したらどうだ?」
うむ、全くもってその通り。我ながらかなりいいとこを突いた。が・・・
「・・・」
気迫、殺気、いや無意識化における眼前対象物破壊への渇望!?(つまり非常にバヤい)
「私だって女の子・・・!」
無表情でも震えている。俺を真っ直ぐに見つめて。こんなに感情的になった妹は始めて見た。

669 名前:643-650参照[] 投稿日:04/03/31 12:23 ID:XbgW9J+U
もともとこの妹はポーカーフェイス。嬉しかろうが悲しかろうが、まずその表情を変えない。いつの頃からこうなったのかはわからない・・・
「パンツ、盗まれたのに・・・警察なんて、行ける!?」
ってそんなバヤいじゃなかったぁ!!!
「兄貴だって・・・下着盗まれたら、嫌でしょう!?」
「嫌っつーか怖い。男物盗むなんてスゲー怖い」
「・・・っだったら!!」
バヤい泣きそう!?あのサクラ・ザ・ポーカーフェイスが泣きそう!?
「・・・っ!」
やはり下着を盗まれるということは、女の子にとってかなりショックな事らしい。そしてそれは我が愚妹も例外ではなかった。
妹は立ち上がり走り出す。無論、俺の懐に飛び込むわけではない。耐えきれないのだろう。
ガチャン、ガサゴソガサゴソ、チャキッガッシャン!
「・・・はい?」
ナンデスカ?コノ金属音ハ?
その時、俺の頭は最悪の事態を予想した。立ち上がると同時に振り向く!(コンマ6)
「・・・ぐす」
妹が背を向けて何かガサゴソとやっているのは押し入れ。
そう、俺の危険物ワンダーワールド!!
「は、離れろ愚妹・・・うわ、うわあああ!?」
遅かった。妹の不敵な笑みと共に、俺は見た。

681 名前:669参照[sage] 投稿日:04/04/01 01:38 ID:cxK+EnVh
妹の手に俺秘蔵のウェポン、USマシェット(アメリカ軍で出回っている。ヤブを払ったりするシンプルかつ頑丈な片手剣のような刃物)が握られているのを・・・!
「・・・兄貴」
「ひぃ!?」
ビュッと勢いよくマシェットが振られ、俺の喉元で静止する。
「・・・私、この際パンツは諦める事にする」
無表情、しかしあまりに冷たい瞳が俺を射抜く。
「そして兄貴が犯人じゃない事も仮に認めて解放する」
仮にかよ。
「そのかわり手伝って」
「は?」
「だから手伝って欲しい」
「いったい何を?」
さっきまでは肩が震えていたというのに、今は全く微動だにしていない。それは俺が普段彼女に抱く「人形」というイメージにぴったりだった。
ああ、だから俺は妹に世間一般的な愛情を抱かないんだ。愛情以前に、妹には孤高の美しさがある。それは触れるのではなく、眺めるがため・・・

「犯人見つけてブッ壊す」

・・・

ブッ壊すーーーっ!?殺すじゃなくて壊す!?ヲイヲイちょっとウェイトだぜマイシスター!!お兄ちゃん今「ブッ壊す」発言にちょっぴり電波を感じちゃったよ!!

712 名前:681参照。今回は出来悪いかも[sage] 投稿日:04/04/01 23:17 ID:cxK+EnVh
「もしくは生きたまま解体」
「お、落ち着け、落ち着けさくっち!!」
あまりの怒りゆえか、逆に静かになったのか・・・?いや違う、怒りのためにちょっとおかしくなっちまったのか!?
「とりあえず落ち着け、な?今日のおまえはちょっとおかしいぞ」
「私はいつでもナチュラルハイ」

はい、ビッグ確定。

「手伝ってくれないと兄貴もバラす」
「て、手伝う!!手伝うから俺のワンダーワールドから武器を取り出さないでくれーー!!」

二十分後。

「・・・落ち着いたか?」
「・・・うん」
二十分もの間、妹は無表情でクレイジーに大暴れ。その結果部屋は凄惨な有り様になったが、落ち着いてくれたようだからよしとしとこう・・・(怒らすと怖いから)
「・・・ごめん」
「ん・・・気にすんな。散らかってんのはいつもの事だから」
お互い部屋の真ん中で正座。
男たるもの、部屋は常に汚いものであるべし!!
「そうじゃなくて兄貴を疑った事」
「え?いや、いいんだって・・・あれだけ荒れてたら俺に当たりたくもなるだろ」
「荒れ・・・てた?」
そこでなんで「?」な顔をするんだマイ妹。

732 名前:712参照「そして始まる妹との一日」[sage] 投稿日:04/04/02 19:18 ID:+o4MVWBi
「荒れてた・・・私が興奮してたって事?」
何故か興味深そうに返してくる。
「興奮してたっつーか・・・下着盗まれて怒ってたろ?」
「怒ってた・・・うん、確かに不愉快になった」
なんか偉く遠い言い回しだな、ヲイ。
「・・・あれ、対兄貴勝負用だったのに(ボソ)」
「え、なに?」
今、物凄い単語が桜から飛び出たような!?
「何でもない。それより、兄貴は本当に手伝ってくれるの?」
ちょっと妹の顔が崩れる。
・・・あ、なんかいいかもこんなシチュエーション。
話題が下着ドロボーなのが余計だが。
「おぅ!不出来とはいえおまえのイチ兄貴だからな。妹のピンチに駆けつけなくてどうする!」
「下着ドロボーで駆けつけてくる兄貴って・・・」
ジト目+引き。
「そこは物の喩えだから突っ込みはさまんでください!!」「・・・本当に手伝ってくれるの?」
「さっきから言ってんだろ?ほら言え、俺は何をしたらいい?」
「まずは・・・」
たかが下着盗まれただけとはいえ、珍しく妹が助力を求めてきている。そしていつもは無表情な妹が、今日はなんとなく明るく見える。
土曜日の朝。特に予定の無い俺は久々にさくっちと一日を過ごす事にした。

760 名前:732参照。パンツとチョコの推理劇[sage] 投稿日:04/04/03 02:13 ID:bsYjtgMC
ようやく本題に入れそうです。

・・・何故だ?
「次これ」
「あ、ああ・・・」
確かに妹は手伝ってと言った。そして俺も手伝うと言った。
だが・・・
「これは?」
「・・・ちょっとビターだな・・・うん、俺は好き」
って、
「違ーーーうっっ!!!」
「・・・何、いきなり」
「さくっち、何で俺は朝からチョコなんて喰ってる?」
「手伝うって言ったから」
「下着ドロボーを捕まえるんじゃなかったのか!?」
「だからパンツは諦めるって言った・・・じゃ、これは?」
「むぐ・・・うわっ甘っっ!!って違ーうーだーろー!!」
そう、俺は桜のチョコ作りを「手伝わされて」いた。
「いちいち五月蝿い・・・パンツ盗まれたのはもう仕方ない。・・・でも当初の目的は果たせそうだからいい」
「当初の目的・・・?」
ちょっと待て。当初の目的って何だ?
俺にチョコ喰わす事か?いや、「果たせそうだから」っつーことはこれが目的じゃあないんだよな?

・・・ん?チョコ?


「・・・あ、明日はバレンタインか・・・」
「・・・もしかしなくても忘れてた?」
「すっかりな」

792 名前:760参照。バレンタイン前日に[sage] 投稿日:04/04/04 11:44 ID:yQ/CkAYB
「・・・バレンタインねぇ・・・あったな、んなもん」
とゆーか毎年固定二個しか貰っていない俺としては、あってもなくても同じような物で・・・
「・・・ん?おまえ、今年も俺にチョコくれんのか?」
「死ね」
言葉とは裏腹にまた試作チョコを投げてくる妹。
「むぐ・・・しかし毎っ年の事ながら意外だよなぁ〜おまえが義理とはいえ、他人にチョコ渡すなんてよ」
毎年ながら、妹は親しい友人にはチョコを渡している。クール・アズ・キュークをモットーにする妹がチョコ渡す場面なんか想像すると・・・笑える。

*クール・アズ・キューク
「冷静沈着」の意。

「・・・一応、私だって女の子だし」
確かに。しかしソフ○対策的に18歳かどうかは怪しいが。
・・・そこ、「改悪すんじゃねー!」とか叫ぶな。
「んで?桜さんは今年は本命チョコは作るんかな?いい加減、そのそっけなさ・・・」
「作るけど、本命」
「そうそう、バリバリ作・・・何?」
今、なんつった?
「・・・好きな人、できたから、これを機に告ろうかと」
「・・・」
今の兄貴の脳内状態。
ダダダダダダ!キュイーン、スドゴワーン!!
11時方向から零戦三機!!撃て、撃ちまくれ!!せ、戦艦カルフォルニアがぁぁ!?OH GOD!戦争だ、戦争が始まったぁっ!!!

脳内パールハーバー状態。

798 名前:792参照。兄貴、爆発。[sage先生調子いいぞー!!] 投稿日:04/04/04 13:06 ID:yQ/CkAYB
「す、好っきゃあひとをぉっ!?」
妹ならぬあまりの発言に、一瞬思考回路のフリーズしたためか、我を取り戻した時の俺の第一声は滑稽な程裏返っていた。
「・・・うん、好きな人」
あ、あの、クールで無表情なさくっちが顔を赤らめている・・・。
「何?誰、誰!?」
しかし次の瞬間には驚きより好奇心が爆発して、今時小防でもしないような低レベルな質問を畳み掛けていた。
「それを聞くのは野暮」
「うわっ、ここでおあずけかよぉー!!」
知りてーーーーっっっ!!!
「・・・テーブル揺らさないで」
「気ーにーなーるー!!(コ○ャル風に)」
テーブルに突っ伏してジタバタする。ガキか、俺は。
いや、気になるだろ!?妹、特にこんな何考えてるかわからない妹っの想い人って気になるだろ!?
・・・待て、今日は土曜日。
そして明日バレンタインは日曜で学校は休み。だっつーのに妹は今日チョコを作っている。

・・・まさか!?

「部活の連中かっ!?」
ガダンっ!!

・・・なんかパソコンの前のユーザーが派手にコケた音がしたのは気のせいだ。・・・多分。
「惜しい」
「惜しいのかよ!?」

799 名前:798参照。秘技!包丁投擲![sage夜までカキコできないのよ] 投稿日:04/04/04 13:27 ID:yQ/CkAYB
待て、惜しい・・・?
ということは、あながち俺の推理も間違いではないということか?
部活の連中ではない。そして日曜にも会える人物。そして妹とも比較的親しい人物。

ま、まさか・・・!?

「教師かっ!?」

ズダンっ!ヅタンッ!

パソコンの前のユーザーがコケると同時に、台所に立つ妹が振り向くこと無く包丁を投げ放つ、
そしてそれは見事に俺が突っ伏しているテーブル、つまり鼻先2センチの場所に突き刺さる。

「・・・死ね」
久々だな、刃物も。

「じゃあ誰だよ、え?お兄ちゃんの低容量低機能な脳内演算システムではこの程度のシュミレートが限界ですが何か!?」わけわからねえんじゃ、ボルァ!
「・・・だいたい予想は付くと思うんだけど」
「じゃ用務員のおっちゃん?」
とりあえず当てずっぽうで言ってみる。

カカカンッ!!!

刹那飛来する、三本の銀閃っ!!!ま、またテーブルに包丁が・・・。
「・・・一度死ぬか、二度地獄を見るか・・・選ばせてあげる。どっちがいい?」
「・・・執行猶予で」
「却下」
ゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・
(↑大気を揺るがす殺気)
バヤい。マジで怒ってやがる・・・。
というかすでに埋葬機関よろしく、六本の包丁を握ってやがる。

823 名前:779参照。決戦!妹![sage] 投稿日:04/04/04 23:11 ID:yQ/CkAYB
「桜っ・・・女の子に刃物なんて物騒な物似合わないぜ・・・」
「・・・部屋にシ○ルの等身大ポスター貼ってる奴の台詞じゃないと思う」
・・・頼むから勝手に人の部屋をガサ入れしないで下さい。
「ポ、ポスターぐらい、いいだろうが!!確かに俺がエロゲーやってんのは認めるが目当てはエロじゃなくてストーリーだっつの!
その点で言ったらエロゲじゃなくて本やプレステのソフトの方に金注ぎ込んでんだから!!」
「夜のネタにしてない?」
「・・・」
「社会の規律から逸脱したクズ・・・塵は塵に帰れ」
ザッ!と、包丁を逆手二刀流で構える妹。・・・剣術なんて薦めなきゃよかった。
「おまえだって俺ん部屋からちょくちょく持ち出すだろがぁ!しかも泣き所!!!」
「葉鍵は面白くないっっ!!!」
「ぐはあああ!!!敵増やすような台詞吐くなぁぁぁ!!」
(BGM変更「戦闘2」)
桜は体勢を低くし、腕を横に伸ばす。そこから下半身をバネにして飛び込む一撃は身体が地面ギリギリの位置から放たれる瞬閃。
単純に筋力だけではなく、高い柔軟性とバランス感覚を必要とする必殺の構え。
・・・だが桜はそれをいとも簡単に会得し・・・
「閃っっ!!!」
「って解説してるバヤいじゃねーっ!!!」

856 名前:823参照。真打ち登場![sage] 投稿日:04/04/07 00:08 ID:i4bCf5oY
他スレ活動ですみません、お待たせしました!

ピンポーン・・・

ピタッ。

桜が飛び込む瞬間に、間の抜けたチャイムが鳴る。
ピンポーン・・・
だが、今度は逆に動けない。まるで野生動物が出会い頭に牽制しあうように、俺も桜も微妙だにしなかった。
ピンポンピンポンピンピンポーン・・・
「・・・お客様だー(棒読み)」
凄まじく情けないが逃げだ、ここは逃げだ。オーバーキルフォームの桜なんて、ファットマンをプレス機にかけるようなもんだ!!
「・・・行けば」
「へ?」
「チャイム・・・お客さん」
まるで気が抜けたように静かになる妹。
ピンポーン、
「あ、はいはいー!」
何か、妙な違和感を覚えつつ、俺は玄関に向かった・・・

「いよぉーう飯喰っ・・・」
バタン!!!(ドアを閉める)ガチャガチャ、(鍵)カチン!!!(チェーン)
な、なななななななな・・・何故!?何故アイツが休日に俺のウチへ来る!?
「おーい、あっけろー」
「なんの用だ聖!!」
「あ、てめぇこの・・・人がせっかくゲーム返しに来てやったのにそれか!?何だ、おまえアレか!口が悪い女の子は相手にできねータイプかよぉ!!」
「ウゼーーー!」