700 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:04/04/01 21:16 ID:p/rkxLiG
「もう飽きた」

兄の口から出たその言葉に私は耳を疑った。
わたしと兄がはじめて関係を持ったのは2年前、まだわたしが義務教育を受けていた頃だ。
兄は容姿が優れているわけではない。
スポーツ万能でもないし、特別やさしくもない。
かといって二目と見られないわけでもなく、会話するだけで不快になるほど嫌な性格でもない。
可もなく不可もなく、いわゆる普通の男だ。万一俳優になったとしても
生涯いちエキストラ、通行人かせいぜい開始二分で死体になる程度の役どころだろう。
しかしわたしにとっては違う。今わたしが見ることのできるただ一人の異性。
恋のフィルターを通せば世界には私たち二人だけ。
兄妹ではなくなった時も積極的だったのは私の方。
自分の相手なんて兄以外には考えられなかった。なのに……

「兄さん。なんで……そんな?」
「聞こえなかったのか?お前にはもう飽きた、と言ったんだ。」
「何か…わたしにいけないところがあったんですか?だったら言ってください!」
「そう言うことじゃない。」
「じゃあなんでですか!?わたし兄さんのためならなんでもします!
兄さんの……兄さんが……大好き…なんです…よ?」

涙があふれる。
こんなにも愛しているのに…兄にとってはただの手頃な相手だったのか?
たやすく……捨てられるようなものでしかなかったのか?
わたしは……。

854 名前:1/3[sage] 投稿日:04/04/07 00:04 ID:AFf9womB
こんばんは。>>700で言うところの「兄」であります。
実の妹に別れ話を切り出しているところですが、話の流れがよろしくありません。

正直俺と妹は相思相愛だ。2年前から、今この瞬間に至るまで。
しかし一筋縄ではいかないのが人生……いかに俺達が異母兄妹とはいえ今は21世紀。
兄妹相姦など世間では許されない禁忌だ。
この関係を続けるよりも、適当な相手をみつけた方がトータルで見ると
幸せな人生になるかもしれないぐらいのヤバさがある。
そう考えた俺は妹にその意を伝えようと部屋に入ったわけだ……
しかし賢明な俺は気付いてしまったんだ。
こんな理由で妹が納得するはずがないという事に……

「別れよう」

この台詞を吐いた後にな。


その後――――なんとか他の理由をでっち上げようとした結果

”飽きたからお前を捨てる”

という流れになってしまった。


今、妹はこちらへ色々篭った視線を向けている。
というかいつ台所から包丁をもってくるかタイミングを窺っていると言った方がいい。

あぁ〜〜〜〜〜〜この流れで妹を納得させられるとは思えないぞ。
五分前の俺の馬鹿馬鹿!
自分が悪役になって――――などと下らない事を考えやがって!
きょうびドラマでも見ないぞそんな展開は!しかも失敗してるじゃねーか!
無駄に妹の心を傷つけただけだ!死ね!死んでしまえ俺!

855 名前:2/3[sage] 投稿日:04/04/07 00:08 ID:AFf9womB
とにかくこうなってしまったものは仕方がない。事態が好転するようになんとかやってみるしかないな……
かといって、いまさらほんとは好きだけどお互いのためになんて言えるはずないし。
このままの流れだと兄妹相姦よりも適当な相手と結婚するよりも不幸になってしまいそうだ!

           無・理・心中!! 無・理・心中!!

俺の脳内がある意味祭になっている間も妹からのプレッシャーはやむことがない。
胃に穴があきそうだ。直径15cmはいけるな。間違いない。
こんなにいっぱいいっぱいなのは小4の頃、粘土を投げていたら女子の髪に絡んで
取れなくなった時以来だ。なんか怖くなってマジ泣きしたっけ。
――――あぁ、そう言えばあの時は結局その娘の髪を切ることになったんだっけ。
でもその娘は笑って許してくれて…いい娘だったなぁ……って違うよ!思い出小旅行に出かけてる場合じゃないよ!
早く何かしないと!ハンサムな俺は突如素晴らしいアイデアが閃くはずだ!

……あー何も思いつきません。さすが俺。無能振りが天下一品。
こうなったらあれしかないな……中国四千年の集大成、兵法三十六計の三十六!
”走為上”(走ぐるを上と為す)だ!
ようやく長い思索の帰結をみた俺は妹の部屋より退出すべくドアを開く。

「まって……兄さ…」

妹の声に耳を塞いで自室まで戻り、少し冷静になった俺は今日のことを振り返った。

そしてどうしてこうなったのか、考える。
妹を傷つけ、なんら得るもの無く、二人の幸福のためにならなかった自分の行動について、考える。
現在だけを見て、将来など考えずに
”周りの事なんて関係無い。俺が妹を幸せにするんだ。”
とでも思っていれば良かったのだろうか?
だめだ、どうすればいいのかわからない。俺みたいなへたれ人間には荷が重いよ。

――――――とりあえず妹に謝ろう。俺が考えた事を全部話そう。

857 名前:3/3[sageチョコとか関係ねーなコレ] 投稿日:04/04/07 00:08 ID:AFf9womB
「まって……兄さん!」

兄は部屋から出ていってしまった。私の声は聞こえていたはずなのに。
閉まったドアを眺めながら、ようやく理解する。自分はもう愛されていないことを。
「わたし…だめだったかなぁ…」
ずっと……幸せだった。朝、目覚めて最初に兄と言葉を交わす。
休日、二人で出かける。町を歩くだけで楽しい。夜、わたしが兄の部屋に行って、抱かれる。
一つになる事はいつも、うれしい。
でも……兄にとってはそうではなかったのか?
わたしを愛してくれていると、そう思っていたのに。
「兄さん……」
昨日までは輝いていた、今は少し色褪せた二人ですごした記憶を想いながら、泣く。
そうして、確信する。わたしは今でも兄を愛していると。
兄がわたしを愛しているかなんて、わたしには関係無い。
わたしの心が兄に捕らえられたままなのだから、わたしも兄を離さない。

どうしよう…わたしを捨ようとする兄を、どうしてやろう。

姿見に目をやると、笑顔のわたしがいた。