- 170 名前:1/4 ◆5TK.1oEWlU [sage] 投稿日:04/04/24 19:10 ID:FvkhWVDx
「お兄ちゃん、朝だよ!」
不快、いや深い眠りから俺は目覚める。
「………」
トタトタとかけ足で妹はその場を……走っては行かなかった。
俺の小さなベッドで隣に一緒に寝ていたからだ。
そうか……俺は、ついに幸せな生活を壊してしまったんだな。
「って……お前なんでここにいるんだよ!」
俺は妄想を振り払い、清き交際をしていたはずの我が妹の顔を
朝立ちしつつも、体を起こして覗き込んだ。
「………」
あれ?なんかおかしい。こいつこんなに髪の毛オレンジだったか?
オレンジって……オレンジ? いや、みかん色とかありえないだろ!!
しかも染めたって感じじゃなくて、本当にオレンジ。まさに。うはw
「お父さん。はじめまして」
「俺はお前を絶対に認めない!決して認めないからな!」
朝っぱらから何で興奮してんだよ俺!落ち着けって……ふぅ。
どうせドッキリとかそんなんだろ。早く看板持って入って来いよ!!
「ふふ。イメージ通りで安心しました」
カツラを被って俺を騙してると思われる妹は、俺の発言を無視して
ベッドから立ちあがると、俺の部屋の机の上に座る。
「私は未来からやって来ました」
「えっ……」
不覚にも動揺してしまった。たぶん非現実的な事に憧れてるから
だと思う。意外と俺は乙女チックなのかもしれない。それに、よく
考えてみれば、妹はこんな面白い事を企画する女の子ではないはずだ。
「おい!美奈!いいかげんにしとけよ。お兄ちゃんも本気で怒るぞ」
動揺した俺は、現実に帰還しようと思い、強い口調でオレンジ女に
言葉を浴びせる。
「私はこの机の引き出しからやってきました」
「聞けよ!!!俺の話を!!!!」
- 171 名前:2/4 ◆5TK.1oEWlU [] 投稿日:04/04/24 19:11 ID:FvkhWVDx
「お父さんは私の事嫌いですか?」
「ちげーよ!ここ妹スレだから空気嫁って事!!」
「しかし私は美奈さんと顔はそっくりですよね?」
言葉を失った。彼女を見る俺の視線がさっきまでとは
違って真剣になってくる。カツラを被っている妹と解釈すれば
なんら問題はないのだが、俺はかなり違った解釈をして、
勝手に脳内で盛り上がっていた。
「私は20年後の未来からやって来ました」
「ちか!進歩するのはえーだろ!しかも棒読みって」
オレンジ女をよく見てみると、彼女の服のお腹の辺りに露骨に
妖しい大きめのポケットがついている。実はさっきから、すごく
気になっていた。まさか……まさかと思って正直鼻血が出そうだった。
「そのポケットって……」
「ああこれですか。四次元ポケットです」
「うおおおおおおおお!!!!!!!!!!!」
俺はベッドの上に立ちあがって、右手の握り拳を天に向かって
突き出す。ついにきた!俺にもドラ○もんが!!!!若干違うが。
「なーんちゃって。面白かったですか?」
「……偽物かよ!!!」
「お父さん喜ぶかなーと思って……ごめんなさい」
「さすが俺の自称娘だな!ははは!氏ね!!!」
「たしかこの時期は幼児虐待が多い時期でしたよね」
「正直スマンカッタ」
俺が言論で負けている。さすが未来人と言った所か。でもしゃべって
確信したのは、こいつは俺の妹じゃないと言う事だ。顔は妹そっくり
で可愛いんだが。その前にこいつが娘と言うのはつまり……えーっと。
「お父さんは、私が娘だと言うのが信じられないんですね?」
「ま…まあな」
「分かりました。ではこれを見てください」
オレンジ女が俺の近くに来て、自分の耳を俺の方に見せる。
- 172 名前:3/4 ◆5TK.1oEWlU [sage] 投稿日:04/04/24 19:13 ID:FvkhWVDx
「耳に穴が……」
「これで分かってもらえたでしょうか」
耳に穴があるなんて……うん?ちょっと待て
「ピアスの穴だろ?」
「ち 違いますよ!!これは未来の人の特徴なんです!」
「美奈ちゃん必死だなw」
「違いますって!!!」
やっぱ違うような気がしてきた。嬉しいような悲しいような。
ん……!!!つーかこいつ最初に……
「お前最初にお兄ちゃんって言っただろ!!はは!!」
俺は勝ち誇った口調で笑みを浮かべ彼女を凝視する。
「だってお父さんはシスコンだから、その方がお母さんが喜ぶって……」
「……」
「しょうがないですね……では首の後ろを見て下さい」
俺は彼女の首の後ろを覗き込む様に見る。
「な!!もしや電脳化してるのか?」
彼女はクスッと笑って
「たしかこの時期は映画公開の時期でしたよね」
「……良くできてるなこのシール」
「面白かったですか?」
なんだこいつおちょくってんのか?やっぱ美奈なのか?
それとも未来人なのか?あーなんか疲れた……。
「美奈ちゃ〜ん?守くぅ〜ん?誰かいないのかぁ?」
部屋の外からごんぞーさんの声が突然聞こえてきた。
このおじさん(ごんぞーさん)は隣のアパートに住んでる40代の
サラリーマンのおっさんだ。先月嫁に逃げられ(以下省略)
ってまずい!こんなの見られたら、えーっと……いや、とにかく
なんかまずいだろ!
「お前は部屋から出るなよ!絶対に出るな!!」
「たしかこの時期はイラクで監禁の……」
俺は美奈なのか美奈じゃないのか分からんオレンジ女に早口で
そう言うと急いで部屋から出て居間に向かった。
- 173 名前:4/4 ◆5TK.1oEWlU [sage] 投稿日:04/04/24 19:14 ID:FvkhWVDx
「なぁーんだ、いるんじゃないですか」
「てめぇーごんぞー!勝手に人の家入ってくんなよ!!」
「僕とまもるくんの仲じゃないですかぁ〜」
「うるせーばか」
いつも通りの挨拶で俺は居間のソファーに座る。
「あれ?いつ髪の毛オレンジにしたんですか?」
「えーっと。生まれた時からです」
そそ。生まれた時からオレンジなんだよ。バカかこのオヤジはw
「っておい!!!なんで降りてきたんだよ!!!」
「お父さんは私の事が嫌いですか?」
「いやだからそうじゃなくて……」
「まもるくん……いったいこれはどういう事なんですか?」
「知らん!!俺は管轄外だ!!!」
俺の顔とオレンジ女の顔を交互に見ながら、ごんぞーは
困惑した表情を見せている。
「あのーお腹についてるポケットって……」
「ああこれですか。四次元ポケ……」
「やめれ!!!」
まいったな……ごんぞーになんて言えばいいんだ?未来から
来た俺の娘なんて言ってもな……失笑だしなぁ。そもそも
本当なのかも分からんし、とりあえず美奈って事にすれば……
と言うか美奈本人かもしれんし、あああああぁぁぁぁぁぁもう!!
「せっかくですからオレンジ美奈ちゃんの写真でも撮りますか」
え?なんだその展開?
「私は美奈ちゃんじゃありま……」
「あぁーー美奈も写真撮ってもらいたいって!ごんぞー」
「それじゃあ、家からカメラ持って来ますね!」
「あ……あぁ」
ごんぞーが俺の家から嬉しそうに出て行く……。なんかイヤな
予感がする。まぁ所詮ごんぞーだから大丈夫だろうが。