《内     藤     列     伝    1》

その日、俺は一人ジュノで昼飯を食べていた。
店は光曜日という事で客が大勢いた。
向こうのテーブルには男が座っている、何故かこちらをちらちら見てくる。
注文した二つ目のサンドイッチを口に入れようとした時、その男が話しかけてきた。

男「君、中々腕が立ちそうだね。よかったらPT組まない?」
俺「なんのPTですか?」
男「金稼ぎPTさ、ダボイでオーク共を狩って身ぐるみはがすんだ。僕の他に4人
  いるから、君が入れば6人になる。欠員が出ちゃってね、代わりと言ったら聞こえは悪いけど・・・
  かなり稼げるはずさ、どうかな?」

俺は少し迷ったが、午後の予定は特に決まってなかったので付き合う事にした。
ちょっとした探検気分だった、今思えば止めておけばよかったんだ。

昼飯を食べるまで待ってもらい、準備をして5人と合流した。
成る程、他の4人も相当場数を踏んでいそうだ。

入り口から入って雑魚オークを狩りながら進んで行った、特に何もなく順調だった。
そして、洞窟のような所に入った次の瞬間
一番先頭を歩いていたリーダーがいきなり横に吹き飛ばされたのだ。

何事かと思って見ると、そこには2ガルカ分の大きさのオークが立ちはだかっていた。
寝起きだったらしく、不機嫌そうだ。

強そうだ、勝てるのか?ふと改めてPTメンバーを見てみた
PT構成(ナナナナナナ←俺)

・・・なんて事だ、何でナイトが6人もいるんだ。
今まで気づかなかった俺も俺だが・・・ていうか全員ナイトじゃないか。
腕が立つとか場数を踏んでいるとかそういう問題ではない、あきらかに人選ミス・・・

よく見ると装備もおかしかった
何で他5人は両手剣を装備しているんだ?
その時、ナイトBが叫びだした

ナイトB「伝説の突き技!!wwパワースラッシュwwTP0%ww!!」

気が狂ったかと思ったが、どうやらこれで正気のようだ。頭痛がしてきた
俺は無事にモグハウスまで帰れるのだろうか・・・

見ると敵オークは槍を持っている
シェルをかける必要があったのか、リーダーに問い詰めなければならない

俺「リーダー!シェルかけたのはいいけど、こいつ竜騎士タイプですよ!?」

リーダー「えぇっ!何か言ったぁっ!!?」

リーダーは両手剣を必死に振り回していて聞こえないようだ・・・
でも全然敵に当たっていない、時々味方のナイトに斬りつけている
危なすぎる

だが見る見るうちに敵オークは血で染まっていく
凄い、倒せるかもしれない!

だがよく見るとそれは全てリーダーの血だった
・・返り血かよ、というかこのままではリーダーが死んでしまう

俺はケアルを放ち続けた、MPが切れた・・
オークを挑発したがこっちを向かない

どうしよう、というか他のメンバーは何をやっているんだ?

見るとナイトBはさっきからずっと剣で突いている
パワースラッシュでも何でもない、唯の突きだ。
しかもひょろい、あれでは犬一匹殺せるかわからない。

ナイトCはバニシュをずっとうっている
以前はやった花火程度の威力だろう・・・犬どころか虫も殺せるか怪しい

ナイトDは・・・
あぁっ!いねぇ!!あの野郎逃げやがった!!
・・・今度見つけたら後ろから斬ってしまおう

ナイトE(他4人の内の最後)はオークの懐を探っている
俺「Eさん、何やってんですか!挑発して下さいよ!」

ナイトE「無理wwwwサポシwwwwww」

俺「リーダー!Bさん!Cさん、はどうかわからないけど、後Eさん!
  MP残ってるでしょう!?お願いしますよ!」

言ってから後悔した、ちゃんとケアルを頼めばよかったと
いや頼んでもケアルしたかどうかわからないが

PTメンは任せろ!と言い放ち、敵はまばゆい光につつまれた

確実に予想出来た事だった・・・

駄目か・・・ぐちゃぐちゃになった自分の姿が脳裏をよぎる

こうなったら最後の手段、インビンシブルしかない・・

俺はとっておき、インビンシブルを発動、オークの攻撃を一身に受けた。

だが時間がきた、さすがに30秒じゃ倒せない。

俺「俺のインビはもう限界です、次の人頼みます!」

PTメンは任せろ!と言い放ち、全員同じタイミングでインビンシブルを発動した

                               
リーダーは相変わらず両手剣を四方八方に振り回している、当たっていない

ナイトBはいつの間にか槍に持ち替えている
ナイトB「ペンタ最強wwwwwwwwww」
当たっていない

ナイトCはバニシュ2を唱えている
MP余りすぎだろ・・・てかケアルしろ

ナイトE不意玉を俺に撃とうと俺の背後を取ろうとしている。
思わず殴ってしまった

                             
俺はジュースを飲みケアルをしながら剣を振るう。

しかしいかんせん攻撃に専念出来ない分致命傷を与えられない。

しかも相手は格上のオーク、その上一人で戦っている様なものだ、勝ち目はない・・・

そしてついにナイトBが倒れた、インビンシブルの発動が僅差で一番遅かったらしく
攻撃の対象になっていたからだ。
オークの矛先は俺に向けられた、いよいよ絶望的だ。

だがその時、逃げたと思っていたDが戻ってきた

                            
今更内藤が一人増えた所で戦況が良くなるとは思わない、むしろ足でまといかもしれない

俺「Dさん!どこ行ってたんだよ、もうこっちは修羅場だよ!」

ナイトD「ごめん、武器取ってきた!」

Dはそう言うと、白く輝く歯と共に両手棍を俺に見せ付けた

                            
こいつには何も期待出来ないだろう、オークの攻撃を盾で受けながら思った。

ふと、ナイトCがバニシュガを唱えているのに気づいた。
こいつジュース飲んでやがるな

まてよ、バニシュガ?Cさんのサポは白だったのか?

俺「Cさん、サポ白なんですか?」

                            
ナイトC「そうだよ?」
バニシュガを唱えながらCが答える

俺は駄目元で聞いてみた

俺「レイズ唱えるだけのMPありますか?というかレイズ覚えてますか?」

C「あぁ、そんな魔法もあったね。Bさんにかければいいのかな」
そういうとCはレイズを詠唱しだした。

                            
何と、レイズを使えるのか!
当たり前の事なのだが驚いてしまった。どうも感覚がおかしくなっているらしい

ナイトCのレイズ→B

猫の手も借りたい状況だ、Bの腐れ槍技でも文句は言ってられない

・・・だが一向にBは復活しない
俺はBの死体を蹴飛ばしてみた

                      
俺「Bさん?レイズいきましたよ、起きて下さい!」

Bから念話(?)が届く

B「ごめん、レイズ受けるの間違って断っちゃったwwwwwwww」

わざとだ!この野郎また死にたくないもんだからわざと断りやがった!

レイズのMP分、戦況は悪化した

                      
リーダーは何故か上半身裸だ。さわやかなスマイルで両手剣を振っている

ナイトBは死んでいる。俺の片手剣でとどめをさしておいた

ナイトCは座っている、役に立たない

ナイトEは盗みながら不意玉だ。多少はマシか
俺に撃ち続けているのが気になるが

ナイトDがいない・・あいつまた逃げたのか?
あたりを見回すと、物陰でケアルをするDを見つけた

                      
ナイトDは役に立っているようだ。
攻撃しないなら取って来た両手棍は何だったのだろうか、気になる。
・・げっ、Dさんの後ろにオークがいる!

俺「Dさん、後ろ後ろ!オークいるって!」

D「うはwwwごめんリンクwwwwwwwwww」

オークが二匹になった

          
一匹でも苦しいのに二匹になった、救い難い馬鹿だ。

リーダーは相変わらずスマイルで両手剣を振っている・・その剣がオークの股間に刺さった
悶絶して倒れるオーク。奇跡か?
リーダーは満面の笑みだ、光る歯が眩しい。

だが残るはHP全快のナイトオーク、いよいよナイトだらけだ。
いや内藤だらけだ、オークまでバニシュを唱えている。
ふざけやがって。

ナイトDがオークの前に躍り出た、両手棍もって。

俺「Dさん、危ないっすよ!死にますよ!」

D「任せろ!」にかっと笑う。不安だ。
このセリフを吐く奴の行動は必ず裏目に出る気がする。

Dさんが両手棍をオークに打ちつけた。
オークの体が5メートル程吹き飛ぶ

俺「!?」

          
Dさんが凄い速さで両手棍を振り回している。時々PTメンに当たる
危ない。リーダーが吹き飛んだ。満面の笑みで気絶している。

だが敵オークもぼこぼこだ、というか既に原型がない・・・

どこにこんな力が隠れていたのか。
正直戻って直ぐにやって欲しかった。

ともあれ助かったようだ・・・その場に腰を下ろして息をつく

リーダー「ふ〜、そろそろ戻ろうか。死人も出たし♪」

そこは笑うとこじゃないが、最早突っ込む気力もない

リーダー「じゃ、エスケプするよ〜集まってね〜」

       
こいつサポ黒だったのかよ!というか何で最初からエスケプしなかったのかと・・
問い詰めようとしたが体が動かない

リーダー「エスケプ発動!」
俺「あっ、ちょっとまっ」

・・残されたのは俺とBさんの死体だった。

その後俺は安全な所まで行って通りすがりの黒の人にデジョン2をもらった

ジュノで俺たち5人は合流した。(Bさんはまだダボイだ)

分け前の話しで一悶着あった事は言うまでもない。
多分それはまたの機会に話す事だろう。
こうして俺と不思議な内藤達の出会いは幕を閉じた.