- その日、ジュノはある話しで持ち切りだった。
みんな袋一杯に人参をつめこんでいる、モーグリから支給されたものだ。
毎年この季節になるとやってくるものがある。
白兎だ。その日は白兎がヴァナディールにやってくる日だった。
俺は面倒臭いので行く気は無かったのだが・・・
リーダー「Naitou君、行くよ。1時間後出発ね♪」月の光か、歯がいつもより3割増しで光る。
うざい・・・急すぎる。
正直断ろうとしたが、リーダーの背後にいるDさんが怖かったので直ぐに支度をした。
まぁ支度と行っても、ジュノにいるモーグリからムーンカロットをもらうだけだが。
俺は袋に人参を詰め込んで集合場所のジュノ港に行った。
ロランベリーの白兎を捕まえる気のようだ。
リーダー「頑張って兎を狩ろうね♪」
- それは・・・ちょっと違う。
-
- ロランベリーに着くと、もう人が大勢いた。チョコボに乗って探す人、走り回る人。
パールを使って連絡し合う者など、様々な手を使って兎を探している。
こういう時、サポシは便利だな。
Eさんを見る。彼は兎そっちのけで、人々の間を縫うように移動している。
さっそく仕事か・・・
屈強なガルカの懐に手を伸ばした所を、そのガルカに気付かれ捕まっている。
ガルカはモンクらしい。
後の事は大体予想出来たので、俺は兎を探す方に集中した。
俺「いないな・・・」
ロランベリーは広い、小さい兎一匹を見付けるのはかなり難しい。
ふと、道端にDさんがいた。なにやら目をつぶっている。
俺「何してるんですか?」
- D「心の眼で・・動く白い物を・・・・・見えたwwwwwwww」
よくわからないが、この人には何でも有りらしい。
D「いたwwwww」
Dさんの指をさした所に、確かに白い物体が動いている。
・・あんなに遅かったっけ?
俺達はその白い物体の方に向かった。
俺「こいつは・・・」
俺は白い物体を蹴飛ばした。
それは、シルククロークを着たタルタルの白魔道師だった。
D「うはwwwまぎらわしすぎwww」
Dさんが白樽に当り散らしている。シルククロークが赤く染まる。
俺「赤樽になったな・・・いや、こんな事してる場合じゃない」
俺はその場を後にした。
- 探しているうちに、クロウラーの巣の所まで来た。
まだ兎は見つかっていない。
俺「まったく、手間がかかるなぁ。疲れてきたし・・チョコボで来ればよかった」
ぶつぶついいながら辺りを見回す。
道の方がやけに騒がしい、人の塊が同じような動きをしている・・
俺「あそこか?」
向かってみると、やはり兎を追いかけているようだ。
さすがに早い、あのスピードで途端に方向を変えられるからなかなか捕らえられない。
集団の中には、既にみんながいた。
リーダー「はぁっ、はぁっ。Naitou君、兎を・・早く仕留めよう!」
ナイトB「うwwwうはっwwww兎を突くぜwwww」
リーダーとBさんは、武器を構えて兎を追っている。
この二人は今年が初参加だ。
何かを勘違いしている。
- ナイトE「こいつ何も持ってねぇwwwしょぼすぎwwww」
Eさんはサポシだ、とんずらの効果で必死に兎を追い回す。
だが盗んでいるのであまり意味は無い。
ナイトC「くっ、息切れしちゃうよ。走りながらじゃバニシュ使えない!
あぁ、魔物は走りながらでも魔法唱えるのになぁ・・・
Naitou君、僕をかついで走ってくれる?」
無茶言うな・・Dさんにでも頼めよ。
はっ、Dさんはどこだ?
いた、以外にも最後尾に。ムーンカロットを兎目掛けて投げている。
ナイトD「大好物だろwww食えよwwww」
百発百中、兎の頭に数本の人参があたる。かなりの威力だろう、兎が少しよろけている。いじめか?あのスピードで飛ぶ人参を口でキャッチ出来るわけがない。
なんだか兎が可哀想になってきた。
- と、急に兎が180℃方向転換した。俺の目の前に兎が来る。チャンスだ。
俺「もらったぁ!」
俺は兎を両手でがっちり捕まえると、その口に無理やり人参を突っ込んだ。
・・・やってる事はあまりDさんと変わらないかもしれない。
ドン!!
突如現れる黒い影。出た、魔物だ。
俺は兎を離すと腰の剣を抜いた。
俺「みんな、手早く始末しましょう」
周りの人がいつ横取りしてくるかわからない。
さっさと倒すのが吉だ。
- リーダー「Naitou君、何で逃がすのかな〜♪」
ナイトB「おいおいwwやる気あるのか?ww」
リーダーとBさんは逃げる兎を追って再び走っていってしまった。
俺「お〜い!兎はもういいんだって!」
聞こえないようだ、もう姿が見えなくなった。
ナイトC「眼鏡が!眼鏡が落ちた!目が!目がぁあぁ〜〜!!魔物が見えないよぅ!
バニシュ!バニシュ2!バニシュガ!」
見物人にバニシュが当たる。俺にもかなり当たっている。
うざいぞ、じっとしててくれ。
- ナイトE「ムーンカロットw今なら一本500ギルwwww」
Eさんが人参の切れた人相手にぼったくっている。
いつもいるな、こういう奴・・・
Dさんにバニシュが当たり、やはり喧嘩になる。
駄目だ、誰にも期待できない。俺一人で・・・
魔物を見ると、既に他PTが戦っている。
みんなに気をとられている間に、取られたらしい。
俺「そりゃ、誰も戦ってなけりゃ取られるよな・・・」
俺はジュノに一人で帰る事にした。
次の日の朝、モグハウスにて俺は余ったムーンカロットで人参スープを作っていた。
俺「今回の報酬はこれか・・今までの中ではまだマシかもしれない」
今日から一月分の人参料理の献立を考えながら、そんな事をつぶやいた。
〜題名つけてなかったね〜完