〜内藤列伝2〜内藤と釣り

よく晴れたその日、俺達はセルビナ行きの船で釣りをしていた。
リーダーからの金稼ぎの話しを断る口実として、釣りを持ち出したのがまずかった。

リーダー「ハハハ、水臭いな。僕らも付き合うよ♪」
来なくていいのだが・・・

とにかくそんな訳で全員で釣り大会になってしまった。
まぁ小遣い稼ぎにはなるからいいけど。

船には他の乗客もたくさんいる。揉め事を起こさないで欲しいものだが・・

周りを見回すと、さっそくDさんが乗客の一人と何やら言い争っている。
場所取りで揉めているらしい。

あぁ、怒ってる怒ってる。Dさんの手が相手の首をつかんで・・・
あららら、海に落としたよ・・・

俺「・・・先が思いやられるな。いつもの事だけど」
俺は落下者を助け、釣りの準備を始めた。

リーダー「Naitou君、餌はどうやってつけるんだい?」
そういってリーダーが糸と針の付いた両手剣を俺に見せる。

俺「や、あの。これで釣る気ですか?」
さすがにそこまで馬鹿では・・と思い聞いてみた。

リーダー「おかしいかい?」
馬鹿だった。頼む気付け、おかしい通り越して異常だ。
眩しいし・・・俺はリーダーの口を押さえながら思った。

俺「まぁ、いいか。あんまり振り回さないで下さいよ。当たらないから。
  じゃなくて、危ないから。」
リーダーの両手剣に餌を付け、渡す。

リーダー「任せなよ、釣った端から切ってあげるから♪」
魔物だけ釣る気かよ・・・
ナイトB「Naitou、餌の付け方わかんないwwww」
俺はBさんの方を見ずに言った。

俺「Bさん、槍に餌を付けようとしてるなら殴りますけど。」
Bさんが慌てている、袋に何かをしまった様だ・・分かりやすいな。

今度はBさんの方を向いて言った。

俺「で、何につけるんですか?」
Bさんはかなり動揺している様だ・・ていうか何で釣りに来て竿持ってないんだよ。

ナイトB「あ・・・あったwwwこれだろwwwww」
そう言うとBさんは袋からオリーブオイルを取り出した。

俺「違う、帰れ」
俺はBさんに平手打ちを二発お見舞いして意識を刈り取った。

Cさんの方を見ると妙に手馴れている・・結構釣り経験者らしい。
て言うかあの竿、太公望だ。

俺「Cさん、釣り得意なんですか?」

ナイトC「・・バニシュと同じぐらいにね」
そりゃ凄えな。かなりのもんだ。

その時、両手竿を持ったリーダーが不意に言った。

リーダー「はい、それではの釣り大会始めます。二人一組で釣った魚の数が多いペアの勝ち。
     優勝者には、ジュノの店ならどこでも使えるお食事券5000ギル分♪」

何か勝手に始めてやがる。でも賞品が凄く欲しい・・
ここのところ人参ばかり食べてたからな。

リーダー「尚、今日の昼食は釣った魚を食べる事になってるのであしからず」

そんな事よりペアが気になる。
Cさんが本命だな。後は大体カスだ。
あのDさんも、釣りとなると駄目そうだ

リーダー「ペアは今一番近い人と組んでね♪」
何!?やばい、一番近いのってリーダーじゃん。
両手剣で魚を釣ろうとする馬鹿とは絶対に組みたくない。
俺は危険を察知し後ろに飛びのいた。

が、リーダーに腕を掴まれた。

リーダー「Naitou君、自分に正直にならなきゃ♪」歯が光る。いつの間にか裸だ。
俺は正直だ、あんたとは組みたくない・・・

だがみんなもうペアになっている。BさんとEさん。CさんとDさんだ。

俺「仕方ない、俺が釣りまくるしかないか・・・」

俺は諦めて釣りを始める事にした。
ナイトC「まぁ、僕一人でも勝てるんだけどね。」

ナイトD「うざっwwwwwwww」

CさんDさんペアは何だか爆発力がありそうだ。実際あるしな・・・
要注意だ。だがあの二人は割りと喧嘩しまくるからな・・

ナイトB「おいおいwwオリーブオイルでどうやって釣るんだよww」
知らねぇよ、下行って竿買って来い。

ナイトE「無理wwwwサポシwwwww」

BさんEさんペアは、微妙すぎる。正直言って相手じゃないだろう。
だがEさんの盗むに注意しなければ、いつの間にか魚の数が逆転しそうだ。

俺はゴカイの付いたグラスロッドを海に投げ込んだ。

待つ事数分・・・・・・きた!竿が引いてる!
リーダー「おお!魚が僕の餌を食べてるよ!見てNaitou君!両手剣がこんなにしなってる!」
うざい、こっちはこっちで忙しいんだよ。大体両手剣がしなるわけがない、錯覚だ。

俺「ぬぅ〜、こいつはでかいぞぉ!」
俺は力一杯竿を引き上げた。竿が折れる寸前かもしれない、それでも俺は力を緩めなかった。
でも考えたらでかくても小さくても同じ一匹だよな・・・まぁいいか。

リーダー「ははは、一本釣り〜♪」
両手竿を振り回すリーダー、その刃先が俺の竿の糸を切った。
急に勢いを無くす竿、糸がゆらゆら揺れている。

俺「・・・・・・」

リーダーの顔をダークメイスで思い切り殴る。
鼻血を噴き出し満面の笑みで、まだ両手剣を振り回している。
俺はその後リーダーとは少し距離を置いて釣りをする事にした。

周りを見回してみた。船の先端にCさんとDさんがいる。

丁度Cさんに当たりがきたらしい、竿を引いている。
俺は近くまで行って見る事にした。
魚が水面すれすれまで来たところでCさんが魔法を詠唱し始めた。

ナイトC「バニシュ!」

魚に直撃したらしく、ぴくりとも動かなくなる。
Cさんが簡単に糸を上げる、バストアサーディンが付いていた。

俺「・・・そういうの有りなのか」

ナイトC「まぁ、君もやればいいんじゃない?」

言われたので、次の魚でやってみる事にした。
だが、全然当たらない。いらいらしたのでホーリーを使ってみた。
ホーリーを受けた魚は蒸発してしまった・・・

そろそろ1時間が経つ。
何だかんだで気づけば一匹も釣れてないじゃないか・・・
リーダーもさっぱりだし、期待してなかったが。

BさんEさんペアも釣れてないな、このままじゃCさん達に食事券を取られてしまう。
て言うか昼飯さえ食べれないな。

ザバァッ!

その時、リーダーの方で何かを水から上げる音がした。

リーダー「Naitou君、タコだ!タコが釣れたよ〜♪」
魔物・・また食えない物を。リーダーなら食べるかもしれないが。
倒してからリーダーに聞いてみた。

俺「これ、カウント入るんですか?」

リーダー「う〜ん、駄目だね。食べてもいいけど♪」
まぁ、モルボルよりはマシかな・・・

Dさんは完全にやる気がない、寝ている。
そのDさんとCさんの辺りをEさんがうろうろしている。
さっそく仕事にかかっているな・・・
結局時間になってしまい、集計をした。

リーダー「え〜と、CDペアが合計23匹。BEペアが20匹・・と」
なんか妙に多いな、BEペア。どっから盗んで来たんだろうか。
うちは0だ、差が凄いな。

リーダー「ハハハ、僕らは34匹。僕らの勝ちだね♪」
魚が大量に入ったバケツを見せる。うじゃうじゃいる。

俺「えっ?リーダー釣ったんですか?」
最後の最後までバケツには何も入って無かったはずだが・・・

声を潜めて答えた
リーダー「しっ、静かに・・・さっき売店で買って来たから♪」
汚い・・・さすがだ。味方にすれば頼もしい、わけではないが、時々頼もしい。

ナイトD「お前がもっと釣れば勝てたのにwwww」

DさんとCさんが喧嘩をし始めた。

ナイトC「あんた一匹も釣ってないじゃないか!役立たず!バニシュバニシュ!」

ナイトB「うはwwwとりあえず釣った魚食おうぜwww」
Bさんが槍で魚をさばいている、妙に器用だ。
凄い槍さばき・・・違うか・・

Eさんは乗客の一人に声をかけている。

ナイトE「俺と一緒にサポシしない?wwww」

「あ、すいません・・サポシはちょっと・・・」
赤魔道師らしいミスラは困ったように言った。
さて、俺らも飯を食べるか。

だがさっきまで持っていたバケツをリーダーは持っていない。

俺「リーダー、魚どうしたんです?」

リーダー「え?返品してきたよ。もういらないよね?」

俺「それじゃ、昼飯は?」

俺が聞くと、リーダーはタコを指差した。
タコを食べると少し美味かった。持って帰って干物にしよう。

ジュノに帰った後、リーダーにお食事券をもらった。

俺「よし、ようやくまともな飯にありつけるな・・・」
券は明日使う事にして、その日はモグハウスで寝る事にした。

次の日の朝食、俺はタコ入り人参スープを飲んでいた。

券を使おうとしたのだが有効期限が過ぎていて使えなかったからだ。
このままではまずい、本当に金策に走らないと。

ジュノ上層で考えながら歩いていると、ばったり奴等と会ってしまった。5人いる。
嫌な予感がしたので逃げようとしたが、取り囲まれてしまった。

ナイトC「今からみんなで遊びに行くんだ。バニシュが使える所がいいよね?どう思う?」
あんたどこでもバニシュ使ってるじゃねぇか。俺は行かん、帰れ。

ナイトB「おいおいwwwバニシュなんて俺覚えてねぇよwww槍買いに行こうぜwww」
バニシュはいらんが、槍もいらん。帰れ

ナイトE「金貨盗みに行くしかないwwwwwwwwダボイだろやっぱwwwww」
あぁ金貨はいいな。あれはいい。でもあんた達とダボイには二度と行かない。帰れ。


リーダー「みんな好き勝手言ってるなぁ。僕はどこでも良いけどね。Naitou君もどこでもいいかい?」
俺もどこでもいいよ。俺は行かないからな。帰れ。

無視して通り過ぎようとしたが、Dさんに腕を掴まれた。

ナイトD「とりあえず、来いwwwwww」
ずるずると引きずられてみんなの方に向かう。

あぁ、まともな金稼ぎをしに行きたい。いつから俺は貧乏ナイトになったんだ・・・
音がする腹をさすりながら、そんな事を考えた。

                       〜内藤と釣り〜完