ジュノ、とあるモグハウスにて───


リーダー「どうだいNaitou君、海水パンツみたいだろう?」
ベッドに寝転がっている俺に、アイアンサブリガを装備したリーダーが話しかける。
うざい・・・というかむしろ臭い・・・

ナイトB「この部屋には槍が無いみたいだな、俺の槍探知能力がそう感じているwwwww」
槍探知能力って何だ・・・壁に立ててあるウィンドスピアが見えないのか。
探知能力以前にその目が機能しているかどうか疑わしい。

早く帰ってほしいのだが、みんなまだ帰る気は無いらしい。
こんな狭い部屋にナイトが6人集まって何をして遊ぶというのだろうか・・・
ふと、扉の事を思い出した。Dさんが破壊したので外から丸見えだ。
俺「あ、Dさん扉直しといて下さいね。」

ナイトD「任せろwwww」
そう言って両手棍をつかみ扉に向かう。
何故そこで両手棍が出るのだろうか。怖いのでやっぱり自分で直すことにしよう。

Eさんがモーグリに盗むを使った。
モーグリの頭の触覚(?)らしき物をむしり取ろうとしているようだ。モーグリも必死の抵抗をしている。
ナイトC「暇だね・・・バニシュでもしようか」
暇になったらバニシュ、という発想がまず俺には理解出来ない。
お前はどんなに忙しい時でもバニシュするだろ、と言いたい。
そして持ってるチラシが気になった。「バニシュで決まる人生」と、書いてある。
バニシュ販売を促進するチラシだろうか、バニシュ使用者の報告等が載っている。

「バニシュを使ってから身長が1_増えました。」サンドリア在住  Shiromaさん

「バニシュのおかげで闇の王を倒せました。」バストゥーク在住  ナイトCさん

・・・・あえて何も言うまい。
リーダーは相変わらすサブリガ姿でポーズを決めている。
もちろん歯は光っている。 
俺「リーダー、やる事無いから外出ましょうよ。」                               

リーダー「じゃ、海にバカンスしに行こうか。よし、そうと決まればテレポ屋を呼んで・・と。
     みんなも早くサブリガに着替えてきなよ♪」

俺「え?え?」

俺は突拍子の無い話しに戸惑っていたが
みんなもう家に支度をする為帰り始めている。
正直俺はためらったが、着替えなければDさんに無理やり着替えさせられそうなので
洋服店の試着所でズボンの下にサブリガを着けよう。
試着室を開けるとそこにはガルカが居た。

ガルカ「最近の内藤は覗きもするのかよ!」

・・・取り敢えず外に放り出しておこう。
    
上層で集合して、テレポ屋に運んで貰った。
この時点で俺以外の5人はサブリガを出している。
Dさんは上がチュニックなのでまるきり変態に見える。

テレポ詠唱中、テレポ屋のタルタルに群がるサブリガナイト。
テレポ屋、かなり嫌そうな顔してるな・・丁度顔の高さに股間がきてる。無理もない

定員オーバーなので俺は二回目のテレポで飛ぶ事にした。
戻ってきたテレポ屋はかなり疲れた顔をしていた。

俺「・・・大丈夫ですか?」

テレポ屋「え、えぇ。大丈夫です、今日はこれで終わりにしますから。」
どうも大丈夫じゃ無いらしい・・・
ラテーヌの出張チョコボを借りて、砂丘まで向かう。
みんなが乗ってるチョコボも、どことなく嫌そうな顔をしている・・・ような気がする。


海岸では経験を積むために冒険者が魔物相手に奮闘していた。
響く魔法の轟音、叫び声、雄たけび。剣で肉を裂く音。
その真っ只中に。サブリガのナイト達が降り立った。

俺「・・・・・・」

その時、目の前で蟹と戦っていたPTの戦士が蟹の攻撃に倒れた。
しばらくしてそのPTが蟹を何とか倒す。
Senshi「くっ、ここまでか・・・すまない・・」
戦士が言う、息も絶え絶えで苦しそうだ。

一緒のPTらしい赤魔道士が叫ぶ。
Akama「馬鹿野郎!あきらめるな!」

リーダー「人生諦めが肝心だよ♪」

Senshi&Akama「・・・・・」
同じPTらしい黒魔道士と、モンクが言った。

Monku「作戦が悪かったのか?俺たちのレベルで倒せない敵じゃないはずだ。」

Kuroma「くそっ、何でこんな事に・・・・」

ナイトC「バニシュを使える人がいない・・・それ答えだよ。わかるだろう?」

Monku&Kuroma「・・・・・」

ナイトC「しかし大丈夫。バニシュを使えない、そんな君達にお勧めなのがこちらの商品です。
    バニシュの魔法が覚えられるこの魔法スクロール、今ならお買い得3000ギル───」

・・・何か売り出した。この前のチラシといい、バイトでもしてるのだろうか。

俺「すいません!こいつらちょっとおかしい人なんで!」
俺は慌てて二人をその場から遠く離れた所まで引っ張った。

俺「リーダー、ちょっとここでは僕達場違いなのでは・・?」

リーダー「え?でもブブリムだと寒いし、砂漠のオアシスじゃ暑いよ」

まぁ、バカンスの場所なんてそうあるもんじゃないが。そもそもバカンスをする必要が無い気がする。

リーダー「前にボスディン氷河で泳いだら死にそうだったよ♪君も寒いのは嫌だろう?」
まぁ、確かに寒いのは嫌だが。そもそも氷河で泳いだら普通は死ぬ。

リーダー「さっ、気を取り直してさっそく泳ごう♪」

そう言ってリーダーが海に入る。
この殺気立った海岸でこの行動が取れるのは凄いと思う。

Bさんも続いて海に入ろうとしている、手には槍だ。

俺「Bさん、槍なんか持ってどうするんですか?錆びちゃいますよ。」

ナイトB「やっぱ槍使いなら海中での槍さばきも鍛えておかないとwwwwww」
成る程修行熱心だ。だがその前にまず陸での槍さばきをどうにかしてほしい。
ナイトC「ふふふ、Naitou君。君は水の中でバニシュ撃てるかい?」

俺「いや、撃てませんけど・・・」

Cさんは、いかにも「あなたは撃てるんですか?」と聞いて欲しそうだ。
その顔が気に入らないのであえて聞くのはよしておこう。
答えも予想出来る。奴ならきっと撃てる。

ナイトE「ふふふ、Naitouwww水の中で盗め───」

俺「帰れ」
リーダー「さて、ゲームでもしようか。東方の国ノーグの民は海に来たら必ずやるっていう伝統の遊びらしい。目隠しして、両手棍でこれを割る遊びらしいんだ。」

そういって、袋から人数分のウォーターメロンを取り出した。

俺「割って・・・どうするんですか?」

リーダー「さぁ・・・?食べればいいかな♪」

遊び自体はどうでもいいが、俺は最近常時ハングリーだ。
何かを食べる遊びなら大賛成である。
出来れば普通に食いたいものだが、贅沢は言えない。

リーダー「じゃ、まず僕からやるね♪」
リーダーは西瓜(スイカ、東方ではこう呼ぶらしい)から数歩離れた所で目隠しをして、
ゆっくり歩き出した。
俺たちが声で誘導するらしい。
西瓜の前に来たところで、リーダーが両手棍を振り下ろす。
が、やはり当たらない。真っ直ぐ振り下ろせば当たる位置なのだが。器用なものだ。

しばらくしてバランスを崩したリーダーが水メロンに尻餅をついた。
アイアンサブリガが西瓜を破壊する。

リーダー「ははは、楽勝だね♪」

・・・というかリーダーの尻で割った物など食べる気になれない。
俺たちは西瓜を破棄し、次にBさんが挑戦した。

ナイトB「目隠しされても俺の槍は獲物をつらぬくぜwwwwwwwww」
・ ・・まぁ、目隠ししなくても当たらないけどな。
槍で行う辺りも突っ込んだ方がいいのだろうが、最早お約束なので敢えて言うまい。

〜略〜
リーダーが割れてない西瓜は食べられない、と言うのでお預けになった。
俺はこの時ほどBさんの槍さばきに怒りを感じた事はない。

次にCさんだ、当然バニシュで挑む。

ナイトC「簡単だよこんなの。バニシュ!」
見事一撃で西瓜に命中。
俺は期待して西瓜を覗き込んだ。
割れた西瓜が何だか泡だっている・・・少し変色してる気もする。
Cさん曰く「バニシュ風西瓜のソテー」らしい。
とてもじゃないが俺たちには食べれそうもない。
結局この西瓜はCさんとDさんで全部食べてしまった。

Dさんの番だ。両手棍がよく似合う、得意とする武器だ。
今度こそ期待していいのかもしれない。

Dさんを西瓜の前まで誘導させる。

俺「Dさん!思い切りどうぞ!」

ナイトD「任せろwwwwwくらえwwwフルスイングwww」
ドゴッ!

西瓜は粉砕された。
何故そこでwsが発動するのかまったく理解できないのだが。
というか粉砕しすぎだ。どうやったら一撃でここまで粉々に出来るのだろうか。
一粒がサイコロサイズだ、ありえない。
砂の上に落ちているのでさすがに食べるのは不可能だ。

Eさんの番だ。だがEさんはサポシだった。
既に西瓜と共にとんずらしていた。

俺達がEさんを逆の海岸で見付けた時には西瓜は皮だけになっていた。

ナイトD「美味かったか?wwwww」

ナイトE「サポシですwwwwwwwwww」

とりあえずEさんの事はDさんに任せておこう。

いよいよ俺の番だ、俺は真面目にやる。そして西瓜を食べる。
目隠しをして、精神統一。他の5人の声を頼りに歩く。
・・・他の5人?
そういえば、まともな奴が居ないことに気がついた。
これまで俺の声だけで西瓜に誘導してたようなものだ。
仕方無いので適当に振り下ろす事にした。

───数十分後・・・

俺はさすがに疲れていた。
もう限界だ。西瓜もどうでもよくなってきた。
目隠しを取ってみると、リーダー達が西瓜を食べている。
俺「・・・何事ですか?」

リーダー「Naitou君遅すぎ、我慢出来ないから食べちゃった♪」

くっ・・こいつら最近俺をいじめてないか?
ここらでびしっと示しつけておかないと、このままずっとこういう役回りになりそうだ。
我慢の限界、俺は両手棍を握り締め振りかぶった。

俺「おらぁっ!」
リーダーの頭を両手棍で思い切り殴ってみた。
と、思ったらDさんだった。ありえない。

ナイトD「死刑wwwwwwwwww」

俺はDさんの猛攻を受けかなり疲労した。ふらふらだ。
もう家に帰りたい。モグハウスのドア修理したいし・・・

が、リーダーの放った一言でそれは叶わぬ事になった。

リーダー「あっ、今日何の日か忘れてた!どこぞの国の伝統の祭りだった♪」
また伝統か・・ろくな事になりそうもない。帰りたい。

リーダー「僕らの故郷バストゥークでもやってるらしいよ。さっそく行ってみよう♪」

俺「や、俺は帰りま────」

ナイトD「却下wwwwwwwwww」

Dさんに髪の毛をつかまれ引きずられる。

・・・他の場所をつかんでくれ。毛が抜ける・・・
抵抗する力もないので、そのまま引きずられる。

バスに着くまでに、禿ヒュムにならない事を祈りながら
俺の意識は飛んでいった・・・