隣人はなぜかオランダへ飛びだった。 <1/3>




明日は数学の小さいテスト、略して数学の小テスト。
「範囲は分かるけど、内容まで理解しろと言われたら無理ですね」
「いや・・・・数学Bは理解するんじゃない、感じろ!!本田がそう言ってた。プラスマイナスでは簡単に割り切れない解を求めるんだ」
「それはあんたの幻聴だ。もしくは幻想だ。今日の三時間目どこにいた」
「幻想の国?ファンタジー?ファイナルファンタジー?」
「終わっとる!!」
ズバンと切り捨てる足達、ファンタスティックな真実を追い求める小田原。誰も救われていない。
二人はダラダラッと帰り支度をしていた。居残って明日のテスト準備をするわけでもなく、速攻で帰宅・のちボンヤリしようという姿勢を崩さない。剛の強さを見せ付ける。
「エフエフか、ファイファンか、それが問題だ・・・・」
「それは問題じゃねええ。さっさと自分の国に帰れ!もしくは自主的に自習せよ」
早速ボンヤリ具合を見せ付ける小田原。言いながらも、足達とて帰り装備は万端だった。もう帰ってジュース飲んで寝ます!
ここだけ仲良く揃って成績が劣悪な二人は、テスト前になると途端に憂鬱になる。テスト後は重荷から解き放たれた野獣と化す。実に高校生らしいですね。うそですね。野獣どころかナマケモノと化す。
憂鬱になるのはテストのせいだけではあるまいて。九里子を思い出す。足達はダークな溜め息を吐く。
「コックリさんに頼むのは無理よね。九里子さんしか出てこない気がする」
「先日、九里子の前で化学の教科書広げて見せたら仰向けに倒れたんだぜ。その現場、見せたかったぜ!」
「何やってんだ外道!!」
化学の教科書で小田原の頭をすっぱ抜く。なんたる蛮行。
九里子の基礎教育はもっと危うい。コックリさんの社会に学校はないのかと疑われる。ピンからキリまで、コックリさんの質にも振幅がある。九里子が危ういだけだ。
意外と分厚い化学の教科書。それで叩かれた小田原だが、さすがに倒れなかった。頭の外側は丈夫である。お父さんお母さんありがとう!今日も強靭です。
「よくもやったな。これでもくらえ、物理の教科書フラッシュ!」
「うわっ!!心の柔らかい場所に突き刺さる!!」
物理の教科書フラッシュ : 難しそうなページを開いて相手に見せ付ける精神攻撃。
ダラダラ帰り支度。特に深刻ではない。昇降口で靴を履き替えながらガールズトーク。
最近、購買のパン種類は肉が少ない。白身魚の揚げ物でごまかしてない?唐揚げ増量してほしいよな!これがガールズトーク。
「九里子さん最近見ないけど、何してんだろ」
「化学の教科書クラッシュの後遺症で寝込んでるんじゃない?」
「それ物理攻撃!」
「全治一ヶ月くらいかね」
「たーすーけーてくださあああい!!」 ボガーン。
全治一ヶ月!と小田原が言った横から九里子が突っ込んできた。弾丸の如き九里子。
なんという素早き登場・・・・どこかで待機してた?九里子クラッシュでもろとも倒れ込む二人を前に、足達は無言で思った。
「九里子さん、久しぶり」
「ああん足達さん!!お久しぶりなところ唐突ですが助けて下さい!!」
先に立ち上がったのは九里子、小田原は下敷きになっている。先に助けが要るのは小田原のようだ。でも特に助けないのが足達クォリティ。
「どーしたのよー。また仕事失敗したの?気にしない気にしない!」
「それもありますけどおー、うぎゃーん!!心の柔らかい場所に突き刺さります~」
「ドラァ!!さっさとどけー!いつまでタダ乗り気分!!」
「すいません小田原さん~」
「小田原・華麗に復活」
位置的に上下関係が逆転する。小田原は奇跡の復活を見せた。代わりに九里子が引っくり返る。後転三回転。いつもより多く転がっております。
「いつもより多く転がるね・・・・。で、その服はどういったわけで?」
足達の指摘。小田原も九里子を見る。いつもと違っている点はもう一つあった。
普段は似非ミリタリーファッションの九里子だが、今日はガラッと印象が違う。一言で言うと、露出が少ない。冬でもスキー場でも短パン半袖!それが九里子。
和装と言うか、着物と言うのか、すぐに名称が思い浮かばない。二人は悩んだ。小田原も考え込む。記憶の引き出しを探る。
「おや、九里子の様子が・・・・なんだっけそれ。白服?」
「あうー、ちょっと惜しいです~」
「あ、思い出した。そう、白ムック!?」
「怖いです!!あるべき姿なのに、想像するとなぜか怖いです!!」
雪男だけどね。なんの因果か赤い体毛に包まれた雪男なアイツね。主に緑ザウルスの後ろにいる。足達が正解を述べる。
「白無垢ね」
「要するに?」
「花嫁衣装」
「ほう、なるほどね。白無垢ですか。で、コックリさん社会では神前式が主流なのかい?」
「話をー!!進めないで下さいー!聞いて下さい~!!もっと疑問を重ねてくださああーい!」
大きな問題を無視して話題に花を咲かせている。なぜか白無垢の九里子、裾が汚れるのも構わずジタバタする。
「ちょ、九里子さん、着物が汚れちゃうわよ。今その話題に差し掛かるから、落ち着いて!クールビズ!」
クールビズ : 和製英語。機器に頼らず衣服調節によって気温に対応する態勢。
「うう~。これが落ち着いてられますかってんだ~」
語尾だけいなせだ。しくしく泣き出す九里子。いや、ダラダラ垂れ流しで泣いている。何があったのか、分かるようで分からない。さすがに小田原も気に掛けた。
「どうしたどーしたァ!!九里子ゥ!!何があったのか簡潔に話してみろ・・・・」
「あの~、これは込み入った事情がありまして、あーうー」
「シンプルにまとめられんのか」
呼んで字の如く、あーとかうーしか言えていない。これでは事件を解決できない。さすがに事件だろう、これは。なぜいきなり花嫁衣裳を着ているのか。
「もしかして着てるって言うか、着せられてるの?」
「あうー」
足達の問いにこくこく頷く。もはや言葉を放棄している。まったく足らない質疑応答を小田原がまとめる。
「なんだなんだ九里子ォ!!お見合いか?それともとうとう観念して、剣と結婚するのか?ハッピーエンドか?おめでとゥ!」
「ちーがーいーますう~!!」
即座に否定される。そうなのかと足達も思ったが、どうやら違うらしい。九里子は金切り声で続ける。
「剣なんかと結婚しませんよ!!シャラップ!!」
「うへえ。九里子さん激怒モード」
「九里子、超こえー」
稀に見る激怒モード。これはちょっと尋常じゃないぞと二人は察した。
「すいません・・・・今、自分でも意味が分からず・・・・」
九里子はちょっと静まりながら謝る。足達と小田原はもっと意味が分からないのだが。
「半分正解ですけど、違うんです~!これには事情が~」
「ということは、お見合いは合ってるけど、剣さんじゃないと」
「あーらら。九里子もやるじゃん。じゃあ剣は一体どうした?」
「剣はオランダに出張中です」
「オランダ・・・・チューリップ・・・・」
「風車、自転車・・・・」
二人は乏しいオランダ知識を総動員するが、ありきたり。テレビでしか見たことがない。
コックリさんはオランダにも呼ばれるのか。世界規模だったのか。思いも寄らないグローバリゼーション。オランダ語も通用するのか。オランダ語、うん、たぶんオランダ語。
追加として、オランダでチューリップとオランダに囲まれる剣を想像し、二人は妙に面白かった。あの剣が・・・・シュール傾向。
「あ、オランダで風車があるのはごく一部の地域だけですよ」
「九里子!!シャラップ!!」 バシン!!
「痛いですー!両側からほっぺバチンはやめて下さい~!」
オランダに対する理想を打ち砕かれた小田原の制裁。手の平で九里子の顔をプレス。
三人が昇降口でぐずぐずしていると、外では雨が降ってきた。誰も傘を持ってきていない。足達は空を見た。
「おかしいわね、今日の天気予報は晴れのはず」
「いっそ数学の教科書を傘代わりに代用するとか。数学だけに代入、なんてな」
「その前にあんたは国語を勉強し直せ」
傘代わりに代用、重複した言い方。天気予報よりもあてにならない文法である。テキトーなことを言わせたら小田原の右に出る者はいない
しかしおかしい天気、雨なのに太陽が照っている。雨雲が少ないせいだろうが、実際に見ると不思議な光景だ。
「不思議な天気ねえ」
「そうだ、うちの曽祖母ヒロ子(98)(存命)が言ってた。こういう天気はキツネの嫁入りって言うんだとさ・・・・おしまい」
小田原の豆知識。それを聞いた足達は、小田原と顔を見合わせ、九里子を見た。
「キツネの、」
「嫁入り・・・・て、お前さん!!まさか本当に!?」
「あーわわ」
実物を前にして、まさか!と思い当たる。足達と小田原はビシッと九里子を指差す。Hey YO!!
「九里子さん本当に結婚するの!?キツネの嫁入りで!?」
「冗談だと思ってた!なんかのコスプレかと思ってた。ヒロ子の言ってた通りだ、キツネの嫁入りウェザー」
「コスプレじゃないです~!!」
三人がワイワイ騒いでいると、ドカドカと足音が聞こえてきた。校舎の中からではない、外からだ。ギクッとする九里子。
「ひい!来たァ!!」
「何が来たの?」
足達も外を見るが、やはりビクッとした。いきなり集団が押し寄せてくる。
「九里子!!こんなところにいたのか!」
「さあ早く列に戻るんだ。主役の花嫁がいなくてどうする」
「婚前逃亡とは、やはり若いもんはイキが違う。はっはっは!!」
「キャー!!嫌です~!!」
集団にあっさり捕まり、九里子はジタバタする。しかしズルズルと引きずられていく。
その間、足達と小田原は呆然としていた。
正面玄関に押し寄せてきた集団は、見たところ中年世代の男女達。それが全員、キツネ耳標準装備。ネイティブキツネ耳。
人間から見たらちょっと直視に耐えない。みんな揃って紋付袴に訪問着の黒服、じいさんばあさんもキツネ耳が生えている。小田原が先に崩れ落ちた。声もなく爆笑している。
「ちょ、ちょっと、あんたらなんですか!?」
視覚的に圧倒されていた足達だが、やっと我に返る。その大声でキツネ耳の集団の注目を一身に浴びる。さすがの足達もたじろいでしまう。
なんとか踏み止まる足達の前に、一人のキツネ男が進み出る。親戚の集まりで乾杯の音頭を仕切っているような存在感。どうやらリーダー格らしい。
「いやいやすまない。うちの九里子がお騒がせしましたな。すぐ退散します故」
「いやいや、確かに毎度お騒がせされてますけども」
「足達さあ~ん!!」
「そうじゃなくて、九里子さん嫌がってるじゃないですか。話は聞きました」
話が通じない相手ではないことは知っている。とりあえず交渉を試みた。足達の言い分に対し、おやっ、と手を叩くキツネ男。
「ならば話は早い!足達さんと小田原さんですな!お噂はかねがね、桐人から聞いております故」
いちいち故、じゃないんですよ。桐人の名前が出てきた。九里子の姉の夫で、義理の兄。親戚であることには違いない。
ていうか親戚に知れ渡るくらいにバンバン名前を出さないでほしい。あの口の軽さにはこっちが閉口する。
「で、桐人さんは・・・・」
「桐人はオランダ支部に出向中です故。いやいや、楽しみにしていたあいつの不在中に執り行うのは不本意ですが、何事も吉日というものが有ります故」
今日、大安か。親戚キツネ男はさらに続ける。
「式が終わりましたら、ええ!ぜひ披露宴に出席なさって下さい。のちほどお迎えにあがる予定でした故」
「披露宴に呼ばれんの!?いやいや、だから!!本人が嫌がってるのに結婚なんてありえないでしょって言ってるんですけども!小田原、あんたもなんか言えー!!」
「イエーイ!!パーティにお呼ばれかしら?」
「呼ばれんな!」
「独身のイケメンは首を洗って待ってろ」(低音)
ただし全員キツネ。目鼻の配置より耳の位置を問題視するべきである。目と鼻なんて単なる飾りですよ。足達は小田原の首をガッと掴む。
「冗談言ってる場合じゃない!!」
「単なるパーティージョークですよ。分かってるわよ、とにかく九里子を・・・・」
二人は九里子を見た。うつろな表情でアーとかウーとか言っている。今の九里子に自主性は求められない。
こうなったら、実力行使で九里子を救出するしかない・・・・足達がそう感じた瞬間、親戚キツネ男が懐から扇子を取り出し、暑そうにパタパタ扇ぐ。
「いや、それにしても雨の日は蒸れます故」 ガチャガシャン!!
襟の合わせから黒光りする塊が転がり落ちる。九里子が持っているブツより何倍もでかい銃が出て来た。懐にブツを飲んでいる・・・・。アサルトライフル、突撃銃ですね。
足達はゾッとした。よく懐に収納しておけたな、って。結婚式の参列者にあるまじき。相手は慌てて拾い上げる。
「これは申し訳ない!!仕事柄、普段からコレが手放せません故。いささか物騒でしたな」
照れ笑いしながらブツを戻す。照れるところではない。どうやら親戚全員が現役らしい。物腰は礼儀正しいが、むやみに刃向かったら蜂の巣にされる。
図らずも牽制された気がして、実力行使は速攻で諦めた。親戚中が桐人レベルの集まりだと思えば、九里子のために命を賭ける気はない。足達は笑顔で九里子に手を振った。
「じゃ、九里子さん。末永くお幸せに」
「あああ足達さああん!!」
速攻で九里子を差し出す。本人は親戚の中から断末魔にも似た悲鳴を上げる。
「見捨てないで下さいー!!一緒に苦難を乗り越えてきた仲じゃないですかー!小田原さーん!!」
「ホント、苦難しかなかった。あんたといて楽しいことは一つもなかった。さらば九里子。お前のことは忘れない。というか、忘れられん」
「おだー!!」
意味不明な悲鳴。小田原も右に同じく手を振って別れを告げる。額に五指を揃えて、ピッと掲げる。こう見えて最敬礼。
黒いブツを収納している親戚キツネ男、その奥さんらしき妙齢女性が小突く。
「お父さんたら!!もう行きますよ!」
「おお、すまん母さん」
「ごめんなさいねえー、ホント騒々しくて。九里子ちゃんみたいな若い子にお見合いなんて堅苦しいこと要らないって言ってるのに、この人達ったら昔の人なもんでねえ」
この人、人かなあ・・・・やはりキツネ耳がある。どうやら少し話が通じるようだ。このお母さんキツネなら。足達と小田原は顔を見合わせる。
「桐人も迷惑だったでしょう?あの子はとんだお喋りですから・・・・」
「いえいえ、そんな」 ←足達
「いやいや、こんな」 ←小田原
深々と頭を下げるお母さんキツネ。その途端、着物の裾からガシャン!!とマグナム銃が転がり落ちた。かなり使い込んだ感がありありで、間違っても行き止まりに追い詰められたくない。
あらあらオホホ!と拾い上げるお母さんキツネ。二人は顔を見合わせ、深く頷いた。
「九里子さん、お元気で」
「九里子、達者でな」
「えー!?やっぱり見捨てられるんですかあ~!」
見捨てるも何も、多勢に無勢、賢き選択である。恨みがましいことを言われても、負け戦に臨むほど愚かではない。マンツーマンなら勝てる!ということでもない。
武装派のコックリさんを相手にして生き残れる気がしない。何この武装集団。
「失礼しました、お披露目に戻ります故。あとでお迎えに上がります故、これにて失礼!さあ行くぞー!」
「応!!」
「jaー!!」
「わーいしょ!!」
掛け声もバラバラに、おみこしみたいに担がれていく九里子を見送る。どちらかと言えば胴上げになっとる。悪ノリした新郎の仲間が最後にやるみたいな。
「キャー!!イヤデスー!!」
親戚の波にもまれて運ばれていく悲鳴が遠ざかる。確かにそのベルトコンベアー的な、物流的な、そういう搬送はイヤだろう。
その惨状を見つめ、小田原はポツリと呟いた。
「九里子・・・・工場の製品みたいだ・・・・。最後に爆笑をありがとう」
「笑うところ?笑い事じゃないわよ」
真顔で言う小田原、微妙に腹筋に来た足達、校門に立ち尽くす。
「あいつ、若い子とか言われてたけど。自分の歳覚えてないくらいだ、もうご成婚おめでとうでいんじゃね?」
「コックリさんで言うと適齢期なのかもね・・・・。でも本人が嫌がってるのは本当だし。助けてあげたいのはやまやまだけど」
「勝てるわけないじゃん!」
珍しく弱音を言う小田原。力強い口調ではあるが。
「昔から言うだろう?泣く子とお上と親戚連中には勝てない、と」
「お前、親戚付き合いで何かあったのか。でもねえ。勝てそうな人材と言えば・・・・」
真っ先に長谷川が思い浮かんだ。いや、無理だ。まず足達と小田原が勝てない。
長谷川とは会うのも嫌なので却下した。それに長谷川は前の一件でブラックリストに上がっている。コックリさん社会では間違いなく敵と見なされる。
そこまで思い出し、小田原はハッと気付いた。パワーバランスで長谷川に勝てる相手と言えば。二人は顔を見合わせる。
「剣だ!!剣を引っ立てい!と思ったら、オランダでしたね」
「そう、オランダね」
あっという間にプランは崩壊した。思えば、剣が居ぬ間の日取りなのかもしれない。
「剣さんは犬だしね。九里子さんとは合わないのかも」
「何より九里子が敵と見なしてるからな」
「じゃあ、どうしようか・・・・うーん。真正面からは勝てないわ」
「バックアタック?」
「いや、もっと、こう・・・・斜め四十五度から、的な・・・・」
真正面から攻めると見せかけて、奇襲を仕掛けるような。いい考えが思い浮かばない。しかし小田原が発案した。
「よし、それ任せとけ!!直角をぶった切る斜め四十五度な!」
「えっ!?なんかあるのか!?正確に四十五度じゃなくてもいいんだけど」
「少し時間を下さい。準備する物がある」
「それはいいんだけど、どうする気だ・・・・」
不安しか出てこない。足達は怪訝な目で小田原を見る。本当に任せていいのか。
前に、長谷川に捕まった九里子を助けるため、小田原の出したアイディアは突飛すぎた。というか頭が悪すぎた。
登場でインパクトを与えて、勢いで威嚇すれば勝てる、だとか。(魚屋のトラックの上から飛び降りた) しかも結局あまり効を成さなかった気がする。その案に乗った足達も強く言えないが、今回もそんなのだったら却下したい。
不信感を一心に受け止め、小田原はガッツポーズで応えた。無言のボディランゲージ。なんか言え。
「だから何をするのよ」
「大丈夫。誰もが納得する形で解決するはずだ。九里子も親戚キツネもみんな納得するって!桐人兄者さえも、こりゃしょうがないな!って、諦めるから」
桐人の真似らしきアメリカナイズな肩竦めポーズを取る小田原。そこまでは求めていない。
「とにかくすぐ準備するし!そして足達、あんたの協力も必要よ」
「そりゃ協力はするし。何をすればいい?」
「まあ、この小田原プロデュースにお任せあれ。ということで、しばし待ってろ!」
ダーッと校舎の中に戻っていく小田原。準備する物は学校にある物で足りるのか。簡単でいいが、簡単に事が片付くのかどうか。






オランダに行ったのは剣で、特にオランダは関係ないですし、剣が隣人であることもなかった…。(2012/3/9)
さらに月日設定があいまいですが、続きます。


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