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はじめに TRPGにおいてシナリオは必要不可欠なものであると考えています。TRPGのルールは不完全でそれだけではゲームを遊ぶことが出来ず、GMとシナリオとで補完して初めて遊ぶことが出来るようになるからです。さらにゲームの骨格のひとつと言えるシナリオの毎回変わることがTRPGをより多彩で飽きの来ない遊びにする魅力の一つだとも考えています。 そしてシナリオの作り方も各GMそれぞれの手法があることと思いますし、それぞれが個性的で素晴らしい手法であるとも思います。しかし一方で初心者がGMをする際の難関の一つがシナリオを作ることではないでしょうか。 そこで私ヤピロのシナリオの作り方を紹介することにしました。GM予備軍の方やGMの方の参考になれば幸いです。ご意見ご感想お待ちしています。 シナリオに必要な事項は次の3点であると考えています。 ・シナリオの目的(GMとしてそのシナリオで何をしたいのか) ・シナリオの事件事実(どんな事件が起こるのか。登場人物は誰か) ・プレイヤーに提示する順番(プレイした時の流れをどうするのか) GMとしてそのシナリオで何をしたいのかを考え、そのしたい事を達成できる事件を考え、事件をどうプレイヤーに提示するかを考えればシナリオの完成です。 各事項について記載すると次の通りです。 シナリオの目的 ▲ GMとしてそのシナリオで何をしたいか? すなわちシナリオのテーマを明確にします。 ある場面を再現したい、プレイヤーにある葛藤をさせたい、あの映画の結末が気に入らないので自己流の結末を演出したい、スリリングな戦闘をさせたい、新しいルールを試してみたい、あの敵を出してみたい、、、等々とGMとしての今回のシナリオでの目的を明確に決めます。シナリオを作る動機を明確にすると言ってもいいでしょう。 その目的に合ったシナリオを作っていくことは当然ですが、実際のセッション運営の時にも目的は重要な役割を果たします。目的に合ったプレイヤーを募り、目的にそった雰囲気作りをし、時間配分でも目的に強く関わるポイントに多くの時間を割くようにします。 例)ヤピロ流桃太郎 有名な昔話である桃太郎のストーリーに納得がいかない。桃から生まれるのは許せるが、鬼を鬼だからという理由で退治して財宝を奪ってくるのは納得がいかない。鬼退治の是非について考えさせるシナリオを作ろう。 セッションでは猪突猛進に行くタイプではなく、考えたり議論することが好きなタイプを集めよう。初心者より経験者向けかな。へクスや駒を使ったタクティカルな感じではなく、情景描写中心の雰囲気にしよう。時間配分では退治の是非について葛藤するシーンに多く時間を割くことにしよう。 シナリオの事件事実 ▲ どんな事件が起こるのか? シナリオの事実関係を考えます。 映画、小説、漫画、アニメを見てみるとそのストーリーの構造は、「何か事件があり、主人公が解決する」と言えると思います。同様のエンターテイメントであるTRPGも同じです。シナリオは事件(とその解決策)について明確にしなければなりません。 事件はシナリオの目的を達成できる状態を考え、その状態にどうすればなるか、その状態のあとどうなるのかを考えていきます。因果関係を追及することで事件の概要は決まってくると思います。 事件事実を考える際には、いわゆる5W1Hを埋める形で考えると良いと思います。When? Where? Who? (Whom?) What? Why? How? です。 また事件事実では、過去と現在、未来を分けて考えます。過去は基本的に不変であり、現在もほぼGMが決めたまま変わりませんが、未来はPCの関わりで当然変わってくるべきものであり、いくつかの事件の解決策と結果の素案を考える程度で良いと思います。 NPCは一番重要な要素です。事件は大抵NPCが起こしているものです。事件がどの様に解決するのかは、NPCとPCとの関わりが大きく左右します。重要なNPCには事件に関する考え方や意図、目的を持たせ、PCの行動に対してどの様に反応するかの指針を立てておきましょう。さらに感情移入できるように性格や人間味を与えるとより良いと思います。 例)ヤピロ流桃太郎 鬼退治の是非を考えさせる為には、鬼にも村を襲う理由を持たせてそれをPCに解らせる様にしよう。(解らせるタイミングは次項“プレイヤーに提示する順番”) 鬼の村を襲う理由は食料難。食料難なのは、鬼は異国の者で異国の植物が育たないから。異国の鬼が流れて来たのは、異国に怪物が出たからにしよう。(過去と現在の事実) 解決策としては、鬼に村の植物の育て方を教える、異国にいる怪物を退治する、鬼を退治するといった感じかな。(未来の事実) 重要なNPCとしては鬼だろう。鬼にも武闘派と和平派がいることにしてそれぞれの代表者の性格や名前を決めておこう。武闘派は闘う事が名誉だと考えていて、怪物退治の為に桃太郎一行と共闘するなんて面白いかも。あと鬼側の事情をPCに知らせる役の鬼も用意しておこう。子供でも良いけど事情の説明をしなければならないので、非戦闘員の女の鬼から事情を説明できるようにしておこう。感情移入してもらえる様な可愛い子がいいな。 桃から生まれたことや、キビ団子はシナリオの目的からみて重要ではないな。桃から生まれた事は割愛。キビ団子は桃太郎以外のPCへの報酬程度でいいや。猿、犬、雉は特殊能力のあるPCってことで、PCの特殊能力が活かせる状況も考えておこう。 プレイヤーに提示する順番 ▲ プレイヤーに対して、どんな順番で事件を示していくか? セッションでのシナリオの流れを考えます。プレイヤーから見ればストーリーとも言えます。 ストーリーの定石通り、起承転結の流れを意識して構成すると良いようです。 起では、PCの置かれた状況(背景世界や場面、状態)を説明し、事件が発生します。 承では、事件を調査するなどして事件のあらましが判明させます。 転では、事件を左右する新事件が起こします。戦闘や交渉、新事実発覚などが多いです。 結では、転での行動の結果によりトントン拍子で事件が一定の解決をします。 起や承のタイミングでは、過去や現在の事件事実を語ります。転や結は未来の事件事実に関わる部分であり、臨機応変に対応したい部分です。 例)ヤピロ流桃太郎 今回のシナリオの目的は鬼退治の是非を考えさせることなので、転の部分に考えさせるようにしよう。(転のタイミングで鬼の村を襲う理由を解らせよう) シナリオの流れは次の通り。 起、PC達に村が鬼に襲撃されて困っていることを伝える。鬼退治を依頼される。 承、武闘派の鬼の襲撃。撃退し、追跡すると鬼の村を発見。 転、鬼の村を偵察すると食料難の事情が判明。偵察中に鬼娘と遭遇、鬼来訪の事情判明。 結、PCの選択による。鬼退治か植物知識提供か、怪物退治の旅に出るか、その他。 以上で、シナリオの作り方の紹介を終わります。GM予備軍の方やGMの方の参考になれば幸いです。ご意見ご感想お待ちしています。 文責:ヤピロ |
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