第1章
今から何年前の事だろうか。
南ハーバスの貴族階級、マルディーニ家に第二子が生まれた。
マルディーニ家の秘術は一子相伝。
この子供は望まれぬ子供だった。
冬のある日。
その日は豪雨だった。
大陸の最南端にある南ハーバスは地理的に冬は極寒の世界となる。
潮風が寒さを引き立たせ、外出する事さえも厳しくなる毎日。
豪雨の中、落雷がマルディーニ家の屋敷に落ちた。
屋敷には傷一つ無いものの、招かれざる客が眠っていた第二子の前に姿を現した。
南ハーバスでは凶兆と言われる大蛇である。
東北のヘルクロイズでは神として崇められる蛇も、南ハーバスでは恐れる対象だったのだ。
何事かと駆けつけた母親に大蛇はこう言った。
「妃、約束を果たしてもらいに来た」
約束・・・・・・
母親は第一子、ユーゴの安全な成長を願うあまり、大きな魔力を持つ大蛇に祈願に行ったのだ。
現在ユーゴは数えて17になり、秘術を受け継ぎ当主となっていた。
「妃・・・汝は息子の安全と引き換えに大事な物を我に渡すと言っていたな」
大蛇が目をつけたのは妃の命ではない。
将来、ユーゴを支えるであろう第二子のカゲロウに目をつけたのだ。
「約束通り、汝の大事な物を貰いに来た」
母親は大蛇の出す気圧に足がすくんで動けなかった。
『動けば殺される』
そんな重圧が大蛇から発せられていた。
大蛇はカゲロウの上で螺旋を描くと、カゲロウに向かって黒い炎を吐いた。
「この子供はこれで我の僕となった」
そう言うと再び屋敷に落雷が落ち、大蛇は消えた。
母親はカゲロウの身の安全を確かめるべく、駆け寄り、抱きかかえた。
息はある。
だが、カゲロウの顔には黒い刻印が刻まれていた。
生涯、消えることの無い大蛇の刻印。
大蛇の刻印を刻むものは家に災いをもたらすと伝えられている。
この子をこのまま置いておく訳にはいかない。
可哀相だが、この子を何処かへ預けるしかない。
マルディーニ家を守るためにはそれしかない。
だが、南ハーバスを中心にした国は大蛇の恐ろしさを知っている。
母親は悩んだ挙句、大蛇を神として崇拝するヘルクロイズにカゲロウを置き去った。
その後、2日3日経った頃だろうか。
ヘルクロイズのモグラの里でカゲロウは息絶えるかどうかの瀬戸際で・・・・・・・
バゼーラに拾われた。
ん〜・・・微妙・・・・
という訳で突如スタートのKOCカゲロウの誕生からの話。
設定資料と、現在までの実在の事柄を思い出しつつ混ぜて書こうと思ってます。
まぁ、俺が飽きるまでなんだろうけどな(ぁ