ロックはカーレル島という島におりた。
「あれ? ロールちゃん、ここ遺跡じゃないよ?」
「ごめんロック、言い忘れてたんだけど次の遺跡って町の中にあるから・・・」
「遺跡の近くには降りられないってわけよ。」
ロールの説明に何故かトロンが割って入る。 そしてお約束(?)通り喧嘩。 ロックは無線のスイッチを切り、町へと向かった。
ロックが町へ着くと、何やら騒ぎが起こっていた。
「何かあったんですか?」
近くの人に訪ねるロック。
「何かあったも何もないよ。 町の子供のグロムが1人でさっき突然現れた遺跡の中に入っちまったんだよ。 ・・・・あんた見ない顔だねえ。 もしかしてディグアウターかい?」
と町の人。
「はい。 一応SS級の免許をもってますけど・・・。」
さらりとロックが答える。
「じゃあ、遺跡に入った子供を助けてやってくんないかい!? お願いだ!」
「わかりました。 僕もその遺跡に用があるんです。 先に助けてきます!」
「頼んだよ。 遺跡は町の北にある公園の中にあるから。」
すると男の人が血相を変えて走ってきた。
「大変だ! また1人遺跡の中に入っちまった! しかも今度はグロムと喧嘩をしているシャーナーだ! 二人とも遺跡で何するかわからんぞ!」
「大変だ! 急がなきゃ!」
そう言いながらロックは町の北にある公園へと急いだ。
「ここだな! よし、早く二人を助けなきゃ!」
ロックは遺跡の中に走っていった。
遺跡に入ると早速リーバード達の歓迎にあった。
「くっ・・・ リーバードの相手をしている時じゃないのに・・・・」
とわずかながらに焦るロック。
しかも見た事のないリ−バードもなかにはいる。 馬のような形をしているリ−バードだ。 その形からもわかるようにかなりのスピードで突進してきた。 だが前回の戦いの後、使い物にならなくなったシャイニングレーザーと、粉々にくだけ散ったア−マーはデータによって修理されている。 その為リーバードの突進を華麗にかわすとすぐさまシャイニングレーザーを撃った。 リーバードは壊れさえしなかったが倒れたので、その隙にロックはローラーダッシュで一気に駆け抜けた。
振り切ったようなのでロックは無線のスイッチを入れ
「トロンちゃん聞こえる!? 今すぐ遺跡のどこに人がいるか捜して!」
「え? 何、人を捜すの?」
といまだ続いていた喧嘩を一旦中止し、聞き返すトロン。 それを聞いたロックは
「はやく! ディグアウターでもなんでもない子供が遺跡の中に入ってるんだ!」
とロックが普段では考えられないような剣幕でどなる。 トロンはすくみながらも
「は、はい! え〜っと・・・・あったわ! そこをまっすぐ行って二つ目の角を右にまがったところにある部屋の中にいるわ! でもその部屋リーバードでいっぱいみたい。 気をつけて。」
「わかった! もう1人いるはずからそっちも捜しておいて!」
そういうとロックは無線を切った。
「ここか!」
ロックは部屋へと入った。
部屋には六体のシャクルズがいた。 ロックはその奥に少年がいる事に気付いた。
「くっ・・・ 一人一人倒してたら間に合わない・・・ 仕方ない・・・ 当たらないでくれよ・・・・ 拡散シャイニングレーザー!!」
この島に来るまでに何故かシャイニングレーザーが改造され、出力調整や拡散撃ちもできるようになっていた。 リーバードを倒すと奥にいる少年は無事なのでロックは一安心した。
「君はシャーナー君かい?」
助けた少年に尋ねるロック。
「そうだけど・・・・あんたは?」
「僕はロック、ロック・ヴォルナット。 島の人に頼まれて君ともう一人、グロム君を捜しに来たんだ。」
「本当か!? じゃあグロムを助けるのを手伝ってくれ!」
「助ける? 町の人から彼とは喧嘩をしているって聞いたけど・・・?」
「たしかに・・・・・今では喧嘩をしているけど、少し前までは親友だったんだ! 親友を見捨てるくらいなら死んだ方がマシだ! 頼む! オレも連れていってくれ!」
「気持ちはわかるけど・・・ここはかなり危険な所なんだ。 僕と一緒にいるからって命の保証はできない。 それでも良いなら・・・」
「わかったそれでいい! 連れていってくれ!」
シャーナーの言葉には迷いがなく、友を助けるという決意の念しか伝わってこなかった。
「わかった。 じゃあ急ごう。」
ロックはシャーナーの決意に気圧された。
再び無線のスイッチを入れ、急ぎながらもトロンを呼んだ。
「トロンちゃん聞こえる? もう一人はどこ?」
「地下二階にある北東の部屋よ。」
とトロンが言うと
「待って! 地下二階の南西部にも反応があるわ!」
とロール。
「わかった! 二人ともありがとう!」
そういうとロックは無線のスイッチを切った。
「どっちに行く? 出来るだけ急いだ方が良いと思うけど・・・」
ロックはシャーナーに尋ねる。
「・・・・・時間がないなら、二手に別れよう! 危険だけど、助けるにはそれぐらいやらないと!」
シャーナーの言葉にうなづき、ロックは北東、シャーナーは南西へと向かった。
ロックが北東にある部屋につくといるのは少年ではなく、緑色のアーマーを着たどっかで見た事のある人だった。
「そこにいる人・・・・もしかしてティーゼル?」
「ん? おお、ロックじゃねえか! どうしたんだこんな所で? そういやあトロンは元気か?」
振り向きながら答えるティーゼル。
「ええ、元気ですよ。 よくロールちゃんと喧嘩してますけど。 そのせいで僕は大変です。」
と苦笑いをしながら言うロック。
「(こいつまさかトロンが自分のことを好きだと言う事に気付いてないのか−−−−−−−−−? なんて鈍感なやつなんだ。 まるで作者なみじゃねえか[ほっとけ!←作者の声]。
ここで教えてもいいが教えたらこいつのことだ、絶対にトロンに対する態度に問題が出るはずだ。 まあここは黙っておこう。 兄としては妹に幸せになってもらいてえからな。)
そうか。 お前も苦労してんだな。」
「あ! 今はこんな事をしてる場合じゃなかったんだ! この遺跡に子供が一人入ってるから助けに来たんです。 別の目的もありますけど。」
「別の目的?」
「ええ、そうです。 そんな事より急がなくちゃその子供が危ないんです。 じゃあこの辺で。」
「待て。 漢(おとこ)として見逃すわけにはいかねえな。 オレさまも一緒に行ってやる。 行くぞ!」
「え、あ、は、はい。 (・・・・・・何故この人が仕切っているんだろう)」
間抜けな事を考えながらもロックとティーゼルは南西へと急いだ。
その頃南西の部屋ではシャーナーがグロムを見つけていた。
「グロム!」
思わず叫ぶシャーナー。 その声に気付いたグロムが
「シャーナー!? なんでこんな所にいるんだ!?」
「なんでって・・・お前を助けに来たんだよ!」
「なんで今さら助けになんか来るんだよ! オレのことなんかどうでもいいんだろ!」
「そんなわけないだろ! たった一人の『親友』を助けないわけにはいかないじゃないか!」
シャーナーが叫んだ次の瞬間、多くのリーバード達がその声に反応したかのようになだれ込んできた。 シャルクルスやホロッコが各10体程いる。
「どうする、グロム?」
「どうするって・・・・倒すか逃げるかしかないんじゃないの?」
「でも倒すにしては数が多いし、逃げるにしたってリーバードで入り口の半分塞がってるから、二人同時に出るのは・・・・厳しくない?」
「そ、そうだけどよ・・・・」
二人がそんな会話をしている間にもリーバード達は徐々に二人との距離をつめてくる。
「・・・・・よし! オレが囮になるからなんとかこの部屋から出てくれ。 そしたらさっきまでオレと一緒にいた青いア−マーを着た、ディグアウターのロックって人が近くにいるはずだからその人を出来るだけ早く呼んできてくれ!」
「いや、囮はオレがやる。 オレがまいた種だからな・・・・。」
「言っただろ。 オレはお前を助けに来たんだ。 だから囮はオレがやる。 大丈夫だ。 絶対死なない。」
「・・・わかった。 死ぬなよ。」
そう言うとグロムは入り口へと走っていった。
「ヘイヘイヘイヘイ! どうしたんだよリーバード! 怖じ気付いたのかよ! (頼むぜグロム。 信じてるからな。)」
シャーナーが決死の覚悟で挑発をはじめた。
タタタタタタタタタタ・・・・
ロックとティーゼルの足音が遺跡内に響く。
ガシャンガシャンガシャン・・・・
二人のものとは明らかに違う足音が近付いてきた。
「ん? この音リーバード?」
走りながらロックが言う。
「ああ、そうみてえだな。 おそらくあそこの角にいるぜ。」
ティーゼルがそう言うとなぜか先ほどとは別の足音が聞こえてきて、こっちにかなりのスピードで走ってきた。 目の前に突然一人の子供が現れた。
青いア−マ−・・・ロックさんですね!?」
その子供が言う。
「え? ああ、そうだけど・・・・君は?」
戸惑いつつもロックは聞く。
「僕はグロムです! それより、早くシャーナーを助けて下さい! あいつは今囮になっているんです!」
「! わかった。 ティーゼルさん、僕は先にローラーダッシュで先に行きますから、その子を連れてきて下さい! あと、すぐそこにいるリーバードよろしく!」
「よっしゃあ! まかせとけ!」
ティーゼルがそう言ったのを聞いたロックは南西の部屋へと向かった。
「大丈夫かシャーナー!・・・・って何あれ、凄っ・・・・!」
ベテラン(?)ディグアウターのロックから見てもそれは凄いものだった。
「よっ! はっ! とお! あぶねえ! うおおお!」
などと言いながらリーバードの攻撃を、『普通の少年』であるはずのシャーナーがかすりもせずによけている。 バク転や側転、果てにはシャルクルスのまたをスライディングでくぐっている。 それを見たらロックだけでなく、他のディグアウター達も驚きは隠せないだろう。
「ああ、ロックさん、見てないで早く助けてよ!」
ロックに気付いたシャーナーがよけながら言う。
「・・・・・・・え? ああ、わかった。」
唖然としつつも応えたロックは
「(僕の助け、いらないのでは?)」
と思った。 ちなみにこの間もシャーナーは避け続けている。
「・・・・・・・シャーナー、こっちに来てくれない? 撃ったらあたりそうで撃てないんだけど・・・・・」
「気にせずに撃って下さい。 避けますから。」
「気にせずにって・・・・まあ、いいか。」
ロックはそう言いながら一発だけ撃ってみた。 危うくシャーナーにあたりそうになるが、華麗に避け、そのショットは奥にいるリーバードにあたった。
「本当に避けた・・・・ よし!」
そう言うとロックは拡散シャイニングレーザーを撃った。
「だああああ! ロックさん! いくらなんでもこれはやりすぎだああああああ!」
とか叫びながらも全部避けきったシャーナー。 もちろんそこにいたリーバード達は全滅していた。
ちょうどその時、ティーゼルとグロムが部屋へとやってきた。
「シャーナー! 大丈夫か!?」
「ああ、なんとか。 ロックさんが凄い事をするんで死にそうになったけど。」
「凄い事? けどそんな事よりお前が無事でよかった・・・・」
ロックはそのやり取りを見ていた。
「(僕にも同じ年代の友達がいたら、僕が危ない目にあっている時に助けにきてくれるのかな・・・・・・)」
それに気付いたティーゼルが<
「おいロック、おめえも『あんなふうな友達がいてくれたらな』とか思ってんのか? 憧れるのはかまわねえが、おめえは今どんな職業をやってるかを考えているか? ・・・・・オレも空賊をやり始めてから、『親友』はいなくなったようなもんだからな・・・・」
「・・・・一応、理解してるつもりです・・・・ でもこういうのを見てしまうと・・・・・どうしてもそう思ってしまうんです。」
「そうか。 なら、いいんだがな。 さて、おめえは別の目的があんだろ? こいつらはオレ様が地上に連れてくから、おめえは目的果たして来い。」
「ティーゼルさん・・・・ ありがとう。」
「気にすんな。 それと『さん』づけはよしてくれ。」
「わかった、ティーゼル。 じゃあ後を頼みます。」そう言うとロックは部屋から出ていった。
「ああ、まかせとけ! くれぐれも死ぬんじゃねえぞ! ・・・・さて、おい、ガキ共、こっからでるぞ!」
ティーゼルはそう言うと、二人を連れて部屋をあとにした。
一足先に部屋から出たロックは、最深部へと急いだ。 しかし途中で妙に気になる小部屋を見つけた。 ロックは中で宝箱を見つけた。
「また古い書物みたいだ。 えっと『ゼロに関するレポートと考察』って書いてあるのかな? 前の遺跡で見つけたものと関係あるのかな? 一応持っていこう。」ロックは部屋をあとにした。
「最深部はここだな!」
そう言うロックの目の前には薄紫色の大きい扉があった。 ロックは中へと入っていった。
部屋の壁や天井、床は鏡となっていて、部屋全てにあらゆる角度でロックが写し出された。 奥には紫色のカプセルがあった。
「(・・・・・もしかして、これって第二の試練?)」
ロックは思っていた。
カプセルが開くと、中から紫色のアーマーを着た人型のものが現れた。 髪は黒く、顔はロックに対して向けられているであろう憎しみで歪んでいた。 カプセルは部屋の鏡の中の一つに消えていった。
「お前はトリッガーだな? 姿形は少し変わっているが、間違いない。 オレの名前を忘れているだろうから教えてやる。 オレの名はロックマン・ガディグ。 まあ、憶えたところでお前はすぐに死ぬが。」
ガディグと名乗るものが言う。
「・・・・・・これは試練じゃないのですか?」
「試練? ああ、そういえばそうだったな。 だがそんな事は関係ない。 オレはお前を殺したいだけだからな!」
そう言うとガディグは、腕から出てきた爪でロックを切り裂いた。 あまりダメージはなかったが、ガディグのスピードは異常なまでに速く、前回の偽トリッガーとは比べ物にならなかった。
「くっ・・・速い! それに、鏡があるせいで相手と自分との距離がいまいちわからない。」
そういったロックの目の前に急にガディグが姿を現した。 ロックは反射的にシャイニングレーザーを撃った。 ガディグはそれを予想していたかのように避け、レーザーは向かいの鏡にあたった。 ロックはまた目でガディグを追い始めた。
「外れたか・・・・! 今度こそ・・・はっ!?」
ロックは何かに気付き、それを寸前でかわした。
「今のはシャイニングレーザー!? なんで!? ・・・・まさか鏡に!?」
「ちっ、当たらなかったか。 まあいい。 御名答だよ、トリッガー。 この部屋の鏡は全ての射撃武器を反射する。 お前の武器では私に勝つ事はできん! そのまま自滅するがいい!」
「とにかくシャイニングレーザーは危険だ。 とりあえず、バスターで攻撃するしかない。」
ロックはバスターでガディグを狙うも全く当たらず、全て反射してあらゆる所からロックに襲いかかってきた。
「くっ! だめだ! このままでは本当に自滅してしまう!」
ロックはなんとか避けるも、今度はガディグに爪で引き裂かれた。
「ハッハッハッハッハッハ! 自滅するか、それともオレの爪にやられるか! どちらがいいか選ぶがいい! それぐらいはお前に決めさせてやろう!」
「だめだ! このままじゃいずれガディグの爪にやられてしまう。 なんとか動きを止めないと・・・・」
そう言うロックの頭の中にはたった一つの方法しか思い浮かばなかった。
「(・・・・さっき僕がシャイニングレーザーが反射した事に気付いたのは、光があったからだ。 いちかばちか、拡散して撃ってみるか? そうすればあいつに当たらなくても、目をくらませる事ぐらいはできるかもしれない。 ・・・いや、だめだ。 いくら出力調整ができると言っても、一度に当たるとかなりのダメージだ。 そんな危険な事は・・・・
そうだ! たしかアレがあったはず! アレを使えばなんとかなるか・・・・ このまま黙って死ぬよりマシだ。)」
ロックはシャイニングレーザーを真上に向けた。
「どうしたトリッガー? お手上げでもしているのか? まあもっとも、そのボロボロの体で何かができるとは思いはしないがな。」
「拡散シャイニングレーザー!」
シャイニングレーザーは天井へあらゆる角度で当たり、あらゆる方向へと反射した。
「がっ!? 目が、目が見えん! うおおおおおおお!?」
目がくらんだ事で動きの止まったガディグにシャイニングレーザーが全身へと直撃した。 だがその傍ら、ロックにも当たっていた。
「もうすぐで入り口だ。 早いとここんな所からは出ちまうぞ。」
ガロム、シャーナーの二人にティーゼルが言う。
「はい、ありがとうございます。」
とガロム。
「気にすんな。 ちゃんとお礼はしてもらうからよ。」
「もちろんですよ。」
ティーゼルの言葉に対してシャーナーが笑顔で答える。 が、地上への入り口が近いその時、目の前に馬型のリーバードが現れた。
「なんだこりゃあ!? くそっ・・・あと少しだってのによ・・・・」
そう言うとティーゼルは身構えた。 しかしその馬型リーバードはティーゼルに目もくれず、遺跡内部へ走り去っていった。
「なんだったんだ? まさかオレ様に恐れを・・・って、そんなわけねえか。」
そう言いながらティーゼルは二人と共に遺跡の外へ出た。
「ちいいいい! なかなかやるじゃないか・・・・ だが! お前もただでは済んではいまい!」
そう言うガディグの目の前には、バスターを向けて立っているロックの姿があった。
「な、なぜだ!? いくらきさまでもあれだけの量のエネルギーが当たればただでは済まないはずだ! 何故無事なのだ!?」
「君は知らないんだね・・・・ 今、この時代では『ディフェンスシールド』と言うものがあるんだ。 これは一定時間の間、かなりのダメージを軽減するんだ。 だから僕は無事なんだ。」
「ハハハハハハハハ。 まさかそんなものがあるとはな・・・・ 計算外だったよ。 さあどうした! 早くオレを撃て! 殺すのだ!」
「いえ、撃ちません。 僕は試練を受けただけです。 あなたを殺すつもりはありません。」
「・・・・・! てめえは昔からそうだ! ふざけやがって・・・・!」
そう言うとガディグはボロボロの体で動き始めた。
「オレはまだ・・・死んでねえ! だから負けちゃいねんだよ! 死ね! トリッガー!」
「そんな体でまだ戦う気ですか!?」
ロックは一発だけバスターを撃った。 先ほどまでの速さが失われているガディグに、それは容易にあたった。
「なんでてめえは殺さねえんだ!? オレを・・・・なめてやがんのか!?」
「違う! たとえどんな人でも死んだらその事を哀しむ人が出てくるでしょう! 僕はそんな人を作りたくないから人を殺さないんだ!」
「オレにはそんなやつはいねえ! さっさと殺しやがれ!」<
ロックは仕方なく、数発バスターを撃った。 だがそれはガディグには当たらなかった。
「な!? トロウア!? お、お前・・・オレをかばって・・・・・」
そこには入り口にいた馬型のリーバードがいた。 ガディグがトロウアと呼んだそのリーバードは壊れる寸前のようだったが、立ち、ロックの方へと向いた。
「・・・・哀しむ人が・・・・いるじゃないですか・・・・」
「・・・・ちっ・・・・・今回はオレの負けだ。 ほら、マスターからのICチップだ。」
ガディグはうつむきながらそう言うと、ICチップをロックへと投げ、そのまま後ろを向き、トロウアと呼ばれたリーバードと共に鏡の中へと消えていった。 その行動をロックは笑顔で見ていた。
ロックが地上に戻ると、ティーゼルと一緒にシャーナーとグロムの親から「ぜひともお礼を。」と言われたがロックは断り、そのまま帰っていった。
「ずいぶんとボロボロだな。」
帰ってきたロックにセラが言う。
「はい・・・・ 今回も試練でしたよ・・・・」
疲れ切った様子でロックが言う。
「へえ〜。 今回もだったんだ〜。 トリッガー大変ねえ〜。」
気が抜けるような言葉でユーナが言う。
「・・・・・とにかくマスターの伝言を見ましょう・・・・・ セラさん、お願いします。」
「うむ、わかった。」
そう言うとセラは読み込みをはじめた。 そして画面にマスターが映った。
『トリッガー君、君がこれを見ているという事は第二の試練も無事クリアしたんだね。 おめでとう。 ・・・・早速、本題に入ろう。 今回はヘヴンが創られた経緯についてお話しよう。
昔、世界にはロックマンXとゼロと言うロボットがいた。』
「ロックマンXとゼロだって!?」
ロックは驚きを隠せずにいられなかった。
「知っておるのか?」
セラが聞く。
「ええ、前回と今回の試練があった遺跡で見つけた、古い書物に書いてあった名前なんです。 これです。」
ロックは古い書物をセラに見せた。
「ふむ、中身はよく読めないな。 とにかく、マスターの伝言を聞いてみる事にしよう。 何かわかるかもしれん。」
そう言うと、再び画面を見た。
『その無二の親友であった二人のロボットは、世界征服をしようとした一人のロボット、Σを幾度となく退けてきた。 Σについては今度、詳しく話そう。 だけどある時、事件が起きたんだ。 Σが宇宙にあるコロニーと呼ばれるものを地球に落とそうとしたんだ。 Xとゼロはそれを阻止しようとしたが失敗してしまった。 結果、世界は滅亡しそうになり、とある理由からXとゼロは戦う事になってしまった。 Xはためらいながらもゼロを退けた。 そしてXはΣを倒した。 だがその瞬間、ΣはXとゼロを巻き添えにしようと自爆した。 ゼロは死んでしまったが、Xは奇跡的にも生きていた。 だけど、爆発の衝撃のせいか、哀しい事にXはゼロの事を忘れてしまったんだ。 そしてXは僕を含む数人の人間と、ロボット達を集めてヘヴンを創ったんだ。
Xとゼロについても今度詳しく話そう。 少し、複雑だからね・・・・ じゃあ今回はこの辺で。』
マスターの伝言は終わった。
「なるほど。 これがヘヴンの創られた経緯か。 だがエックスとゼロ、それにΣとはどんなやつであろうな。」
セラが言う。
「う〜ん、わっかんないな〜。」
とユーナ。
「僕もわかりません・・・・ だけどなんか、とても重要な人物というかなんというか・・・・そんな気がするんです。」
「たしかにそうかもね。 こんなに古い書物に名前が書いてあるぐらいだもん。」
とユーナ。
「とにかく、マスターのICチップと同様に保管しておこう。」
とセラ。
「そうですね。 お願いします。」
ロックは部屋へと戻った。
「(・・・・なんだか、もう古き神々はいない気がする。 多分次の遺跡もおそらく試練のはずだ。 ・・・・・なんだか今日は特に疲れたな・・・・ 少し休もう。)」
ロックは深い眠りについた。
数日後、ロックの予想通り、最後の試練がある遺跡が目覚めた。
ロックマンDASHアナザーストーリー〜ロックへの試練〜
第二章<友と憎しみと>
−完−
エピローグ
「すまなかったな、トロウア。 今日はゆっくり休め。」
ガディグがそう言うと、トロウアはその場に座りこんだ。
「さて、と」
ガディグはモニターに向かって何かを打ち込んだ。
「・・・・よし。 じゃあオレもカプセルに戻って傷を癒すか。」
ガディグはカプセルの中へ戻った。
「・・・・・なんでオレはトリッガーのことを憎んでたんだ? あいつがオレにないもの、『優しさ』を持っていたからか? ・・・・・今となってはもうどうでもいいな。 あいつに完璧に負けたせいか、素晴らしく気分がいいからな。
・・・・・トリッガ−、今度会う時、その時は友としてお前に接しよう。」
ガディグは眠りについた。 トリッガーの事を友と思いながら。
エピローグ −完−
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