ロックがヘヴンから帰ってきて1年程たったある日、その事件は起きた。
「トリッガー、どこにいるの? トリッガー。」
慌てているようなそうでないような感じでユーナがロックを探していた。
「どうしたんですか、ユーナさん。」
部屋からロックが出てきて答える。
「あ、いたいた。 どうしたもこうしたもないわよ。 また『古き神々』が目覚めたのよ。 しかも今回のはなんか変なのよ。」
「またですか・・・。 今回で何回目だろう・・・・。」
ロックが疲れたように言う。 しかしそう言うのも無理はない。 ヘヴンから帰ってきて間もない頃は、2週間にひとつぐらいのペースで目覚めていた『古き神々』がここ一週間では毎日目覚め、昨日と一昨日は2ケ所も目覚めた為かなりハードだったのだ。 今日はまだそういった事もなく、ロック自身「昨日一昨日とあれだけ頑張ったんだから今日ぐらいはないだろう。」と思っていた。 しかし、現実は甘くない為こうである。
「ん? なんか言った?、トリッガー。」
「いえ、別に何も。 ところで何が変なんですか?」
少し慌てた感じでロックは言い直す。
「あ、そうそうそのことなんだけど、今までは遺跡が急に独自の活動を始めてたでしょ? 今回も急に活動を始めた事に変わりはないんだけど・・・。」
「けど・・・どうしたんです?」
「なんていうかその・・・向こうから名指しで指名があったのよ。」
「は? 何を言ってるんですかユーナさん。 冗談はやめて下さいよ。 第一名指しで指名なら、僕を呼ぶ必要無いじゃないですか。 それとも僕にその人の護衛でもしろと?」
そう言いながら立ち去ろうとするロック。 しかも言動的には怒りぎみである。 そこにセラがやってきて
「『ロックマン・トリッガーことロック・ヴォルナットを連れて来い。』とその遺跡からのメッセージだ。」
と真顔で言う。
さすがに真顔のセラに言われるとロックにとっては説得力があるらしく、
「ホントですか?」
とつい聞き返してしまう。
その反応を見てユーナが少し怒ったような感じで
「なによ〜、あたしの言う事は信じられなくてもセラちゃんの言う事は信じるわけ〜 ひっど〜い。」
と言った。
「いやそういうわけじゃ・・・」
とロックがごまかし(?)の言葉を言うものの
「じゃあどういうわけよ〜」
ユーナが問いただす。
「いや・・その・・」
困っているロックを助けるかのごとくセラが
「今はそんな事をしている場合ではないだろう。 それより何故『古き神々』がトリッガーの今の名前を知っているのだ?」
「確かに言われてみればそうね。」
とユーナ。
「そういえばそうですね。」
ロックも言う。
「おぬし達、感心している場合ではないだろう・・・・・ この『古き神々』はもしかしたら・・・」
「もしかしたら・・・」
ロック、ユーナが声をあわせて言う。
「ヘヴン関係者で、トリッガーのことを常に監視していたのかもしれぬ。 突然活動を再開したように見せかけて、トリッガーを呼んだのもきっと訳があるからだろう。 行ってはくれぬか? それに私達が知らないおぬしの過去も解るやもしれん。」
とセラ。
「・・・・・わかりました、行きます。」
とロックは少し考えてから言った。
早速その遺跡に行きディグアウトを開始する。 ヘヴンから帰ってきてからはサポートが二人に増えた。 ロールちゃんとトロンちゃんだ。 何故トロンちゃんがサポートをしているのかわからないので、データに聞いてみた。
『ああ、トロンちゃんはねヘヴンのロックを助けるのに協力した時、お金をいっぱい使っちゃったらしくて、少しでも返してもらいたいから一緒に来てるらしいよ。(本当の事言ってもいいんだけど、ロックに言ったらどうなるかわかんないしね。 こんなふうに言っとけばロックは納得するでしょ。)←<データの心の声>』と言っていた。
トロンちゃんの家族、ティーゼルやボンそれに40人いるコブン君たちはどうしたのだろう。 デパートを経営し続けているのだろうか? いまいちサポートをしている理由ははっきりしないけど、そんな事はまあいいや。
でも困った事にこの二人、僕が戦闘中だろうと休んでいる時だろうとなんだろうと無線を切らず、よく口喧嘩をしている。
船頭多いと船山登るとはこの事だなと実感する。 それが嫌で
『サポートの順番を決めてくれないかなあ? ディグアウト中に口喧嘩されると困るんだけど・・・・』
と言ったら二人に
『ロックは黙ってて!』
と言われた。 何故こういう時の息はぴったりで、サポートの時はてんでバラバラなのだろうと思う。 だがなんにしろ僕の立場は、ない。
そんな事を思っていた矢先にまた口喧嘩が始まる。 目の前にはリーバードのシャルクルスやホロッコ、更にはマンムーまで迫ってきている。 リーバードは待ってくれない。 念のため持ってきたシャイニングレーザーでさっさと倒すが、その間も口喧嘩が続いている。 怒りたいのだがこうまでなっていると呆れているせいか怒る気はしない。 もう無視するしかないと思った。
そう思いながら進んでいくと、小部屋の中で宝箱を見つけた。 中にはかなり古い書物が入っていた。
「かすれててよく読めないな・・・・ えっと・・・・『ロックマンXに関するレポートと考察』? なんだこれ? 中には何が書いてあるんだ・・・・・・・だめだ、かすれてて全く読めないや。
ん〜わかるのはなんか人型のロボットの図案みたいのが書かれていることぐらいかなあ? ロックマンって表紙に書いてあるから、多分オリジナル・ヒト・ユニットの『ロックマンシリーズ』の事かな? セラさんやユーナさんに聞けばわかるかな。 とりあえず持って帰ろう。」
そして、口喧嘩を聞きながらどんどん潜っていき遺跡の最深部と思われる所まで来た。 カトルオックス島の最深部のように扉はでかく、周りの壁は白い。
やはり、お約束と言わんばかりに無線は聞こえなくなった。 こんな大事(?)なところで口喧嘩が聞こえなくなったのはちょうどいい。 そして僕は扉をあけた。
「なんだ、ここ? 今までと違ってまわりが赤い。 まさに真紅だ。」
などと言いながらロックは部屋の奥に何かカプセルのようなものを発見した。
近寄ろうとするとそのカプセルが開き、中からオレンジ色のアーマーを着た人型の物体が現れた。 髪の毛は短くまぶしいような金髪で、わずかになびいていた。 どこからかすきま風でも流れ込んでいるのだろう。 顔はいわゆる美形である。
そしてそれが入っていたカプセルは部屋の奥にドアがあったらしく、その奥へ消えていった。 ロックはそれを見た時、何かを感じた。
「あなたですか、僕ロック・ヴォルナットをここに呼んだのは?」
カプセルから出てきた人型のそれにロックは尋ねた。
「そう、僕です。 ロック・ヴォルナットを呼んだのは。 ・・・・・姿形は多少変わっていますが確かにトリッガーですね・・・」
人型のそれが懐かしむように言った。
「あなたは誰です? 古き神々のはずなのに何故、僕の今の名前を知っているのですか?」
ロックが聞く。
「(記憶が完全じゃないのか・・・リセットしたみたいだしね・・・)僕の名前はロックマン・ランム。 名前でわかるとは思うけど、マスター達によって作られたオリジナル・ヒト・ユニットです。」
ランムと名乗るものが答え続ける。
「僕はある事情によりマスターからの君の監視を仰せつかったのです。」
「マスターが? なんでそんな事を? それにどうやって?」
ロックは少し困惑しながら聞いた。 信じていたマスターが自分を監視させていたのだから・・・ それに、マスターが生きている頃からどうやって監視をしていたのかも謎である。
「君がデータを作る前は小型の監視用ロボットを使っていましたが、君がデータを作ってからは、彼に私が入っていたあのカプセルに直結しているビデオアイを埋め込みました。 その時、ついでにデータをかなり改造しました。 もちろん彼は気づいていません。 と、いうかその記憶はこちらで消しました。」
淡々と話すランム。 ロックはこの時、
「(だからデータって大気圏突入できるのか・・・・・・ っていうか昔僕が作った際にそんなオプション(?)付いてなかったんだ・・・)」
などとのんきな事を考えていた
「理由はマスターからの伝言で『時が来たらトリッガー君を試してくれ』と・・・・」
「その『時』とは?」
アホな事(?)を考えるのをやめロックがランムに聞く。
「・・・・・・へヴンの機能が停止してから1年程たち、あなたが生きている事です・・・・・・ ここはとりあえずヘブンからは独立しています。 ですから、ヘブンの機能停止が起こったぐらいならすぐに分かるのです。」
「・・・・・・つまりそれが今だと?」
「その通りです。 今から試練を与えます。 死にたくなかったら、あなたの持てる全てで、この試練を見事乗り越えて下さい!」
静かな口調からとたんに強い口調へと変わるランム。 周りの情景が一瞬にして赤色から青色に変わり、目の前今までとは明らかにプレッシャーの違う人物がいた。 ロックは目を疑った。 そこには自分がいた。 いや、正確には自分そっくりの人物がいたと言うべきだろう。
「あなたは・・・・?」
訳が解らないロックがおもわず目の前の人物に訪ねる。
「私は・・・一等粛正官ロックマン・トリッガー・・・」
自分そっくりの人物が答える。 どこからかランムの声が聞こえ、
「彼と戦うのが試練です・・・ 過去の自分を見事乗り越えて下さい。 私が乗り越えたと判断したら試練は終了です・・・・・・」
それ以後、ランムの声は聞こえなくなった。
目の前のトリッガーがロックに向け異常なスピードで接近し、バスターを撃ってくる。 ロックは避けようとするもバスターにかすった。 かすったとはいえ威力が凄まじいようでアーマーにヒビが入り、ロック自身も衝撃を受けた。
「そ、そんな! このアーマーはロールちゃんとトロンちゃんの合作で今までのどんなアーマーよりも硬いのに・・・ もうやつの攻撃には当たれない! 全部避けるしかない! いや・・・・・避けてみせる!」
そう言いながらも、ロックは内心恐怖していた。
「インフィニティ・グランドノヴァ!」
そう言いながらトリッガーはバスターを斜め上の方に乱射した。
「? どこに撃っているんだ ・・・・まさか!」
後ろを向くと予想通りブーメランのように返ってきたバスターが飛んできた。 全てを間一髪で避けるロック。 しかし、一発だけヘルメットにかすり、ヘルメットが砕け散った。 だがその時、相手が隙をみせたのでひるまず、
「今だ! シャイニングレーザー!」
とシャイニングレーザーを発射した。
「ぐああああああああ!」
見事に当たり吹っ飛ぶトリッガー。 手ごたえを感じたロックは撃つのを止めた。
「倒せたか?」
その期待は無惨にも打ち砕かれた。 あまり効いた様子もなく立ち上がるトリッガーを前にして、ロックは絶望した。 最強武器であるシャイニングレーザーが効かないのだから・・・
トリッガーはロックめがけてバスターが撃った。 そのショットでアーマーを破壊され、衝撃によりそのまま壁まで吹っ飛んだ。 なんとか立ち上がるものの、なす術がないロック。 ロックは恐怖の余り『死』を感じた。 今までのディグアウトで恐怖を感じた事はあるが、『死』を思うまでの恐怖は感じた事がなかった。 トリッガーがとどめのバスターを撃つと
「・・・・・・はっ! 危ない!」
と当たる直前で我に帰り、間一髪避ける。 しかし、右腕に当たり、シャイニングレーザーは使い物にならなくなった。
「そうだ・・・! たとえ勝ち目がなくてもロールちゃんやトロンちゃん、バレル博士達が、僕の帰りを待ってくれている人がいるんだ! 僕が帰りを待ってくれている人がいる限り、僕は・・・負けるわけには、いや、死ぬわけにはいかない!」
ロックがそう言うと周りが元に戻り、目の前にはロックマン・ランムがいた。
「? 一体・・・・何が起きたんだ・・・・?」
「今のは僕が造り出したヴァーチャル・リアリティです・・・・ 本物ではないが痛みや感触は現実と同じように感じます・・・・ 君の絶望と言う名の恐怖に打ち勝つ心、しっかりと見届けました。」
「じゃあ僕は試練をクリアしたのか・・・?」
「その通りです・・・・ そして・・・・これを・・・・」
ランムはICチップをロックに差し出した。
「これは・・・・・?」
「マスターからあなた宛ての伝言です・・・・ 確かに渡しました。
・・・・長かった・・・・ これで僕の役目の一つが終わった。 僕に見せたその心・・決して・・・忘れないで下さい。
・・・・もし、機会があればまた会いましょう。 それまで、しばしの別れです。」
「ちょっと待って下さい!! まだ聞きたい事が・・・・」
ロックの声が聞こえなかったようにランムはドアの奥に去っていった。
ロックがドアを開けようとするもカギが掛かっていたらしく開かなかった。 ドアにバスターを撃っても傷一つつかなかった。 ロックは
「シャイニングレーザーなら・・・」
と思った。 が、先ほどの戦闘で壊れてしまったので諦めざるをえなかった。
「……ク聞こえる? ロック?」
「つながったの!? どきなさいよあんた! あたしが先よ!」
「何よトロンこそ!」
また、ロールとトロンの口喧嘩が始まった。 それを聞いてロックは少し安心したのかその場に座りこんだ。
地上に戻ると、セラとユーナに何があったかを伝えていた。
「最深部でロックマン・ランムという人に会い、試練を受けました。」
「ロックマン・ランム・・・? 誰それ? あたし聞いた事ないわ。」
「何を言っているのだユーナ。 昔マスターから聞いたであろう。 オリジナル・ヒト・ユニットは粛正官や司政官タイプの他に試練官タイプがいると。
試練官タイプとは特殊能力を持った者がなっていたはずだ。 確かそやつの特殊能力は・・・・ヴァーチャル・リアリティ・ホログラフィー(仮想現実と立体映像)のはずだ。 おおかた過去の自分とでも戦ったのだろう。
(・・・しかし、ランムは確か・・・)」
とセラ。
「ええ、そうです。 何でも恐怖に打ち勝つ心があるかどうかの試練だったらしくて・・・」
「それで見事合格したってわけね〜」
「はい、なんか叫んだら周りが元に戻って・・・」
この言葉はユーナのいたずら心(?)を刺激した。
「さけんだ? なんて? あ、トリッガ−まさか『僕には好きな人がいるんだ!』とでも言ったんじゃないの〜?」
「そそそ、そんなわけないでしょ! どういう話の流れでそうなるんですか!」
少し慌てるロック。 しかし、それもやむを得ない。 違う事を言ったにしても、今考えてみると少し恥ずかしいセリフだ。 知られるのは嫌だろう。
「慌てる所がまた怪しいわね〜 なに?『僕はユーナさんが好きだー!』とでも言ったの? あたしは全然オッケーよ。」
「何がオッケーだ、ユーナ。 生き残っているかどうかは別として、確か試練官は他にもいたはずだ。 またくるかもしれん。 気をつけるのだぞ。」
「あら、セラちゃんらしくないわね〜『気をつけるのだぞ』なんて。」
「うるさい! 黙っとれ! とにかく、次の試練が来るまでしっかり休んでおけ。」
「それと・・・」
「ん? まだ何かあるのか?」
「ランムからマスターの伝言が入っているというこの・・・ICチップを貰いました。」
そう言いながら貰ったICチップを出した。
「なんだと!? 貸せ! さっそく見るぞ!」
セラがロックの手からICチップをひったくりデータを読み込んだ。
「セラちゃんすごい剣幕で取ったわね。」
と小声でユーナ。
「そうですね。」
ロックもそれにうなずく。 そんなことを言っていたら
「読み込みが終わったぞ!」
とセラ。 それは、いわゆるビデオレターだった。 三人はモニターに移っているマスターに釘付けになった。
『トリッガー君、君がこれを見ていると言う事は僕はもうこの世にはいなく、僕の頼み通りシステムを破壊し、そして試練に合格したのだろう。 もしかしたら横にセラとユーナもいるのかな?
それはそうと、まず君がリセットを掛けて記憶を失った時の為に僕の遺伝子コードを君がどうしたかを伝えよう。
君は・・・・僕の遺伝子コードを貰うとすぐにその場で破壊した。 僕がお守りとして渡し、必要がなくなったら処分してくれと言ったら君は僕の目の前で破壊した。笑顔で
“もう必要無いですよ”
と言ってね。 だから僕の遺伝子コードはもうないはずだ。 セラは落胆すると思うが君が選んだ事だ。 僕からは文句はない。
それと試練のことだけど、この試練を含めて三つある。 残りの二つがいつかは秘密にしておこうと思う。 もちろん試練の内容もだ。 ただこれだけはわかって欲しい。 これはただ君を試すだけのモノではないと言う事を。
そしてこの伝言の最後にひとつ、残りの試練をクリアするとまた僕の伝言が貰えるはずだ。 まだ聞いてもらいたい事もあるので、頑張って試練を乗り越えてほしい。 とりあえず試練官にはトリッガー君を殺さないようにって言ってあるけど、試練官ってあまり僕の言う事聞かないから気をつけてね。 それじゃあ・・・・また』
その後はメッセージがないようなのでセラがリモコンでモニターを消した。
「・・・・・・」
伝言が終わってから3人はしばしの間何も言わなかった いや、おそらく何も言えなかったのだろう。 しばらくしてセラがその沈黙をやぶった。
「トリッガーよ、マスターの遺伝子コードのことは気にする事はない。 お主が処分してしまったのは残念だが・・・・・いた仕方あるまい。」
「・・・・・・・・・・」
ロックは黙っていた。 何を言えばいいかわからなかったからである。 それに気付いたユーナが
「そうよトリッガー。 気にする事ないわよ。」
「・・・・・・・・そう、ですよね 僕が言うのもなんですけど過ぎてしまった事ですし・・・・・」
そういうものの、ロックにはあまり元気がなかった。
「でもセラちゃんもずいぶん大人しくなったわね〜 マスターの遺伝子コードがないってわかったら絶対怒ると思ってたのに。」
「なんだユーナ? 私は怒らなければいけなかったのか?」
ユーナの言葉に対して明らかに怒っているセラ。
「セラちゃんそんなに怒んないで〜 冗談よ冗談。」
とユーナが言いながらロックに軽くウインクした。 それに気付いたロックは内心ユーナに感謝した。 そんな事をしているとトロンの声がスピーカーから流れて来て
「ロック、また『古き神々』が目覚めたから行ってきて!」
と言った。
「・・・・・・・・」
一瞬、三人は黙った。
「大変だなトリッガーよ。」
「トリッガーかわいそ〜」
ロックの沈黙の中セラとユーナが言った。
「・・・・はい ・・・じゃあ、また行ってきます。」
ロックはとてもだるそうに言った。 当たり前と言えば当たり前だが・・・・
「(なんで僕ってこう女の人のしりに敷かれるんだろう・・・・ それに、みんなは僕の帰りを待ってくれているのだろうか? ・・・あっ! そう言えば遺跡の中で手に入れた書物の事言うの忘れてた。 ・・・まあいいか。 この遺跡のディグアウトが終わったら言おう。 そんなに急ぐべきものじゃないと思うし・・・・・・)」
そう思いながらロックはディグアウトの準備を始めた。 それが第ニの試練とは知らずに・・・・
ロックマンDASHアナザーストーリー〜ロックへの試練〜
第一章<心>
−完−
エピローグ
モニターに向かっていたランムは何かをうち終わると、自らが入っていたカプセルへ戻っていった。
ランムはカプセルに戻ってから、トリッガ−、つまりロックの事を考えていた。
「何故僕は彼に試練が終わった後、話し掛けなかったんだ? やっぱり自分の事を忘れられていたから? 何故! 何故・・・・。」
ランムはわかるはずのない疑問を考えていた。
やがてランムは祈り始めた。 トリッガ−の無事と幸せとを・・・・ ヒトとして、機械として、試練官として。 ・・・・そして・・・・『友』として。
ランムは覚める事のないであろう眠りについた。 友に忘れ去られた事の哀しみと、立体映像でない『本物』の友の顔を見れた事の嬉しさとを噛みしめながら・・・・。
しかし、トリッガーの身に何かがあれば目覚め、あいつの所へ行くだろう。 その時は『試練官』という敵としてではなく、『友』という味方として・・・・。そうなる事があるように、そして一方では、そうなる事がないようにと矛盾した願いを持ちつつ・・・・。
・・・・ランムのほほを・・・・・つたうものがあった。
エピローグ −完−
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