「それじゃあ次、一年〜
前に出て自己紹介しろ」
 
部長が『とりあえず』感もたっぷりにそう言う。
そしてチラチラと新入生を見回し。
一人の少年に目がとまった。
 
赤い髪が奔放に伸びて、わくわくした表情。
先ほどの部活動説明の時はちょっとぼけて見えていた目も、今はキラキラと輝いている。
俺を指してください!そういわんばかりだったので、面倒の嫌いな部長は持っていた鉛筆ですいっとそれを指した。
 
「じゃあその…赤い髪のやつ。前に出て紹介しろ」
 
「はいっ!」
 
名指された少年は、まだ少し大きめのジャージに着られて歩いていく。
まくった袖からは、健康的な腕が伸びていた。
その手が自分の胸の高さまで持ち上げられ、何事かとみなが壇上をみやったとき。
 
「俺は六角中の星になる男、ダビデ!
よろしく!」
 
はつらつとした声とともに、親指がたてられ胸に『ビシッ』という効果音とともに当てられる。
その顔はそうとうな笑顔で。
そこに集まっていたテニス部一同は、一瞬固まった。
 
(このとき、ダビデ【本名・天根ヒカル】は内心で、いつ突っ込みがくるかとわくわくしていたという)
 
しかし、そんな少年の思惑は外れ。
次の瞬間、全員がスタンドアップ!
にわかに巻き起こる拍手。
 
「すげぇぜ一年!お前の心意気、確かにみた!」
「ダビデ!よろしくな!」
「六角中テニス部は厳しいぜ!?覚悟しておくんだぞ」
 
なぜかみんなに受け入れられてしまったという。
 
ダビデ(くどいようだが本名は天根ヒカル)にとっての誤算とは、このとき今後彼にとってなくてはならないパートナーである黒羽春風がその場にいなかったことであろう。
彼は偶々トイレにいっていたらしいとは、後日のバネさん本人からのコメントであった。
 
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初めて書いた六角SSが実はこれ。まだダビデのことがよくわからないままに書いたものでした。
今読むととてつもない違和感を感じずにはいられませんが、まあそれもまたよし。
ダビデあだ名由来?こんなダビは駄目ですか?
かわいい子マンセ〜!