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なあ…お前の事、好きなんだって言ったらどうする? なあ。 お前が欲しくてたまらないんだって……1秒だって一瞬だって離したくないんだって。 そう言ったら、お前は笑うのか? それとも……… コイゴコロ 「ちょ…!こんな、ところで…か、よ!」 ドンッ 鈍い音。 彼の細い肩が、安っぽいペンキが塗りたくられた壁に当たった。 きっと羽根の跡のような肩甲骨が、軋みを上げただろう。 まるで他人事のように…いや、人事であったが。 そう考えて、いる自分。 押さえこんで…押しつけているのは俺なのに、な。 弾 弾 弾 誰かのはじき出す低音が、靴底から脳裏まで突きぬけて響く。 安っぽい壁。安っぽい内装。 防音の効かない……この場所で。 人には言えない秘密事をシテルンダゼ? 「ん!…は、今日のお前……へ、んだ!」 濃厚な。 それこそ脳髄まで痺れるような口付けを。 奪うように与えるように…これが愛だと、そんな馬鹿な話さえ。 飛ばしてしまえ、逝っちまえ。 ドロドロになって、何も分からなくなって…本当のお前を俺だけに見せてくれよ…… 弾 弾弾 弾 先ほどとは違う音。 空気を大地を響くリズム。戦慄=旋律。 「……叩いてるの、YUZみたいだゼ…」 同じ曲。同じ台。 それでも違う個人の音があるから。 ワカル。わかってしまう。響く低音、それだけで。 ホラ。自分がしてる事……思い出すんだ。 「ば、かやろ…!」 まだ悪態つく余裕があるんだな。 その声を食べてしまいたい。飲み込んでしまいたい。 お前の声も、息も、吐き出すもの全て。 俺だけのものに、しちまいたいよ。 ぎり。 彼の細いとは言えない筋張った手首を、掴む手に力が入る。 ああ、あんなプレイができるくせに。 どうしてこんなにも、俺の手で握りこめるほどなんだ? 「痛っ」 きっと手を離したら痕が残るんだろうな…それぐらい力強く。 痛みに歪んだ瞳は薄ぐらい電灯の下で、不思議に蒼い。 蒼い海のような眼。 そこから海の雫が一滴零れる。 それを見た途端、何だかたまらない…飢えが。渇きが。 俺に舌を這わせた。 塩辛い。舌に乗るただ一滴。 それがこんなにも… 弾 弾 弾弾 響く。響く。響く。 薄ぐらい電灯。その輝きと言うには鈍い光の下で、煌き沈み額に貼り付く銀糸。 その銀の下で伏せては開かれ再び閉じる、蒼。 抉り取ってしまいたい。 軽い抵抗を見せる弾力のある肌と、その境目にこの指をねじ込みたい。 ねじ込んで、掻き回して。 蒼い珠を掴み出したい。きっと温かな血潮に濡れて、どんな宝石よりも美しいのだろう。 その二粒の珠に舌を這わせたら、きっと先ほどのように塩辛いのだろう…それとも甘いのだろうか。 どちらにしても、その瞬間こそが俺にとって至福の時であるだろう。 そして光を失ったお前を。 そっと閉じ込めて、いつまでも側において置きたい。 そんなことを俺が思っているなんて…露ほども思わないんだろうな、お前は。 それでいい。 それがお前だから。 ジジジ。 彼の、黒に近いジーンズの付根。 そこにあるジッパーを引き下ろす。その音さえ外に漏れているようで。 蒼い瞳が閉ざされた。 閉ざされて、わずかに震えている。 何度やっても、何度繰り返しても、この瞼は変わらず俺を拒む。 ちくり どこか。 そう、胸の奥のどこかが痛む。 そんなものは錯覚だと決めつけて、俺はかまわず指を進めた。 求めるものに絡め、それの好い様に動いてやる。 「は…あっ、よせよっ」 すぐに吐息は荒いそれへと変ずる。 たちまちのぼりつめてしまうそれは、一つ年下だとは思えない。 まるで10代の青年のような若さに溢れていて。 いとおしくて憎い。 「出しちまえよ…ここは公共の排泄所だぜ?遠慮する事ないだろ?」 耳に息がかかるくらい近くで、わざと囁くように。 ついでに耳たぶで黒く赤く光るガーネットを舐める。 冷たい石と熱い肌。 「…ふ、ざけんなっ!」 反射的に吐き出された悪態が響く。 「あんまり大きな声出すと…聞こえちまうぜ?」 誰に。とは言わない。 言わなくてもワカルから。 「ここ壁薄いからなあ…」 笑う。 「チクショ…」 唇を噛み締める気配。 ぎりり、と薄紅が白くなるほどに。 「そうそう。まあ、俺は聞かれてもかまわないけどな」 ああ、楽しいな。 きっと俺は凄い顔で笑っているに違いない。 そんな俺の顔を、今は閉じられた唇の変わりに開かれた瞳がねめつける。 ゾクゾクするよ。 戦場でもそんな視線に出会った事は無い。 お前が初めてなんだ。 もっと見てくれ。 もっともっと俺だけを。 嬉しくて、堪らなくて。 絡めていた指にひときわ大きく力を込めた。 「…んっ!」 ビクリと。 一瞬、背を剃り返し。 蒼の瞳から力が抜ける。 押さえつけられたままの体は、陸に打ち上げられた魚のようにビクビクと痙攣している。 そしてずるりと腰から落ちる。 壁に沿って、重力にしたがって、割れたタイルの上に。 まだだ。 まだ終わりじゃない。 腰が床につく寸前に、掴んだままの腕を力任せに引き上げる。 片手に全体重がかかり、骨が軋んだ音。 ふいの苦痛に歪む顔。 その中の薄紅に噛みつきながら、彼の足にまとわりついていただけの黒いジーンズを、つま先を使って器用に膝まで引き下ろす。 半分混じった血の為か妙に白いそこに、彼が二の句を告げる前に己自身をあてがった。 「・・……っ!!」 叫びは全て食い尽くす。 絡め取り飲み込んで。 がくがくと揺れる四肢、それらにもかまわず押し進む。 えぐり、進み、無理に開かれたそこから溢れ出す、朱。 がり。 突然口の中に錆び臭い味が広がる。 唇を噛みきられたのだと、気付くのはカンタンな事。 それでも離してなどやらない。 血の味の口付け。 俺達にふさわしいじゃねえか? 昇り詰めろ。 赤 白 銀 お前の中で、俺の胸で。 全てが白く濁って。 そして音が戻ってくる。 弾 弾 弾 「今度はだれだろうな…知らない奴だ」 響く音に声をかける。 俺の隣りに銀の糸。 「何考えてんだよ…いや、何考えてたんだ?NIX……」 届く声がわずかにかすれをもって俺の鼓膜に響くのは、先ほどの行為の名残だろう。 衣服をきっちり着こんだ、見上げる瞳もわずかに赤く。 「別に…気持ち良かっただろ?士郎」 低く、念入りに低く聞いてやれば。 「そんなことを言ってるんじゃない!!」 今度こそ真っ赤に。 耳たぶまで赤くなって叫ぶ彼。 「気持ちよけりゃ…いいじゃねえか♪」 「バカヤロウ!!!」 叫んで扉を開き、外へ飛び出すその後姿。 銀の髪が生き物のように動いた。 その背中を眼で追いながら。 自分も日常へと戻って行くのだ。 愛なんて語った事もねえよ。 語る気もない。 だって、そんなのは『お前の中の俺』じゃないんだろ? それでも お前が欲しくてホシクテ タマラナイ。 これが 好き。 了 |
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このSSは相互リンクしてくださった親愛なる菊子様に奉げさせて頂きます。奉げられても迷惑ですね…(汗) 全国のNIXファンの皆!ゴメンナサイ!! ムスミ、自害の1歩手前です★ やっちまったYO!?本気エロ!!?<この程度で?と思われたそこの玄人なオネエサマ方、ムスミはこれで一杯一杯でゴザイマスのよ? ていうか強●1歩手前。裏よりかよほどエロい!! 肉シロですよ!!?なぜ髭ポニじゃないのかって? 髭ポニは和●なんだYO!!<私の中で。 しかも和●ほど書いていて照れる代物もなかろうYO!!無理やりとかのほうがよほど書きがイイワ! ていうか髭とポニはそこまで行き着くのに超スローペースなのでね!<本当にな。 むしろニクスが士郎をどう思っているのか知りたかったんだよ。 ていうかうちのニクス…壊れてる? えぐりたいとか閉じ込めたいとか。RISLIMでもそうだったけど。 ちょっと愛が尋常じゃないZE!!うひー!(壊) そして以前、アスレオで青●は試してみたので、今回はゲー●ンの○○○で! 屋内の不特定多数が(しかも知り合い多そう)いる場所での、こっそりH。萌えません? ピッピー!!<ムスミ、補導&教育的指導中。 ええと。 うちの肉シロは、はっきりいえばニクスの片想いです。 肉体関係ありの。 ていうか士郎が鈍い。ニブ過ぎる。 士郎は「快楽のはけ口になってんのかな、俺。でも気持ち良いし…」程度。<気にしてくれ(泣) ニクスはそれを感じ取っていて、告白する気はないみたい。 本気を告げて避けられるのが嫌なのかな。怖いのか。 そんな微妙な関係の二人です。 心根では両思いなんです。 ところで文中でラストにしか二人の名前が出てこないのは……恥ずかしかったんです。純粋に。 こんな話の中で名前なんて書けないっ!!って。 肉シロ・髭ポニ・エレシロ。 これら全て、別次元の話です。同一線上に在ってもけして交わらない。 そんな感じ。そうしないとドロドロの愛憎劇になってしまいそうなので。 しかし私……節操ないですね。 |