たとえば





目の前に分かれ道があったとして



どちらが正しい道かなんて 行ってみなくちゃ分からないだろ?








そして人間て言うのは





後悔はするくせに



選んだ道が正しかったことなんて 殆ど気付かないんだぜ










一方を選んで



切り捨てたもう一方を 切望してる








なんて






身勝手





















Part from …first

















初めは純粋な興味から。






「お前、最近よくきてんじゃん?名前なんてんだよ」


2DXに向かう真剣な表情と、男にしてはいっそ奇抜ともいえるほどの長髪。
束ねた銀の髪が人工灯に照らされて、光を反射させる。
けして華奢とは言えないが、それでも纏う布地の輪郭から想像される体格は自分に比べれば細いのではないだろうか。

そんな、この場所には少々不釣合いな姿に興味を持って声をかけたのは、姿を見かけるようになってから1週間ほど経った日だった。

声をかけられて振り向いた顔は、同じ男なのに思わず目を惹かれてしまう。
絶妙なバランスで配置された各パーツ。
美形と呼ぶ部類ではない。
その印象は『凛』。
何者にも混じることなく純粋である存在。
そんな空気を感じた。

それは、射貫く様に見つめてきた一対の蒼い眼差しを見たからだろうか。


「何?あんた…」

ふいに、目の前の青年が声をかけてくる。
かけられた声は、当然というか男の物で。
別に女のように高い声を想像していたわけではないが、内心ちょっとだけ肩を落した。
そしてそんな自分自身に笑いたくなる。

目の前の青い瞳を持った青年は、わずかに警戒心を交えた様子でこっちを見ている。
そんな微妙な位置を作る青年が可笑しくて、少し笑った。

「あんだよ…気持ち悪いな、ニヤニヤして…第一人に名前を聞くときは自分から名乗るもんだろ?」

古い言いまわしだ。今時そんなことは40を過ぎたおっさんだって滅多に言わないだろう。
それでも青年は当然と言うように話すので。

「そいつは悪かったな。俺はニクス。お前は何て言うんだ?」

ニクスは色素が薄くオレンジに近い褐色の瞳を、面白げに細めた。
右手で帽子に入りきらない金茶の髪をかきあげる。
それは他人の目から、良く見えることを承知しての仕草。
女を釣るときは良く使っていた手で、それが無意識に出てしまったことに苦笑をするほか無い。

男にも通じるとは思っていないのだが、目の前の青年はわずかに頬を赤くした。
そんなにガキには見えないが、もしかしてずいぶんとウブなんだろうか。
等と失礼な感想を持ってしまう。

「…俺は士朗」

赤くなってしまった自分を恥じているのだろうか、少し視線を落して青年は告げた。
ニクスは、耳に届いた彼の名に眉を寄せる。

「『シロウ』?お前、日本人なのか?」

彼が口にした、明らかに日本名と分かるそれに思わず聞き返してしまう。
純粋な疑問だった。
その疑問に士朗はキッと視線を上げ、ニクスを再び見た。

「悪かったな、見えなくて。一応日米のハーフなんだけど。あんたこそあっちの人じゃないのか?」

問い返される。
思わぬ所で負けず嫌いらしい。
初対面の人間に、まして自分のような人間に突っかかってくるなんて。
面白い。

「俺も一応ハーフなんだけどな?お前と同じで日米の」

と。
答えてしまってから、もう縁を切ったはずのあの国とかつての仲間達の顔が脳裏に浮かぶ。
何故あのとき自分はこの道を選んだのか。
何故彼らを切り捨てて生きる道を選んだのか。
後悔は尽きない。
しかし戻ろうとも思えぬ自分自身がいて、相反する心は摩擦するばかり。
今のようにふとした瞬間思い出してしまったら、もう忘れられない。

突然蘇ってきたビジョンにニクスは意識を捕らわれる。
その時。


「悪い…聞いたらまずかったのか?」


心底すまなそうな。
押さえた声が響いた。

唐突に、意識がリアルに引き戻される。
視覚を再認識したニクスが見たのは、僅かに後悔の浮かんだ蒼い瞳。
力なく垂れる銀の髪。
自分よりほんの少しだけ低い肩。

初対面の人間をここまで意識しているなんて……優しいんだな。
そんな感傷的な思考が湧いて出て、ニクスはそれを否定した。
今日会ったばかりの人間にそんなことを思ってしまうほど、自分は疲れていただろうか。

その思考をかき消すように幾分明るい声を出す。

「いや、ちょっと昔を思い出してただけだから。お前が気にするようなことじゃないだろ」

そして気安い仕草で肩を叩いてやった。
士朗は叩かれたことに僅かに目を見張る。
その肩をそのまま掴んで、2DXの方へ誘う。

「それより俺と一勝負しねえか?昼飯代かけて」

不遜に笑ってやれば、士朗の方も負けじと笑みを浮かべて。

「のった。けど俺が勝ったら高いぜ?」

どこまで負けん気が強いのだろう。
それすら気に入り始めている自分がいて。



「俺に勝てると思ってんのか?」










銀のコインが4枚、投下された。



これが、一番最初の出会い。




























分かれ道で立ち止まることは容易くて



でもけして永遠にはいられない










進まなくてはならない現実と



立ち止まりたい心に
















削られて



それでもなお 後戻りは出来ない



















それが 人生ってヤツだから























というわけで、何故かニクシロ出会い編。何故。
しかもどう考えても士朗の性格が「Part from …」と違うって。
あれは女々しかった…基本的には士朗はこのぐらいがいいです。
むしろ「Part from …」をシリーズにしてどうする……
シリーズにしてないYO!!書きたい時に書いて、書きたくなくなったらやめるの<……
だから1つだけでも読めるように…読めないかも。
今回は酷く短いです。
たまにはこんなのも。むしろこんなふうに出会った二人がどうして分かれるまでの大騒ぎになってしまったのか。
非常に興味は尽きません。
誰か書きませんか?むしろ書いてください…そして私に見せて……ゴフ。

現在ニデラで見たい物(カプ)を80%ぐらい自家発電中……もっと多方面から吸収したいわー。
なんてアホなこと考えてます。
自家発電飽きたの〜

自分の文章が未熟だなあと思う最近。
もっともっと勉強しなくちゃ。もっともっと書かなくちゃ。
でも上達しないのよ。最近小説読んでないからかなあ……京極夏彦あたり借りてこようかしら。
その前にハリポタか。ファイオ。

今回の冒頭と文末にあった言葉は、ニクスの言葉として書いてますが、私がよく考えることです。
後悔って言うのは、後でしかできないから。なにかをする前に何かを悔やむことは出来ないんだよって。
そしてもしもこうだったら…って、思ってしまう。
自分の生きてきた道が本当に幸せだったかどうかなんて、死ぬ間際でなければわからないよ。
人間て、何て業の深い生き物なんだろう……
時々考えるこんなことは、答えなんて出ないんだけどね。