『ClubLove&Music』


土曜の夜。今日もクラブハウスは大盛況だ。
絶え間無く移動し、点滅してダンスホールを7色に染め上げるライト。
その刹那にも似た光の下、DJの編み出すリズムに合わせ、若い男女が思い思いに体を動かしている。
どこか退廃的な匂いさえしそうなその光景を、1つ高い位置から見下ろす目。

「…今日も駄目だね…」

大音響の中、誰にも聞えない事を知り尽くしての暴言。
まったく押さえていない声音。
レオは両手で器用にレコードを操りながら、本日何度目とも知れぬ溜め息をついた。

毎週、水・金・日とこのクラブで回しているが、ここ最近あまりにも客の反応がつまらない。
あり大抵に言ってしまえば物足りない。
別に素人のダンスが目に触るとか無様だとかそういったことはない。上手い下手はどうであれ、楽しんでくれていればそれで良いのだ。
ただ、ライトの届かないホールの暗がりで行われる、時々目に止まってしまう男女のアレコレの回数が気に触る。

…そんな事が目的なら、さっさとホテルか公園にでもしけこめよな。

何度そう思った事か。
口説くなとまでは言わない。ここが出会いの場所になるのは悪い事ではないはずだ。
でも、もう少しだけ音楽にも耳を澄ませて欲しいと思うのは僕の我が侭だろうか。
恋人達の甘い囁きだけが彼らの音楽だと言うのなら,出て行って欲しいものだ。

「あーあ、こんなことなら今日の出を変わってやるんじゃ無かったよ」

知り合いのDJに『今日だけは如何しても!』と泣きつかれたのだ。
その為に本来なら家でゆっくり出来るはずの今日、ここで溜め息を付いている。

早く……終わらないかな…

チラリと左手の時計に目をやるが、まだまだ今夜は終わりそうに無い。
コチコチと憎たらしいほどゆっくりと進む秒針を睨みつけ。
げんなりしつつ再びホールに目をやった時。


「……え?」

何かに視線が引き寄せられた。
慌てて目をしばたかせ、もう1度同じ場所を見る。
そこには、ライトを全身に浴びて輝く一人の女性がいた。
彼女はレオの奏でる音に合わせ、華麗なステップを次々と見せていく。
自然と彼女は人々の中心となり、そこから激しくて心地良いリズムが生まれ、広がっていく。

「…凄い」

目が離せない。
もっともっと観ていたい。
気付けばレオは、彼女一人の為に曲を選んでいた。
自分が生み出した音に、彼女のステップが加わって。
それが今までにないグル―ヴ感となって、クラブのホールを満たし人々を熱狂させた。



長いと思っていた時間はあっというまに過ぎ、音響は消え、人々は街へと流れて行く。
彼女の姿もその波の中に紛れ、消えそうになる。
レオはいてもたってもいられずに、DJブースを飛び出した。


「ちょっと…ちょっと通して!」

人の波をかき分け、かき分けて、彼女の姿を探す。
偶然にも、ほんの少し先に彼女の後姿を見つける。

「あの!」

意識するより先に呼び止めの言葉が口を付いて出る。
右手がすがるように彼女の肩に触れた。

「なに?」

レオの声と手に、彼女が振り返った。
間近で観るその瞳。圧倒的な生き生きとしたその瞳に、どうしようもなく惹かれてしまう自分がいた。

「あの…今日のダンス、凄く良かった!出きれば名前を教えて欲しいんだけど…」

言ってしまってから、これではまるでナンパのようだと気付く。
なんて軽率な自分。これでは軽蔑されるのではないか?
頬が赤くなるのを止められない。視線が足元に移る。
しかし、彼女はそんなレオの様子を気にしたふりも無く、ニコリと笑った。

「アリガトウ。誉めてくれて嬉しいワ。ワタシはレイヴガール。貴方の音もかなりCOOLで良かったわよ」

突然の。想像もしなかった、彼女=レイヴガールからの賛辞。
ますます顔が赤くなっていく。
そしてハタと気付いた。

「あ…僕のコト」

「知ってるわ。DJ.REO。結構有名よ、貴方。いつもは土曜日にには出てこないから気になってたの。私も今日会えて嬉しかったのよ?」

更なる告白に、ただただ顔を赤らめて立ち尽くすレオ。言葉も無い。
そんなレオに軽く手を振り、彼女は街へと消えて行った。
去りぎわに一言。

「また土曜にね」

とだけ残して。



「…行っちゃった」

ボーゼンと呟く。頬がまだ熱い。

「レオ―、店を閉めるってよ―」

奥から同僚の自分を呼ぶ声。
それでも、レオはなかなかその場を動けずにいた。

「また…土曜に…か」


クラブの看板のネオンが消えた。
そしてまた、朝がやってくる……




後日。
土曜のDJを変わって欲しいと、酷く真剣な表情で頼み込んでいるレオの姿があった。




オワリ。



いかがでしたでしょうか?
実はノーマルカプSSは初めて☆処女のような気持ちでコンニチワ!ムスミです♪
これはわたくしのお友達、イチさんに捧げるSSです。
今までレオサナだったワタシに神風(KAMIKAZE)を起こしてくれた彼女。
そうです。レオレイヴですよ?
最初は「どうかな〜」なんて思っていたのですが(正直者)想像してみたら結構いけました!むしろレオ君レイヴガールにあこがれ☆の方向で。
レオサナの場合は完全な両想いで。スギレオの場合はどこまでも一緒に。アスレオの場合はちょっぴりセンチメンタルで<後半二つはどうだい
しかしレオレイヴだと、いいかんじにレオ君乙女入ってしまいます…
レオサナの場合はちゃんと男の子なんですけど。なんでかしら。
イチさん、こんなじゃない!と思われたらゴメンナサイ。ワタシの想像力はここら辺が一杯です。
あ、クラブに付いては完全に想像です。あたくし無知なので。間違っていても暖かい眼で見守ってください…ビクビク

ところでレイヴガールって結局なんなんでしょうね。トルマリンも。
どうみてもマ●ィなんですが?
もしや多重人格!?そりゃサイコじゃ。
どうなんですか。小波さん。

最後に。
ノーマルカプ。書けないかなあなんて思ってましたがそんなことは全くありませんでした。
要するに食わず嫌いでした。
時々は書けると良いなあって思います。レオサナとか。スギリエとか。フォジェシとか。
むしろフォジェシ(フォーン×ジェシカ)はネタアリアリなので是非とも書きたい所。
こうしてサイトの多面化を計って行かなくては!いっそKマコとか?いやさ無理かな。
頑張りましょう。
ではでは。