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かろかろかろ 風車回る かろかろかろ 風に乗る 風車−カザグルマ− 先日、偶然駅前で見つけた張り紙。 『日月神社祭礼、10/20・21』 隣りにいたサイレンは、張り紙に描かれたハッピや浴衣、お神輿に目を輝かせた。 なんだか嫌な予感がして。 士郎はそっと隣りから離れようとした。 が。 ガシッ 肩を掴まれた。 『これ行きましょう!士郎ちゃん!!』 有無を言わせぬ強い声。瞳。 掴まれた肩が痛くて。 『わかったから…とりあえずこの手を離せ……』 大きな溜め息と共に承諾してしまった。 そして今日、ここにいる。 オレンジ色の提灯が風に揺れる。 その下に立ち並ぶ様々な出店。 少し風が冷たい。 そのためか人々は皆、洋服姿で。 着物姿が見れると喜んでいたサイレンは少し肩を落としていた。 しかしお神輿にはいたく満足したらしく、持ってきたカメラのフィルムを一本使いきった様子だった。 そして今は出店の並ぶ通りを二人で歩いている。 「士郎ちゃん、これなんですか?」 先ほどから何度と無く繰り返される疑問の言葉。 いい加減面倒くさくなりながら、士郎は自分の右隣に振り向いた。 青いマニキュアの塗られた指が指し示す。 その一点に視線を寄せる。 お面屋の一角に飾られたソレ。 風に揺れ、回る。 赤や黄色や青。色とりどりの紙で作られた。 「風車だよ。知らないのか?」 最近では珍しく、竹で骨組みされ和紙で覆われた風車。 そういえばこんな古風なのは久し振りに見たと、士郎も内心で感じる。 「カザグルマ…オー!windmillのことデスね?」 英語で言われて、士郎は一瞬考える。 別に英会話が苦手とかではない。 母親はアメリカ人であったため、英会話は幼い頃より日常の中で親しまれたものだった。 しかし咄嗟に英単語を出されてしまうと、やっぱり混乱するのである。 「ん…そうだよ」 とりあえず頭の中で照合し、答える。 サイレンは聞くが早いか、風車の前まで寄りマジマジと見はじめる。 一緒にくっついて見るのもなんだか気恥ずかしくて、士郎は少し離れてサイレンを待つことにした。 「なんだい、あんちゃん。風車買うのかい?」 出店の50半ばと思われる店主が、サイレンに声をかける。 初対面でフレンドリーに話しかけられたことが嬉しかったのか、サイレンは満面の笑みを浮かべる。 「YES!いくらにナリマスか?」 「一つ500円だよ。二つなら900円にまけとくよ」 「マケル……"オカイドク"ですネ?」 「そうそう。お買い得」 店主はニコニコと目じりに皺を寄せて答える。 会話を楽しんでいるらしい。 サイレンは財布を取り出すと紙幣を1枚、店主に渡した。 「コレとコレ。良いデスカ?」 風車を2本選び、そっと手に取る。 店主は銭入れになっている缶から100円玉を1枚取りだし、サイレンに手渡す。 「あいよ。毎度あり」 「サンキューでーす♪」 店主に礼を言い。 100円玉をポケットにしまうと、サイレンは士郎を探す。 程なく、少しはなれた場所に銀色の尻尾を見つけて駆け寄った。 「はい。これ士郎ちゃんに」 駆け寄ってきて最初、目の前に出されたのは一本の風車。 急に視界一杯に広がった風車に目を開く。 「これ…俺は別に」 差し出されたソレに。 遠慮の言葉を士郎の口が紡ぎ出す前に、サイレンが二言目を被せるように言う。 「二つだと"オカイドク"デス。1つはマイン。1つは士郎ちゃんの」 だから遠慮するな。 言外にそう言われた気がして。 士郎は苦笑しながら、目の前で回る風車を受け取った。 「サンキュ」 「ドウイタシマシテ♪」 おどけたサイレンの言い方に苦笑の表情を浮かべたまま、士郎は手にある風車に視線を寄せる。 カロカロと軽い音をたてて回るそれは、青色に銀の流紋の入った和紙で作られていて。 少し地味だと思う。 同じ和紙なら赤や金、緑をふんだんに使われた物もあっただろうに。 そんなことが何故か気になって。 「でもどうしてこの色なんだ?赤とかの方が綺麗じゃないか?」 思わず聞いてしまった。 するとサイレンはいたって真面目な声で。 「青と銀色、好きとてもデース。士郎ちゃんの色ね?」 そんな風に臆面も無く言うものだから。 「士郎ちゃん?」 なんだか酷く恥ずかしくなって。 真っ赤になってしまった。 それを見られたくなくて、顔を逸らす。 その瞬間。 CHU 右の頬に暖かな感触を感じた気がして。 え?と思い、慌てて振りむくと。 そこには変わらぬサイレンの笑顔。 …気のせいか? 「士郎ちゃん。あれなんデスか?」 今度は金魚すくいを指差して、問うてくる。青い指先。 先ほどとなんら変わりの無いその様子に、士郎も気のせいだろうと納得する。 「あれは『金魚すくい』っていって………」 ピーヒャラ… ピー… 遠くから、風に乗ってお囃子の笛が聞こえている。 祭はまだまだ続いている。 宵闇が、迫っていた。 かろかろかろ 風車回る かろかろかろ 青と銀 二つの彩(いろ) かろかろかろ 風に乗る 了 |
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なんだかわけがわからないままに終了〜 サイシロSS第2弾です。ていうかわけわからないです。 風車が書きたかったんです。それだけ。 サイレンお祭りに行きたがるかな〜なんて思って。日本文化だし。 神社の名前は地元から。実際にこの日に祭礼がありました。 行かなかったけどね〜遊びに行っちゃって(笑) 今回サイレン頑張ったかな? 士郎の方が世話焼いちゃってますって感じですが。 ラストのチュは頑張ったろ!!<そうか? なんかうちのサイレン強引になりきれなくて…『士郎ちゃん』がいけないか!! やっぱり呼び捨てか!!? むしろキスぐらい気付いて…士郎。 あなた結構鈍かったのね。ていうかテキ屋の広がる通りでやってのけてしまうサイレン。さすが外人<え。 士郎のママンがアメリカ人ていうのはMY夢。多分そうだろうなあと思いまして。 しかし今回本当に内容がないなあ…(苦笑) にでらのSSは相変わらず難しいと痛感しました。 |