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それを罪と知ったのはいつだったろうか・・・ 気付いた時には遅く 止めるには浸り過ぎた 甘い 罪 昏い炎 薄ぐらい部屋。頼りとなるものは、明り取りの障子窓からわずかに差し込む月明かりのみ。 がたがた。 外では普段よりほんの少しだけ強めの風が吹き、木の枠を鳴らした。 その音すら大きく聞こえる、そんな夜… しわになり、八重にも二十重にも広がる白い布。その上で。 重なり合う二つの影。 大人 と 子供。 貪る者。 貪られる者。 言葉無く、それは唐突に始まっていた…… つぷ・・・と音をたてて何かが入り込んでくる。 「…いっ!」 たまらなくて、声をあげた。 けしてその用途で使われるべきでない場所に侵入してくる自分以外の何か。 原始的な恐怖にかられて、体がすくむ。それが侵入を許した部分をも収縮させることとなり、よりいっそう中の存在を意識させてしまう。 【それ】はひどく筋ばっており、長かった。 ゆっくりとしかし確実に奥深くまで潜り込もうとするその動き。 痛みよりも、嘔吐感がこみ上げる。 「や…」 弱々しい言葉。否、言葉にもならない呻きがこぼれるのを押さえられない。 これは何かの罰なのだ・・・漠然と思う。 今までにも何度か、許されないことをしたためにひどくぶたれたり、なじられたりした。 それは自分が許しなく庭を出歩いたりした時で。 きっとその延長に違いない。 痛みにかすんでいく視界を下地に、浮かんでは消える過去の影。 庭に出てはいけないと言い聞かされていた。 人前にその醜悪な姿を晒してはいけないと。お前は汚れた存在だから。 存在するだけで。視界に入るだけで。 それが罪だと。 生かされているだけでも、寛大なのだと。 繰り返される。 それは毒の言葉。 さげすまれるべき存在の自分。 そこにいつしか入りこんだ一筋の風。表裏の無い純粋な好意。 それも、本来なら触れるべきではないモノ。 ねえ、だから慧暦・・・本当はお前とも会ってはいけないんだ。 奇麗なお前。 汚れを知らない、無垢な魂。 たった半分の繋がりの。 名前を呼ばれることが嬉しくて。求められることが嬉しくて。 『本当は同じ空気を吸う事すらユルサレナイんだよ』 お前に伝えられないでいる。 汚したくないのに…大切な慧暦。ぼくの弟。 伝えられない。 ぼくの 我が侭。 「ひ…んっ」 まだ飽くことなく体内の奥深くで蠢くそれに、心を引き摺られる。 苦しい。気持ち悪い。早く出して欲しい。 「ぅっ…ご、めんなさい…ごめんなさい…」 いつの間にか泣いていた。きっと彼は怒っているからこんなことをする。 もう許して。もう許して。もうしません。いいこでいます。 だからだから。 お願い・・・ もう何を口にしているのかわからない。ただ、今はこの攻め苦から逃れたくて必死で繰り返した。 なんでもいい。縋れるものがあるなら。 中身の無い謝罪の言葉が、淫靡な部屋に静かに広がる。 すると体内を蹂躙していたものの動きが変化した。 ひたすらに奥へ捩り込もうとしていたそれが、内部を探るようにぐるりと掻き混ぜる。 尖った先がある一点をかすめた。 瞬間、焼けつくようなしびれが下肢に走った。 「は…っぁ…」 鼻から抜けるような奇妙な声が漏れた。 それが自分の声だとは到底思えなくて、許しを請うことも忘れて震える手で口をふさぐ。 こんな声を出して、ああまた怒られてしまう。 そう思い、続いて訪れるであろう馴染みの痛みを感受すべく、ぎゅうと身を固くした。 しかし。 「いいこだね…士朗」 強張った体にふりかかったのは間違いを正す痛みではなく、今までに聞いたこともないような優しい声音だった。 ついで、暖かい手のひらが髪を撫でる。 そんなことされたことがなくて。(記憶に薄い母には数える程度あったと思うが) どうしたらいいのか分からず、恐怖に閉じていた瞳を開いた。 薄ぼんやりとした中、合わさった焦点に映ったのは彼の笑みだった。 それは向けられることなど永遠に無いだろうて思っていた、心の底で欲していたもの。 嘘…でなければ都合の良い夢。 この人が自分に微笑みかけてくれるわけがない。 まして、自分を価値あるもののように、そっと触れてくるはずがない。 「と…当主さま…」 震える唇が彼を呼ぶ。この呼び名以外は口にしてはいけないと教わったから。 その口許にそっと彼の指が伸び、指の腹で撫でた。 ぴくんっと薄い胸が揺れる。 その反応にまた彼が微笑み、士朗の耳元で囁いた。 「お父さんと、呼んでいいんだよ…」 オトウサン? それは慧暦が彼を呼ぶときの名。自分はけして口にしてはならないと、物心つく前より何度となく繰り返された禁忌。 でも、呼んでいいのだろうか。口にしても叱られたりしないだろうか? ためらい、言葉に出来ない士朗に彼は言葉を促す。 「さぁ…呼んで御覧、【お父さん】と」 甘く口を吸われ、頭がぼうっとしてくる。まだ体内に残ったままの異物をも忘れるほどに。 士朗は渇望していた言葉に酔った。 「ぉ…おとう…さん…」 潤んだ瞳を僅かに伏せ、小さく呟いた。 その声は消え入りそうなほどにか細いものであったが、二人しかいない静まり返った部屋には、彼の鼓膜を震わせるには事たりていた。 ほのかな輪郭の動きに、彼が…父が笑ったと思った。 「そう…よくできたね、私の可愛い士朗」 かけられた言葉に耐えられない歓喜を覚える。 欲しかった。その言葉がずっと欲しかった! 「おとうさん…おとうさんっ」 せきを切って溢れ出る、言葉に形を変じた想い。 止めるすべなんて知らない。知りたくない。 細い未熟な腕は意識せず父の肩、広い背中へと伸ばされる。それを振り払われない。たったそれだけのことで、死んでもいいとさえ思う。 「士朗…私の言うことがきけるかい?」 試されるような問い掛けにも、こくこくと首を従順に振った。 「では、これをしゃぶっておくれ」 士朗を組み敷いていた体が遠のき、向かい合い座りこむ形となる。 体内の異物は残したままに。 そうして言葉と共に士朗の眼前に出されたそれは、父の着物の裾をくつろげた部分から猛々しく立ちあがっていた。 見たことも無い、美しいとは言い難いその部位にそれでも士朗は愛おしさを募らせた。 これは自分の大切な父の一部。それに触れる事を今許してくれている。 跳ね除けられることなく受け入れられる…迷い子が居場所を見つけたような安心感。 ためらうことなく(無論、どうすればよいのかなど具体的な事は何1つ分からなかったが)口づける。 咥えようと口を開けたがそれでも口に全て含む事は出来ず、両手で包み舌先でちろちろと舐め上げた。 手の下、手のひらの皮膚から伝わる血の気配。 熱いそれに頬ずりし、再び口付けを落す。 「そうだよ…そのままアイスキャンディーをくわえるように、頬張るんだよ」 夢中になっていた士朗の頭上で、優しい言葉が暖かく導いてくれる。 嬉しい。 言葉通りになるよう、しゃぶり喉の奥まで頭を動かし受け入れる。 と、くちゅ…という音と共に、忘れていた埋めこまれたままの指が悪戯に動き。 再び下肢に熱が走った。 「…っんぅ…んっ」 驚き、それでも歯を立てないようにと必死に耐える。 じんわりと脳内に広がるそれは。痛みとは別の、何かを焦がすような感覚。 「ふぅっ…う…」 口端から飲みこめぬ唾液が顎に伝い落ちる。口内の父が、ずくんと大きくなるのが感じられた。 喜びに濡れた瞳で上目使いに見上げると、父はうっすらと笑み、その瞳は士朗自身を映していた。 瞳の中の自分が、今までにないようなうっとりとした…とてもいやらしい顔をしている気がして、士朗は再び行為に没頭しようとする。 しかし、上から伸びてきたもう一方の手が髪を掴み。 「うぅ…あ」 力任せに引き剥がされる。 空になった口の内が寂しくて、外気に触れようと舌が伸びたその瞬間。 どくんっ と手の中にあったものが脈打ち、次いで顔に熱いものが打ちつけられる。 びしゃりと鳴った顔。鼻。目。耳。口。舌。そして髪の端まで。 白濁にまみれる。 呆然としたのはほんの数秒。 再び細い身体を反転され、見慣れた天井を背に父が笑う。 「可愛い士朗…私の士朗…」 言葉と共につぷりと埋め込まれていた指が抜かれ、ぞわりと背筋が産毛だつ。 それを疑問に思う間もなく、指よりも大きな物が侵入してきた。 ずぶずぶと、迷うことなく奥深くまで押し入る動き。 内蔵ごとえぐられるような感覚と、限界まで開かれた場所への恐怖。 このまま裂かれてしまうのではないか。 「ひ…」 未知への不安が心に波紋を投げかける。しかし。 「御覧…士朗は今、父さんと一つになっているんだよ」 囁きは麻薬にも似て、浸透する。 涙で滲んだ視界を恐る恐るずらすと、深い茂みに覆われた部分が眼の端に入った。 重なるカラダ。 未成熟な、まだほとんど茂みもない子供のカラダと。 茂みも十分に、雄の象徴を突き立てている大人のカラダ。 その隙間は無い。 これ以上無いというぐらいにピッタリと密着し、きしむソコ。 痛みは変わらずそこから溢れて前身を縛る。 でも。 それ以上に湧き上がるこの熱は何? 「あ…」 痛みは消えない。それどころか一段と激しく。絶え間無くズクズクと心臓まで響きそう。 それでも心の奥からこみあげてくる、形の無い感覚。 「うれし…ぃ」 涙が零れ落ちた。 一つに成っている。今この瞬間だけは。 父は自分だけのもので…自分は独りではない。 繋がっている。血の繋がりと同じ位?それ以上? 「父さんも嬉しいよ」 触れる言葉は重なる体以上に深く。 誰も触れることの無かった心の底に潜りこみ、根をはった。 深く。広く。昏い炎となって正常な思考を焼きつくし。 「おとうさん…もっと…ずっとぉ…」 痛みは続いている。絶え間無く訪れる律動にしだいに意識が攫われそうになる。 まだ幼い、未成熟な士朗の雄はそれを表すようにくったりとしたままで、心地良さなどないのだと訴えていた。 ただ心だけが言葉に酔い、狂い、昇りつめて。そうして現実は曲げられていく。 真実は深い闇の底へ。 「ずっとだよ…私の籠の小鳥…私だけの可愛い士朗」 奥深くで。 熱いものが打ちつけられたような 気がした。 そして始まる 明けない闇色の時間は 「なんで…兄貴と親父が…」 血の繋がりがソレを知る日までの8年間 確かに 幸福であった… 了 |
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えろ。 えろえろ。 えろえろえろ? こいのぼりの続きみたいなかんじです。 裏的士朗家。 えっと。 これって何禁ですか?禁必要ですか?<聞くな。 すいません。ラストやっぱり逃げました。逃げー… だって…書けないよ!! とりあえず年齢表記。 士朗11歳。父30歳。 ラストの時の慧暦の年齢は17歳。 士朗は19歳。 あれ?あってるのか? とりあえず。 そっとしておいてやってください…本当。 私…父シロだいすきらしいので…(壊れ中) |