好き
好き
好き
好き

大好き


気持ちは止まらなくて。
抑えられなくて。
溢れて。
零れて。

そして貴方を傷つけた。







わかればなし




「俺と、別れて」

それは世間話の続きのように、酷く淡々と。
月曜日の昼下がり、しんとした店内に響いた。



「なんでそんなこと言うんだ」

「だから…もう一緒にいられないから」

「何か気に入らない事でもあったのか」

「そうじゃなくて」

「俺が嫌になったか」

「いっそそれなら良かったのに」

「じゃあなんだ」

「好きだから」

「は」

「好きだから、もう一緒にいられない」

「矛盾してないか」

「これ以上、好きになりたくないから。
だから、もう一緒にいられない」

「時々、お前の考えている事がわからなくなるよ」

「俺はもう、ずっと前から貴方のことがわからないよ」

「わからないから逃げるのか」

「そう思っていいよ」

「いいわけあるか」

「お願いだから…もう離れたい。
疲れたんだ」

「…俺の気持ちは最後まで無視するんだな」

「……いつだって。
俺ばっかり疑って、心配して。
もう、疲れた」

「わかった」

「……」

「さっさといけ、そしてもう二度と来るな。
俺だって、お前に振り回されるのはもう御免だ」

「いつだって…振り回されてたのは俺だよ」

「そう思うなら、それはお前の勝手だ」

「ねぇ…」

「さよなら」



それきり背中を向けた彼。
涙一つ見せてくれやしない、薄情な想い人。
もっと前に、こうすればよかった。これでよかった。
そう思っていたはずなのに。
そう思って、何度かの眠れぬ夜の後。決心して今日という日を選んだのに。


どうしてこの足は、去れない。

どうしてこの目は、いまだ彼の姿を焼き付けようとするのか。


愚かにもあがいているのは。
捨てないでともがく心は。





どうして どうして








『彼ヲ捨テタノハ自分ナノニ?』











キィ…と彼の座る椅子が軋みを上げて。

「…さっさといけ」

小さな声が、耳に届いた。
それが空気を震わせて。
鼓膜を刺激して。
情報として、脳内に渡った時。







突然室内の空気が動き。足が床を蹴り。

彼を背中から抱きしめていた。



手から伝わるぬくもり。
鼻腔をくすぐる彼特有の香り。
手に馴染む、スーツの感触。

「………離せ」

声は変わらぬトーンで。
でも、しがみついた肩越しに見た横顔は。





泣いていた。





「ゴメン!ゴメンゴメンゴメン!
捨てないで!捨てないで!
お願いだから…嘘でもいいから……」

どうしてか。
涙が溢れて止まらなかった。
言葉はあとからあとから。
ただ謝罪ばかりが情けなく、すがりつくように溢れて零れた。


「…捨てられたのは俺のほうだろ」

返された言葉もまた。
僅かに震えていた。











外には、雪がちらつき。

室内に影を落としていた。










馬鹿な自分。
愚かな自分。

信じられなくて。
痛みが怖くて。

裏切る前に裏切ろうとした。


子供の自分。



でも捨てられない。離れられない。

この、全てをを焦がすほどの想いに名前を付けるのなら。



きっとこれを


人は『  』と呼ぶのだろう。







恋い慕う。

君を想う。

ただ見えない未来の影に怯えながら。




それでも







『愛しさ』だけは消えない…
















雪は全てを覆い隠し。


そしてまた 春が来る。


















痛い度ある意味NO1のお話となりました。
あえて一人称は控えてみたんだけど…なんか未消化な感じがヒシヒシと!
ジャックたんは不安っこ。実はセムも同じ位不安。でも顔に出ないとか!
夢を見ている人がここにいます!おーい、警察サーン!
この後きっとエッチになだれ込むんだと、ひとりで悶々している腐女子もここに。
おーい、おまわりさーん!(ひつこい)

基本的に好きあってるのが好きです。
でもお互いの好きが一方通行気味なのも相当好きです<え
そしてなんだか気づけばセムを泣かせてしまった気もしますが、まぁとりあえず見なかった方向で。
こ、こんなに心の弱い子はセムじゃない!(動揺)

なんか後味の悪いSSですか…?
次こそはちょっとぐらいラブなやつを入れられるように精進しますー!
(切ない系ばっかり書いてたらダメデショ…)