ルルノイエ城 食堂での会話

その1:ひょうたんから駒
シードは、隣に座っている士官学校から同期の友人に言う。 「なぁ、俺って派手好きそうに見えるか?」 「何だ、急に。まぁな・・・オマエ学生時代から目立ってたもんな」 「やっぱなぁ・・・目立つの嫌いじゃないし。けど、派手好きにみられるけど 本当は・・・」 「違うんだろ?例えば、女の好みとか結構、地味だもんな、シードは。」 「うーん、そうだな。俺がこんなだから、何だか一緒にいてホッとできるよ うな、和み系のコがいいな。あんまキツイ性格じゃなくて、おっとりと優し い雰囲気の。で、料理上手なら言うことなし。」 「うんうん、そりゃ言える。お前が今まで付き合ってたコってみんなそんな 感じじゃん?」 「だろ?今、俺フリーなんだよなぁ。誰か紹介しろよ。」 「何で俺に言うんだよ!シード様モテモテじゃん。俺の方こそおすそ分け してほしいくらいだよ。」 「なーにが、シード様だよ?(笑)俺んとこ寄ってくんのは、派手なおねー ちゃんばっかでな・・・何か真剣に付き合うってタイプじゃねーんだ・・・ はぁ・・・」 「贅沢ゆーな!オマエの相方のクルガン様みたいに・・・」 「あーーーっ!!あいつね!あいつはなぁ・・・なんちゅーか」 「あの方は、毎回毎回、連れてるオンナ、違うよな。それが又、みんな すっげー美人で・・・」 「そうそう!んもう、ゴージャス派手系、グラマーなおねーちゃんばっか。」 「また連れ歩いてて似合うよな、エスコートとかスマートだし。どうやった らあんな風に・・・。」 「ふん、あいつのこと誉めるなよ。クルガンは自分が渋め地味系だから、 ゴージャスなおねえちゃんが好みなだけだ。」 「でもフツー男なら、よっほど自分に自信がないと、あのテの女は口説け ねーぜ?さすがクルガン様だよ。」 「だーかーらー!アイツのこと、買い被り過ぎだっつの!口八丁手八丁な んだよ、そーゆー時だけ。騙されてるっての、みんな。」 「ふーん。男からみても、クルガン様かっこいいもんな。お前はどうなんだ よ?」 「は?どうって?」 「クルガン様の事、どう思ってるんだ?」 「な、な、なんだよ、ソレ?」(激しく動揺) 「誉めると怒るし、いいライバルって感じだけど?(笑)もしかしてそれ以上 の?」 (心地よくからかう友人。勿論、カマかけてるとかではなく、冗談で) 「いや・・・実は、俺たち今、付き合ってるんだ・・・。」 「??? は?」 「すっげー、あっちの方の相性もよくって。ヤバイヤバイとは思ってるんだ けど。」 「・・・・・・。」 (冗談だったのがマジ告白な反応にいまいち対応しきれず無言な友人) 「俺ってノーマルだと思ってたのに、我ながらショックなんだよ。誰にも言う なよ? でもハマっちまってなぁ。ヤバイよなー。」 「おま・・さっきフリーって(滝汗)」 「うーん。オンナはフリーなんだよ。でも、このままじゃヤバイ気がして。女 と付き合って足、洗いたい気もしてな。」 「そ、そ、そうか。誰にも言わない。誓うぜ。」 「何か変なのに捕まっちまったって気分。でも、続いてんだ、これが。あー あー。何だかなぁ・・・俺ってば。」 「シード・・・俺からは、何にも言えねぇよ。頑張れよ。」 「はぁ・・・頑張りたくねぇよ。でも、身体が・・・・。」 頭を抱えるシードを後に、友人フェードアウト。 そして内心、相手がクルガン様なら、やっぱ掘られてる方はシードだよな・・・ と想像してしまう友人であった。



その2:もっと自分を大切にしよう

「なぁなぁ、お前その後あの彼女とはうまくいってんのか?」 「ああお蔭様でな。結構俺、真剣なんだ。もしかしたら結婚も、って考えてる くらい。ところで、シードは? あの・・・(声を潜めて)クルガン様とは、どうな んだ?」 「・・・どうも、こうもお蔭様で続いてるよ。」 「へぇ・・・やっぱりな。」 「!!! やっぱりってどういう意味だよ?!」 「いや、俺はあれから、誰にも言ってないぞ。誓うぞ。だが噂になってるぞ、 お前ら。」 「ええええ?マジかよ・・・。どうりで最近、女が寄ってこねえと思った。」 「は?お前クルガン様一筋じゃねえの? まだ女にも未練ある訳?」 「あったりめーだろーーっ!!」 「シード、声でかいって(汗)」 「な、な、何で俺がクルガン一筋なんだよ?あんな三十路前のオッサン一筋 なんて哀し過ぎるぜ!」 「そういう割には続いてるくせに・・・(ボソッ)」 「あん?今、お前何っつった? 俺はなぁ・・・クルガンに抱かれてはいるけど。」 「(やっぱりシードの方が掘られてるのか・・・)い、いや何でもない。」 「く・・・クルガンに抱かれてはいるけど、ホモじゃねーーーっ!!」 絶叫するシードに、友人はシードの“右耳”につけられたピアスに視線がいく。 ハイランドでは、右耳のそれは男色家の証。 勿論、シードは、そんな事はつゆ知らず、クルガンに騙されてつけられていた。 「え?だってお前、その右耳のピア・・・うっ!!」 「シード、探したぞ。こんなところにいたのか。」 「わっ!クルガン。・・・って今の雷鳴もしや、お前が?うわ!しっかりしろ。何で、 こいつに発動しやがんだよ?」 「大丈夫だ。急所は、はずしてある。それよりもシード三十路前のオッサンとは 誰の事だ?」
遠のく意識の中で友人は思った。 シード・・・クルガン様に抱かれてる時点でホモって言うんだ、と。 そして、自分をもっと大切にしよう、と。




2001.10.09