Episode5 攻防

番外
知将玉砕編

聖夜を1ヶ月先に控えたルルノイエの城下町には家々の玄関先や 路地に、色とりどりのキャンドルが点される。 その入り組んだ路地の一角、裏の細い、大人が2人やっと通れる 程の幅の路地裏で、ゆっくりと動く影がふたつ。 ほの暗い中にも、あちらこちらのキャンドルの灯火が風に揺れて その影を瞬かせる。 「クルガン…お前実験台、な。」 肩に置かれたクルガンの手を取り、自分の背中に回すとシードは 両手をクルガンの首におずおずと回した。 「男同士でも、抵抗ないもんかな…。お前はどうだ?」 消え入るような声。 未知の体験を怖れ、迷っているのだ。あの勇ましいシードが。 肌が直接触れているのかと思うほど、シードの激しい動悸が伝わ ってくる。 クルガンは、優しくシードの身体を抱き返すと、その顎をとって 囁く。 「どうかな。試してみるか…。」 「ん…。」 シードの方からクルガンに恐る恐る触れるだけの口付けをしてきた。 クルガンは、感動に打ち震えながらその拙い口付けを受ける。 今までずっと抱きたいと思っていた、あのシードが自分の腕の中で そして口付けをしてくれている。 夢のような事実。 だが… 「ぷっ!!!!」 シードは吹き出すと、するりとクルガンの腕を抜け大笑いし出した。 「あはははは!!!やーーーっぱ気色わりぃな!!野郎同士で 何やってんだろ俺達! 実験台、さんきゅー! こんなキスだけで 抵抗あるってわかったから潔く刀はあきらめるわ。」 呆然と立ち尽くして、シードを見ているクルガンに向かってシード は手を上げると 「じゃあな!!」 白い歯がキラリと輝く。 さわやかに立ち去って行くシードであった。 ―――――こんな筈では…。き・・・気色悪いだと・・・? 重い足取りでクルガンが路地から出ようとすると、どこから見てい たのか、噴水のかなり手前でバーンが腹を抱えて笑っている。 がっくりと首をうなだれて帰るクルガンに、頭上を飛んでいたカラ スの糞がポタッと銀髪の上に落ちた。

−おわり−

02.01.09.
.
.
.
koh mirimo
.
.
.
.
.






うわーーん、ごめんなさいっ!!私、クルガン大大好きなんですよ。
本当ですーーーっ!








koh mirimo
.
.
.
SS Index