ポケットモンスターSIGN episode1
休息
タマムシシティの外れにポツンと立つビル。
エイジの所属する”ある機関”の広域捜査課が分室として使っている一室だ。
ここにいる職員には二通りの種類がある。
一つはデスクを与えられ毎朝ここに通ってくる者、もう一つは特殊任務を帯びて活動し、用があるときにしか立ち寄らないもの。
エイジはもちろん後者だ。
「ふぁあああ・・・眠」
その部屋にボーイスカウトのエイジが来た。
「ご苦労さん。昨日の覚せい剤取締法違反の容疑で捕らえた男・・・すごい収穫だったよ。」
奥のデスクでパソコンと向かい合っていた40代前後の黒スーツの男が呼びかける。
彼はエイジの上司。一応ここカントー西部での地位は上の方にある。ちょこっと生えたヒゲが印象の優しいオジサンと言ったイメージがある
エイジのよき理解者、保護者のような存在だ。
「勿論ッスよ!!なんたって俺が半ヶ月寝ないで追ったルートッスからねぇ・・・」
ピッっとデスクのPCモニタに昨日の事件の詳細が表示された。
「リゼルギン酸、メスカリン、サイロシビン・・・いずれも2トンは押収されている」
「へぇ・・・」
「それと興味深い事なんだが・・・君が昨日ぶちのめした男。死んだよ」
「ふぇ?」
あまりに唐突過ぎたので返事が間抜けになった。
「それがねぇ・・・警察に引き渡す前の簡単な取り調べなんだがね、その時に突然死んだそうだ。不思議だねぇ。それともう一つ・・・もう一人いたらしい。」
「誰が?」
「昨日君が入ったサントアンヌ号のあの部屋だよ。君と今朝死んだ男の他にもう一人。今朝死んだ男の仲間なんだろうが・・・まぁ未確認情報だがね」
「はぁ・・・」
恐らくはゴーリキー戦の時に抜け出したのだろう。とエイジは思った。
「ま、この件はあとは上にまかせて私らは引き上げよう。改造ゴーリキーの死体も解剖中だ。結果が出しだい報告しよう。次の仕事もがんばってくれよ」
エイジは次の任務の資料を受け取けとるとそのビルを出ていった。
タマムシデパート屋上。
自販機にコインをいれてコーヒーのボタンを押す。
紙コップにコーヒーが注がれていくのをじっと見ている。ウィーンと取り出し口が開いた。
紙コップを取ると、売店で新聞を購入し、近くのベンチに腰をかける。
新聞の見出しはこうだ。
『改造ポケモン。レベル500のベロリンガ通行人を襲撃。死者3名、重傷者30名』
「改造ポケモンねぇ・・・」
コーヒーを口に注いだ。
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