ポケットモンスターSIGN episode1
告白
「今回のギャラドス、出所はネオ・アルカディアだ。」
「ネオ・アルカディア・・・」
ネオ・アルカディアは”裏”でもトップの規模を持つ組織である。
近頃では改造技術を手に入れたとかでかなりの戦力をもっている。それはポケモンに限られたことではない。
ミサイルや戦車等といった軍事兵力も入る。
「この前の大量の麻薬もネオ・アルカディアの資金源だとすると・・・」
「何かおっぱじめる気だな。やっこさんは。」
こちら側もネオ・アルカディアには手を焼いている。
端末を幾つかつぶした程度で、その全貌すら明らかにされていない。
その巨大さは政界にも根回しがされており、イージスと言えどうかつに動けないのが現状だ。
「アイちゃんが狙われてるのなら、随分前から行動してなかったはず。奴らの狙いは不明だね。」
「でも今回のは確実にアイが狙われていた
「詳しい事は本部だな」
またか。とエイジは思った。
分室を出るとアイを連れてタマムシデパートのあった所に立った。すでに立ち入り禁止のテープが張られていた。
「好きだったんだよなー屋上。眺めとかよかったし、」
空を・・・元々タマムシデパートが建っていた所を見ながらエイジが言う。
「あそこにいるとさ。自分がちっぽけな存在だなーって思ってさ。悩みとかふっとんじまうんだよ。ヘヘ・・・よくある話だな」
エイジがアイを見る。
「本部、本部ってさ・・・・全部肝心な事は上の人しか知らされないんだよ。世間にもさ。たぶん所長も仕方なくやってるってのはわかるけどさ・・・」
アイがエイジの手を握った。
「?」
「私の事話します。私の事・・・本部さんも知らない事」
それは一人の研究者その娘の話でした。
研究者は動物のコピーや改造を作る研究をしてました。
ところがある日、研究者の娘は交通自己で死んでしまいました。
研究者は嘆きました。
そしてある事を閃いたのです。
それは、今研究者が研究している生き物のコピーを作る事でした。
そうです。研究者は死んだ娘のコピーを作ろうとしたのです。
しかし、人間の生命力は弱く、生きても特殊な溶液でしか生きていく事はできなかったのでした。
それに溶液で生きていけると言ってもそれは長くて1週間が限界でした。
コピーを一杯つくっても1週間しか生きていけない。
研究者は困りました。
そしてまたある事を閃いたのです。
今研究している生命力の強いポケモンの遺伝子と、その女の子のコピーを合体させようとしたのです。
それはミュウツーでした。
ミュウツーは強いポケモンミュウから直接作り出された強い強いポケモンです。
苦労して作り出した、この世にまだ一匹しかいないミュウツーでしたが、研究者は娘が蘇るならとためらいも無く使いました。
女の子は溶液の中で順調に育ちました。
そしてある日…
「そうか・・・お前はオリジナルミュウツーとアイの合成人間か・・・っていうかお前がオリジナルミュウツーそのものなのか?」
「そうとも言えるしそうじゃないとも言えます。」
タマムシの外れの森で二人は寝そべっている。
「あのあと、遺伝子のパターンを記憶したデータでパパの部下達はミュウツーを作ったのですが、
全部当時のミュウツーよりは劣っていました。」
「データを書き換えたんだな。」
「はい。こんな危険な力なら・・・・・・データを書き換えた後私自身も研究所の地下に隠れていたんです。」
アイはそのまま黙り込んだ。
「お前も結豪苦労してんだな。孤独だったろ・・・寂しかったろ・・・あんな狭い部屋で、薬で栄養摂取して・・・」
アイは無表情ままだ。
「ってかさ」
エイジがガバッっと起き上がる。
「ぶっちゃけ、お前ポケモン?」
「そうとも言えるしそうじゃないとも言えます。」
「あっそ・・・便利な言葉だなおい」
「すいません」
アイも起き上がった。
「でも・・・これであなたは私の事知ることができました」
「・・・・そうだな」
初めて・・・少しだがアイが笑った。
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