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ラメが混じった桜色のペンで 切手のいらない手紙を描くの だって 小さな秘密にしておくんだから + 恋に唄う手紙 + −− a Letter of Love Song −− by.林檎屋ヤミトさま 誰も知らない空中庭園に 目に見えない手紙を一通 「上ばっか見て歩くとコケんぞー」 こーすけ君は あたしの髪を くしゃりとふざけながら 撫でて笑った 上ばっかり向いていたあたしは それで視線をやっと前と足下に戻した 「あたしは転んだりしないよ!」 頭の後ろの方を軽く押さえて 3歩前にいるこーすけ君に そぅ言った あたし達と ライトブルーの空の間にあるのは 淡い桃色に染まった 満開の桜の花 「そりゃどーだろな」 こーすけ君は 悪戯っぽく笑ってみせた だから あたしは頬を膨らませて 怒った素振りをわざと見せたの レモン色のレースのリボン 瞳に映るライトブルーの空 赤と白のビーズのブレスレット 「そうやって 意地悪なことばっかり言う!」 別にその意地悪とかいうヤツに 泣かされたことはないけど ポケットに手を突っ込みながら 目の前で笑う仕草が たまに 悔しくてたまらなくなる時がある 「意地悪なのはどっちだ」 あたしに聞こえるように わざと漏らした 意味不明瞭なひとつの返事 「どーゆー意味?」 あたしが首を傾げてそぅ訊くと こーすけ君は浅い溜め息 「お前は転ぶと泣きそうな顔するだろが」 「痛いんだから仕方ないの!」 女の子なんだから痛いと涙は出るものなんだし それは不可抗力っていうものだから どう考えても仕方ないことで。 「お嬢様じゃあるまいし」 こーすけ君がそぅ呟いたと ほぼ同時に 仄かな体温を帯びた風が吹いて 薄桃色の花びらが舞った オレンジの日の光に染まるアスファルト 空色の水玉をしたストラップ 左手の薬指に欠けた パールのマニキュア 「あたしそんなんじゃないもん!」 なんだかその言葉が 小さな悪口なように聞こえて まるで あたしがワガママだと 言われたような気がして仕方なかった だからほんのちょっとだけ腹が立った 「あたし こーすけ君の人形じゃないんだからっ」 たとえ転んでも あたしは 痛くて泣きそうな顔をするだけであって 助けてちょうだい、なーんて言葉 一言も言ったことはないのにね 「そりゃぁ悪かったな」 だけど こーすけ君は頼んでもないのに駆け寄って ちょっと笑いながら手を差し出すんだよ 人形じゃないんだから 一人でも立ち上がれるのにね 「だから一人で平気だもん」 くるりと方向転換をして見せると あたしは頬を膨らませたまま 一人で歩き出した 雪色のウサギのリュック ラメの混じった桜色のペン 鏡には映らない透明な手紙 こういう時に限って 神様は こーすけ君と同じぐらい意地が悪い あたしがつまづいて転ぶように アスファルトの道に 少し段差を作るだなんてね ―・・・べしゃん。 そぅ音を立てて あたしは神様の企み通りに転ばされた 顔は守ったけど 膝がだんだん痛み出す 「・・・うう〜〜〜っ」 目薬がないと 乾きっぱなしだったはずの瞳から 自然と 涙が条件反射で 溢れ出しそうになった 「・・・言わんこっちゃねぇな」 目の前で散ったばかりの桜の花びらが アスファルトに舞い降りた それと同時に 灰色の影があたしを隠した 「−・・・ほらよ お嬢様」 そぅ言って笑いながら差し出された手 これじゃあ 今までと 何一つ変わってないから 「お嬢様なんかじゃないもんね」 差し出されたその手だけは 頼るまいと心で思った だから あたしはそぅ言って上体を起こして なんとかアスファルトに座り込んだ 「お前なぁ・・・」 空気しか掴めなくなった その手は引っ込められて 代わりにそんな気の抜けた言葉と 溜め息があたしには聞こえた 「それじゃあ お嬢様通り越して お姫様だ」 こーすけ君に言わせてみれば どうやら それこそ 生意気を通りこして ワガママだっていうことみたい 「・・・王子に恵まれてない 可哀想なお姫様だね」 こんな人に意地悪されて、と あたしはぷいっと 横を向いてそう言った すると こーすけ君は顔を近づけて こう一言 「んなこと言ってると お姫様抱っこするぞ?」 ビーズを繋ぎ合わせて指輪を作るように 言葉と言葉を繋いで手紙を書いた 誰にも見せない場所に埋めて隠して あたしだけの小さな秘密にしたの 遊び半分で言ったこーすけ君のそんな言葉は 満開の桜が綺麗なこの並木道では なんだかちょっと格好悪く思えた 「変なこと言い出すね」 「だって 立てないんだろう?」 「たっ・・・立てるもん!」 だけど その時のあたしは膝の痛みと 溢れだしそうな涙を押さえるのに必死で 涙混じりの声でそぅ答えるのがやっとだった 「・・・嫌ならこれで我慢しろよな」 そんな あたしの目の前に そぅ言って差し出されたのは さっき右手 素直に使えば可愛い言葉 使うことが出来ないから 誰にも言わない秘密にした 「こーすけ君じゃ 王子様になれないもんね」 別に王子様を待ってるワケじゃないし あたしはお姫様でもないんだから 「・・・お前もお姫様じゃねぇな」 意地悪しかできないこの手で 仕方なく 許してあげようと思った 「お姫様っつうのは もっと可愛いもんな」 ・・・いつか 可愛いと言わせてやろうと思った 桜の花びらが舞う青い空に 紅茶と砂糖のように 溶かしてしまったのは 恋に唄う秘密の手紙
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かおりが勝手に送りつけてしまったスパイラル小説のお返しとして、
林檎屋ヤミトさまからもらってしまいましたぁぁぁ☆
初スパイラル頂き物です〜vvvvv
こぉりおですよ、こぉりおッッ!!!
しかもこの乙女ちっくさ、ヤバイですねぇ、えへ。(怪)

> ・・・いつか 可愛いと言わせてやろうと思った

リオちゃんっ、それ以上可愛くなっちゃったらどぉするのッ、世間の日本男児が黙ってないわょッッ(爆)
しかしまたそんなコトをおっしゃるリオちゃんが目に浮かびます〜vvv
それに、言葉がすっごく綺麗すぎて尊敬です。
似たようなリズムの中でもちゃんと展開があって、唄や詩みたいにすーっとカラダの中に入ってくみたいな。
それに、色とかすっごいキレイなんですよぉ。
そこにカンドーしてかおりも色を変えてみたのですが・・・・・・ねぇ?
所詮かおりは其の程度の女です。(爆)
こーすけもこーすけでツボツボなこと言っちゃってるしぃ。
なんでまぁこんなキレイカワイイ小説がお書きになれるのやらvv
ホント羨ますぃ〜限りでありますよ。
でわでわヤミトさん、ありがとうございましたぁ☆







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