flower
―――花ガ咲イタ……… そう思った、初めてカノジョを見たときから。 ―――花ガ咲イタ……… 冗談にもならないくらいのクサい台詞。 ―――花ガ咲イタ……… 別に笑っていたわけじゃないけど。 アレは絶対花だと思った。 たとえば思うんだけど、もしも僕の両眼が健在していたら、僕はカノジョを見つけられなかったんだろうか。 もしも僕があの邪神に底知れない恨みを持っていなかったら、僕はカノジョを見つけられなかったんだろうか。 多分すべては偶然。 運命なんて重たいカバーをめくればもう、それはコインの世界。 裏が出るか表が出るか、そんなの偶然。 片眼を失うかそうでないか、そんなの偶然。 あの邪神を恨むかそうでないか、そんなの偶然。 生きてるかそうでないか、そんなの偶然。 カノジョを見つけるかそうでないか、そんなの………… 「和実くんv」 キミがそう笑って手を振るから。 ―――花ガ咲イタ……… 偶然じゃなくなった。 すべての偶然は、キミを見つけるためだけの必然へと変わったんだ。 「ピクニック行こうよ」 ―――花ガ咲イタ……… 僕は 生きてるから 必然的に キミを見つけた。 また言っちゃった、冗談にもならないくらいのクサイ台詞。 その甘い色した髪を撫でながら、いつか全部キミの耳元で囁いてあげる。