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by.菊理媛サマ |
「――――・・・誰?」 「余か?余の名はウトガルト」 「ウトガルト・・・・さん?」 「そうじゃ。汝、名はなんと申す?」 「・・・・レイヤです」 「レイヤ?レイヤと申すのか?」 「・・・・・はい」 『ある訪問客』 「そうか、汝がレイヤか」 “レイヤ”という名は聞いたことがある。 確か、誰かが女神・フレイヤの生まれ変わりだと言っていた。 「しかし・・・・」 ウトガルトはレイヤをまじまじと見た。 小さく、どこかおどおどした雰囲気。 大きくて真っ黒な瞳と、同じく真っ黒な髪の毛。 これが、あの気高く有名な、女神・フレイヤ―――――? 「あ、あのぅ・・・・・・・」 「まぁ良い。汝、そこに座れ」 「え?座れってどこに・・・・・・・きゃぁっ」 レイヤの目の前に、奇妙な音と共にイスが現れた。 「・・・・・・・・・・」 「なんじゃ?これしきのことで驚いとるのか?」 ウトガルトは大きく見開いた目を見つめながら、欺くように笑う。 とドアが静かに、しかし威圧的に開いた。 「ウトガルト様、あまりフレイヤ様で遊ばない方が賢明ですよ」 「ウルド・・・・・。そうか、この子はお前が・・・・」 ウルドは自分をじっと見つめるレイヤの肩を抱き、顔を近づけた。 「ええ。退屈だとおっしゃってましたから」 「別にあの時の子供でも良かったのだが」 「あいにくロキ様は現在、お取り込み中だったので。・・・・・別にこの子じゃいけない理由も、 ございませんでしょう?」 「・・・・・・・・・・お主」 ウルドは過去を司る女神。 あの時の出来事を知っていても、なんら不思議ではない。 あの日、ウトガルトは女を助けた。 「お主の力なら、あんな男共簡単に蹴散らせたのでは?フレイヤ神」 「こんな巨人の国のど真ん中で、攻撃魔法使えっていうの!?」 助けられておいて。 ウトガルトはわざとポン、と両手を打った。 「おお、男好きだからか」 「ちっが――――うっ!!」 ウトガルトはあはははと笑い、「でもなかなかの二枚目だったな?」とからかうように言った。 「二枚目でもなんでも嫌よっ!好きでもない男に抱かれるなんて考えただけでも身の毛がおだつわ」 「・・・・意外と誠実」 「何っ!?何か言った!?」 「・・・・・・・・別に」 フンっと息を荒がせ、フレイヤは後ろを向く。 「帰るわ。・・・・・多分もう二度と、あなたに会うことはないでしょうけど」 ウトガルトはビックリしたが、やがてくっくと笑い始めた。 「それは残念。ではせめて、最後に見送りをさせてはくれぬか?」 「あなたに下心がないなら、いいわ」 「・・・・・・・・お主、結構な自信屋だのう」 「あら、ないの?」 「ないと言えば、嘘になるがな」 「・・・・・・・どっちよ」 フレイヤ神は苦笑した。 ――――――――――― 「で、なんでお主もここに・・・・・・」 ウトガルトの目の前には、表情一つ変えずにばば抜きをしている、ウルドの姿。 そして横には小さな少女。 「なんでって・・・・・。ばば抜きは大勢でした方がおもしろいでしょう?」 「それはそうだが・・・・・・」 チラ、とレイヤを盗み見る。 「フレイヤ様を襲われては困りますから」 「なっ・・・・・・!!!」 「ほら、ウトガルト様の番ですよ」 ウトガルトがいやいやウルドのカードに手をかけた時である。 「レイヤ――――止めます」 「・・・・・っ!?」 いきなりのことだった。 「そうですか――――。ではレイヤさん。一緒に庭に行きますか?今ちょうど色々な花が見れる はずですから」 「ありがとうございます。でもレイヤ、道が分かるからいいです。一人で行ってきます」 そう言い残すと、レイヤは走ってドアへと向かった。 「・・・・・・・・・?」 「ウトガルト様。気づいてましたか?」 「・・・・・・・・・何をじゃ?」 「レイヤさん、ずっと話してなかったんですよ」 「・・・・・・・・!!」 ばんっ! ウトガルトは乱暴にドアを開け、庭へと走った。 『お主、どうしてここに?』 余の問いに、あやつはこう答えた。 『あなた、一緒にいて楽しいから来たの。それだけ』 それから笑って、話して、最後に――――― 『愛してる』 そう口づけたハズだったのに。 「・・・・っ!?ウトガルトさん?」 自分のこの性格が、時々むしょうに腹立たしい。 『ねぇ、今日も遊べないのー?』 『最近治安が乱れてな』 『あら、王サマしてるじゃない』 笑って、からかう姿があまりにも普通で。 余はこれでいいと思ってた。 そんな余を、あやつはどう見てたのか。 気づいてそうで、気づいてやれなかった。気づけなかったのか。 あやつはそんな余から、次第に離れて行ってしまった―――――。 「あ、あの大丈夫ですか?」 下を向いてハァハァと息切れしてるウトガルトを見て、レイヤは心配そうに尋ねた。 「あ、ああ・・・・・・。ありがとう」 お礼を言った後、ウトガルトはふと気づく。 ――――こやつには、好きなヤツがおるのだろうか――― 「の、のぅレイヤ。お主、好きな――――い、いや好きというかその・・・」 なるべく平静に。自然に聞こう。 そう思って聞こうとすればするほど、ウトガルトの言葉は詰まり、顔は朱をおびてくる。 「好意を寄せてる男性はおらんのか?」 「えっ・・・・!?」 レイヤが言葉につまったことにより、ウトガルトの顔色は一気に朱から赤に変わっていく。 レイヤの顔もまた、赤く染まった。 「あ、え・・っとその・・・・・・」 「・・・・・・・・・い、いや良いっ!そんなことは見ず知らずの人が聞くものではない!」 あまりのレイヤの顔の赤さ(人のことは言えないが)に、 ウトガルトはなんてバカなことをしてしまったんだ、と自分を叱咤する。 居心地の悪い沈黙が、二人の間に流れた。 「・・・・・・・ウトガルトさんは」 「・・・・・・っ!!な、なんじゃ?」 ――――心臓が飛び出るかと思った。 レイヤはウトガルトをじっと見て、尋ねた。 「もししなければならないことが二つある時。物事をAとBに置きかえると考えて、 AとB、どちらを優先しますか?」 「・・・・・・・・」 この答えは本気で答えていいものか。 ウトガルトは悩んだ。 しかし自分をじっと見る少女の瞳は真剣そのもので、ウトガルトは一瞬、 躊躇したように目を伏せた。 「・・・・・・・AとBの重大さによるのう」 今なら、分かるような気がする。 『あら、王サマしてるじゃない』 あの時あやつは諦めておったのだろうか。 余の選択を――――――。 「レイヤの好きな人は――――ウトガルトさんに、似てます」 「・・・・・どうしてそう思う?」 「・・・・・その人も言ったんです。『AとBの重大さによるかな』って」 少女の思い出し笑いは、ものすごく幸せそうだった。 ウトガルトはそれに不屈を感じ、ちょっとふくれてしまった。 「余と似てるヤツなら、将来きっといい男になるかろーて」 「・・・・っ!?」 ウトガルトの自信たっぷりの言い方に、思わずレイヤは吹き出した。 「そうですね・・・・ウトガルトさんに似てますから」 そのままレイヤとウトガルトは、別れの時間が来るまでお互い笑い合っていた。 〜 おまけ(人間界にて)〜 「ウトガルトさん、またウルドっていうお姉さんが怒りに来るですよ・・・?」 「なんじゃレイヤは余にここにおって欲しくないのか?」 「えっ!?い、いえ別にそういう訳じゃ・・・・」 「じゃぁよかろーて。のぅレイヤ?」 「え、ちょっちょっとあの・・・・・・!」 バッシーン! 「ウトガルト様・・・・。やっぱりここにいらっしゃったんですね・・・」 「ウ、ウルド・・・・。今のハリセンはちょいと効いたぞ・・・」 「あなたがこの世界で犯罪に関わるようなことをしようとしたからですわ」 「は、犯罪・・・?スキンシップを取ることがこの世界では犯罪になるのか?」 「でわレイヤさん。お騒がせしました」 「お、おいウルド!余はまだレイヤと話したいことが・・・・!!」 遠くなっていくウトガルトを見てレイヤは呟いた。 「あ、危なかったです〜」 ***************作者サマのあとがき ******************* 4444hitを取って頂いたいながき様に捧げます。 ギ、ギリギリ表文・・・・? 最後のおまけとか、かなり楽しく愉快に書いておりました(笑) ウトガルトさん、スキンシップってどんなスキンシップですか(笑) でもいながきさんの趣味に合うかどうか・・・。 いえね、始めの方はシリアスで行こうと思ったんですよ。 でも、ちょっとした手違いで全部消えてしまって。 「これはもう法律に関わってしまうような文にしろという、神様のお告げだわっ!!」 と勝手に勘違いしてましたv てへっ ************************************************************************ 菊理姫サマの素敵サイト、「STORE」で4444をとっちゃってもらっちゃいました☆ れ、玲也ちゃんとフレイヤさま両方出演中???? 最高です。(断言) ってゆうかウトレイ!!!素敵ですねぇぇぇぇ!!!!!v 初めて、そりゃもう初めて読みましたよぉ☆ 貴方様はやはり最高のお方です。 玲也ちゃんとフレイヤさまは、やっぱどこかで繋がってるんですよね。 そこがなんかもう素敵すぎでv ウト様と会話してるフレイヤさまは本当に可愛いです☆ ふぁ〜vvやっぱかっこいいっすね、ウトガルトさま。。。 どーもどーもありがとうございましたvvvv