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by.菊理媛サマ |
嫌デス 怖いデス 追いかけて来ないでクダサイ――――――!! 「どうして逃げるの?」 「かっ和実さんはどうしてレイヤ追いかけるですか?」 「レイヤちゃんが逃げるから」 和実さんは、卑屈な笑みを浮かべて答えました。 レイヤは恐怖を感じました。 これがロキさまなら、迷いなくその腕に飛び込んだのにっ そう思いながら。 レイヤは知らず知らずの内、公園に着いてたです。 ロキさまと今日、一緒に遊んだ公園。 ロキさまが上った滑り台、一緒に見た噴水。 微笑みあったブランコ。 今それらは全て、私を隠そうとはしない、はがゆく憎むべきモノに見えました。 「来ないでくださいっ!!」 噴水の周りで右・左を行ったり来たりしてました。 でもその作業は逆に、逃げられなく、捕まりやすいものだと分かりました。 「・・・・・・・っ!!」 その時レイヤの目に、あるモノが映りました。 ――――― ジャングルジム? あの時、ロキさまと追いかけっこした時、一番長く逃げられたモノ。 レイヤは迷わず、そこへ向かって走り出しました。 一瞬、和実さんの手がレイヤの手に触れたのが分かりました。 が、噴水の円形の形のおかげで、レイヤは逃げのびることができました。 レイヤはジャングルジムの右を上り始めました。 和実さんはジャングルジムの左を上りました。 「さっきの噴水と同じだと思うけど?」 和実は苦笑する。 その苦笑は、まるでレイヤの同級生の男の子たちのようで。 レイヤの不安が少し薄らいだのに、レイヤは気づいた。 「・・・・・・・・・・」 「・・・・・・・・・・」 両者、一歩も引かない。 和実はただレイヤを捕まえたいだけ。 レイヤはただ和実から逃げたいだけ。 「ブッ!」 「????」 和実さんが突然、堪え切れなくなったように、笑い始めました。 「ど・・どうして笑うデスか?」 「だって・・・・・っ」 よく考えるとレイヤはその時、息を切らしながら、和実さんを凝視していたです。 きっと和実さんは、その顔を笑ったんでしょう。 「さぁーって」 「っ!?」 和実さんは掛け声と共に、上へ上り始めました。 「か、和実さん?」 「うっわ――っ!すっごくいい景色v」 「・・・・・?」 怪訝そうな顔をするレイヤを見つめる和実さんの顔は、 レイヤちゃんも上りなよ、とレイヤを誘っていました。 「レイヤちゃんも来たら?」 「・・・・いいデス」 「ほらっ!そう言わないで、さっ」 手を差し出した和実さんの顔はあまりにも幼すぎて。 レイヤは思わず上り始め、和実さんの手を受け取りました。 「・・・・・・・・・・・・・」 そこにあったのは、赤い夕焼け。 あか、だいだい、しゅいろ。 全ての色を混ぜたような、それでいて燃えるようで美しい夕日。 「―――――綺麗ですね」 「うん」 二人の間には、夕日以外何も入らなかった。 遠い犬の遠吠えも、どこかの学校のチャイムの音も。 笑ってすぎてく少年たちの声さえ、夕日の色に消されていた。 「・・・・・・・・・・・」 声も出ず絶句しているレイヤの顔を、和実は幸せそうに微笑み見つめる。 こんなにも簡単に、気持ちが変わってしまう二人。 その理由をあえて知ろうとしない少女。 その理由を知っていて伝えようとしない彼。 「・・・・・・夕日、沈んじゃいましたね」 微笑む少女の笑みは美しく、温かく少年の心に染みわたる。 それは彼の欲望を必要以上に掻き立てて―――――。 「ジャングルジムって、変だよね」 「え・・・?」 「怖いよ」 「・・・・・・?」 「なんでか知らないけど、怖いんだ」 和実さんはそのまま身を翻して、ジャングルジムを下りていました。 「和実さ・・・・っ」 レイヤはすぐその後を追うように、下りました。 「ねぇレイヤちゃん」 「はい?」 ゆっくりと、和実さんが振りかえりました。 その表情は優しく、傷ついたような顔。 それでもその瞳は温かく自分を見つめ、レイヤは困惑した。 「あ、あの・・・・・・」 「いいよ、忘れて」 「え?」 「忘れていいから―――――」 そう言って和実さんは私の目を覆うように、片手を重ねました。 気が付くと、レイヤは公園のベンチで寝ていました。 どうしてここにいるのか。 どうして辺りはもう暗くなったか。 そんなこと、レイヤは思わなかった。 和実と一緒に、何かを見た――――――。 何を見たのか? 何かとても大切なものを見たような気がするのに。 思い出そうとすると、頭が割れるように痛んだ。 立ちあがろうとした瞬間、レイヤは無意識の内に握っていたジャンパーに気づいた。 「これ、和実さんの・・・・・・・」 途端、レイヤは胸騒ぎを覚えた。 和実の瞳。 そして赤色。 笑い声。 そして・・・・・・・。 ジャングルジム。 それらの断片は、少女に軽い胸騒ぎと、ときめきを抱かせる。 あの時振りかえった和実の瞳。 それは必死でレイヤに、何かを伝えようとしていた。 それは、何? 振りかえった?いつ? レイヤの頭痛はひどくなる。 ガンっと何かに殴られたような、眩暈を感じる頭痛。 瞳。和実の瞳だ。 どうしていつも片目、隠してるんデスか? レイヤがそう聞いたとき、和実さんはただ黙っていました。 ―――――バチが当たったんだよね。 長い沈黙のあと、和実さんは言いました。 そしてレイヤをずっと見つめ、また言いました。 ―――――――レイヤちゃん以外の人を見た、僕の罰だよ。 その言葉が何を意味するのか、レイヤは少し。ほんの少し。上べだけでも。 分かりました。 ずっと想っててください。 ずっと、レイヤだけを想っててください。 他の人を見る瞳なら、もう要りません。 そんな瞳、捨ててしまってください。 ――――いつかロキさまが あなたに、したように。 そこまで、レイヤを愛してください。 『私があなたを愛したように。ね』 そこまで思って、レイヤはふと我に返る。 ロキさまが、何したデスか? レイヤはいつ、和実さんをずっと、一人で愛していましたか? 「・・・・・・分からないコトばかりです」 「明日、ロキさまに聞いてみるデス」 “ あのジャングルジムの上で ” レイヤはそう呟くと、フフっと微笑み、家路へと急いだ。 *************** あとがき ******************* いながきさんから貰ったお見舞い品の、お返しですv ウィルスかかってなかったようなので(笑) 心配、ありがとうございますっ。 これ、和実だけじゃなくて、実はフレイヤも鬼畜入ってるんですよね。 分かりづらいですけど(^^;) いながきさんから頂いたモノがかなり深いモノだったので、 そのお返しはやっぱり深いモノを・・・・って全然深くねぇよって感じですねι そして私。 何でヘム玲だとすぐ出来あがるんだよっ!? それではいながきさん、心配ありがとうございましたっ。 ************************************************************************ 菊理媛サマにど迷惑な「お見舞い品」を差し上げると、 なんだか凄まじく素敵なヘム玲を頂いちゃいました〜っっっっっ!!! 恐怖も喜びも、罪の意識さえもこの二人だと純粋になっちゃうんですよね。 多分、玲也ちゃんの子どもとしてのそれだけのせいじゃないと思います。 ヘムはきっと、ある意味誰よりも純粋なんじゃないでしょうか。 罰・・・・・・。 重い響きですね。 そこがちょっと萌え。(笑) そして微妙に出てくるフレイヤさま、ちょっぴり女王様風味??(固羅) ヘムのあーゆー気持ちに気付かない玲也ちゃんがもどかすぃ〜っ! ・・・・・・あ、でもあんまり気付いてはほしくないよなぁ。(笑) というわけで、ありがとうございました〜vvv