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by.葉月ゆらサマ |
その行動を起こしたのは、ただ奪われたくなかったから。 それくらい、彼女のことが大事だったから・・・・・・・・・・・・ 消える鼓動 その日、闇野クンにつきあって買物に出かけた。 街を歩いていると、偶然ヘイムダルと会った。 「やぁロキ。偶然だね。」 コイツのことを知らない人が見れば、これ以上ないほど人のいい笑みで言う。 でも、僕にとっては悪魔の笑み・・・・・・。 「・・・・・・・これ以上ないってくらい、嫌な偶然だけどね。」 心からの気持ちを込めてそう言っても、コイツは別に気にしていないようだ。 「相変わらず冷たいね〜、ロキは・・・・ま、別にかまわないけど。」 「じゃあな。」 僕は関わりたくなくてすぐにその場を立ち去ろうとした。 すると、すれ違いざまに僕にしか聞こえないほどの小さな声でヘイムダルが話しかける。 「まゆらちゃんより、大島レイヤの方が大事だとは計算外だったよ。 ・・・折角だから、もう一度利用してあげる。」 「な・・・っ!?」 クスっと、独特な笑みを浮かべてヘイムダルは立ち去る。 後には、嫌な予感だけが残っていた・・・・・・・・・・。 * * * * 「ヘイムダル・・・・あいつ、何考えてるんだ・・・・?」 ロキは寒気が走った。 僕の事を忘れさせるかもしれない。 憎んでいた頃の彼女に戻すかもしれない。 ・・嫌だ。そんなこと、耐えられるわけがない。 「・・・・・あいつが何かする前に・・・・・。」 僕が、決して手を出せないようにしてやる。 ヘイムダルなんかに奪われてたまるもんか。 *** 「ロキ様、いるですか・・・?」 「いるよ、ここに。・・・ね、玲也。ちょっとここに来てくれる?」 レイヤは今燕雀探偵社に来ていた。ロキに呼ばれたのだ。 けれど、いつもより家が薄暗く、人の気配がしなかった。 そのためレイヤは不安になっていたが、ロキはいつも通り、 むしろいつもよりもずっと穏やかに微笑んでいた。 「?なんですか?」 「うん。玲也にプレゼントがあったんだ。目、つぶって?」 「は、ハイです!」 ロキが自分にプレゼントをくれる。嬉しい。喜んで目をつぶる玲也。 一体、何をくれるんでしょうか・・? しかし、玲也の喜びを打ち消すように、音が響いた。 ドンッッ・・・・・!! ・・・・・・え? 「ロキ様・・・・・・・?」 「大丈夫だよ、レイヤ。・・・・・僕もすぐ行くから。」 話しかけた彼女は、ものすごく苦しそうで。 でも、綺麗だった。 「ど・・・・して?」 「・・・・・奪われたく、なかったからさ。」 真っ赤な鮮血が僕の足元を埋め尽くしていた。 ・・・・・彼女の体から流れ出る、真っ赤な血。 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」 彼女はついに何も言わなくなった。否、言えなくなった。 「今、僕も行くよ・・・・・・・。」 そういって、おもむろに持っていたナイフで自分の胸を刺す。 「・・・・・・・・っく・・・・・・・。」 すさまじい痛みが僕を襲う。 けれど、その痛みすら感じなくなっていく。 「・・・・・・・・ごめんね、レイヤ・・・・・・。」 こんな方法しかとれなくって。 君が僕の前から姿を消すなんて耐えられなかったから。 だから、僕は・・・・・・・・ 「二人とも死ねば、もう誰にも邪魔されないよね・・・・・?」 彼女を殺して、僕も死ねば。そうすれば、もう誰にも邪魔されない。ヘイムダルも手を出せない。 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」 言葉を口にする力すら抜けていく。 もう何一つ感じなくなっていた。ただ漠然と感じるのは。 彼女と一つに溶け込んでいくような、不思議な感覚。 ・・・・・・ああ。僕達一つになれたんだ・・・・・・・。 薄れていく意識の中、そんなことを考える。 これを見たら、闇野クンはどう思うかなんて考えて、そこで僕の鼓動は消えた。 ---------後に残ったのは、二人の小さな死体と、床一面に広がった、真っ赤な血の海。---------- ************************************************************************ きゃぁぁぁぁぁ!!! ダぁクダぁクです〜vvvvv >話しかけた彼女は、ものすごく苦しそうで。 >でも、綺麗だった。 ここ、あたし的にすごくスキv 玲也ちゃんはロキのナイフ(ですよね?)で、指で、瞳で作り上げた、最後の芸術。 体温を失っていくその小さな命の塊は、どれだけ美しかったんでしょう? そしてロキの意識も消えていく直前。 一つになれたっていうところが、すごく切なくて、それでも幸せが伝わってきました。 さすがゆらさん♪ダークもお上手っv でわ、本当にありがとうございました〜☆