【蒼穹の空】 by.寅さんサマ 神界、と言うのは意外に鬱陶しい建築物に囲まれた世界だ。 自然世界を見つけようと散策すれば、遠い道になる。 (腐ってもヘイムダルの所なんか行かないし) ヘイムダルが番する門の半径、見積もって十キロは未開の自然に囲まれている。 ふ、とロキは眉に皺を寄せた。 思い出したくない言葉を、思い出してしまった。 ―……あのね、ロキ ヘイムダルが守ってる門の傍は自然がたくさんあるの どうして知っているのか、聞けなかった。 聞くまでも無かったからかも知れない。 ―……耐えられナイよ…… 喪失って分かった。 己がどれだけ甘えていたのか。 簡単に外へと出ていられた理由さえ。 喪失ってから気付いた。 「ロキ?」 「んあ……?あ、フレイヤ」 「何暢気に……ってワケ無いわよね」 結局選んだのはフレイヤの神殿に程近い野原。 普段なら派手に着飾るフレイヤも、今日は大人しい。 それでも眼を弾きつける金糸の髪が、物憂げに風に揺れた。 「……で、どうしたの」 フレイヤは主語無しに問う。ロキは相槌を避けた。 代わりに静かな溜息を一つつく。 「どうしてだろうね」 ロキは、呟いた。 隣に腰を下ろしたフレイヤの胸に縋りついた。 布越しに、生温かな水が染みるのを感じた。 「何で分からなかったのかな」 「……」 フレイヤは黙ってロキの髪を撫でた。 答えられるわけが無かった。 ロキが犯人であるなら、フレイヤは共犯者だった。 「あたしだって、知りたいわ」 毅然と言った筈の声が僅かに震えていて、フレイヤは自嘲気味に喉を鳴らした。 ああ、どうして。 愛しいヒトをその胸に抱いて、尚。 彼と己との心の距離を覚えた。 今、彼の心を支配しているのは、自分ではない。 ああ、どうして。 「喪失ってからじゃ遅過ぎる……!」 悲鳴だった。小さ過ぎる、彼なりの悲しみだった。 それが分かるのは多分、今はフレイヤだけ。 フレイヤは他の神よりほんの少しだけ、心が見える。 ほんの少しだけ、相手の思いを感じ取れる。 失いたくなかった どうしてあんなに蔑ろにしていたんだろう 君を独占したのは、僕だったのに 「…………ずるいわね」 誰に言うでもなく、フレイヤは瞼を伏せた。 羨ましいと思うことは出来ない。 彼がこれだけ後悔したのは、喪失ったからだ。 彼女だって、己が傍に居るその時その思いを知りたかっただろう。 「死を選ぶくらいなら、相手を変えなさいよ」 それが出来ないヒトだったことも、重々承知だった。 彼女は、アースガルドの神としてはあまりも透明すぎた。 ただ。 そんな彼女にとって救いだったのは。 「何でヘイムダルが彼女の最期を看取ったんだろ……」 死を選んだ彼女の死を、見取ったのはヘイムダルだった。 川に身投げするとは劇的だったと、ヘイムダルは淡々とロキに言った。 殴ってやろうかと、思った。 けれど、それもすぐに消えた。 淡々と、感情も無く話すヘイムダルの表情は昏く、眼の縁は真っ赤だった。 衝撃を受けたのは彼も同じだったのだろう。 『回復しないで』 そう言われた彼の心は如何なるものだったのだろう。 「フレイヤ」 「ん?」 普段なら腹立たしいまでに飄々としたロキの弱り姿。 もう見たくは無かった。 「暫く君んち居座っても良いかな」 「……」 伏せたままのロキの顔。きっと涙で濡れた眼。 フレイヤにとって腹立つ姿。 『甘えないで』 そう言おうかとも思ったが止めた。 ロキは、もう弱さを見せる相手が居ない。 巨人族の女でさえ、ロキの弱さを知らない。 彼女を抜けば、フレイヤしか知らない特権。 「良いわよ」 せめて心の悼みが和らぐように。 自分は傍に居てあげたい。 彼がそれを望むなら、そうしてあげようと思う。 「有り難う―……フレイヤ」 ロキの囁くような小さな声は、まだ震えていた。 その震えさえ、自分が奪いたい。 行く行くは、自分で彼の心を満たすのだ。 風がフレイヤの金糸を軽く嬲った。 ロキは瞑目し続けた。流れる涙は、潤いさえくれない。 震える瞼に心で叱咤して、願う。 どうか今日だけは 君という愛しいヒトに祈りを捧げる事を 赦して欲しい ロキはフレイヤに聞こえないように呟いた。 「 」 「空が蒼いわね」 フレイヤの声が、遠い。 ********************************** すみません。暗過ぎました。死にネタなんだか良く分かりません。 取り合えず嘆くロキを慰めるフレイヤが書きたかっただけです。 そしたら思いっきり主旨が変わってましたね……(泣)。 誰がロキの心を乱したかは大体想像つくかと思います。 因みに隠し文字じゃ御座いませんゆえ、頑張っても文字は浮かびません。 ついでに似た話をニ・三種書いてます。全部暗いんですが。 フレイヤさん主役。でも全て却下。暗い上に意味不明過ぎましたので。 それではこんな駄文を読んで下さった人に感謝しつつこの辺で。 ********************************************************************************** 神界ロキフレ(?)いただいちゃいましたぁvvv アップがヤバいぐらぃ遅れてしまって申し訳ないです・・・;;スミマセン。。。 ぃやはゃしかし、神界ってィィっすね〜〜といぅか、寅さんサマの書く神界がスキですvv こんなにイロイロ知っていらっしゃって「齧っただけ」だなんて・・・ ぢゃあかおりゎ分速三・五キロのスポーツカーに乗りながら流し見ただけって感じですねッ そぅいえばロキさまって未亡人なんですょね〜(何か違うだろ) 遊び人な雰囲気のわりに結構執着心とか独占欲とか強そぅですし、 ひょうひょうとしてるときとこういうときとのギャップがヤバイっすvvvv フレイヤさま、張り倒してやりたい気持ちを抑えて(ヲイ固羅) 優しく接してる様子がなんとも言えずに切なさが・・・・・ 最後のロキさまの言葉が気になりますネ〜〜 あったかいコトバだったら良いのですけど☆ でゎでゎ、どうもありがとうございましたぁぁぁ!!