★ロキv玲也☆


SURE−後編−
by.寅さんサマ




真っ暗な闇 ただ其処をひたすら走り続ける少女 ―・・泣いて、いるの? 暗闇の中キラキラと落ちていく雫 光を見せてあげたくて、あの時自分は受け入れた それで彼女が浮かばれるなら それなのに何故 何故、泣いているの? 答えは出たはずだよ 「・・・ん」 目覚めた時暖かくて、何故かホッとした。まゆらはそっと体を起こす。 周りには疲れて眠っている彼らの姿。 一番近い位置にいるのはロキ。パチパチと暖炉の薪が音を立てて燃え上がる。 何故か嬉しくなってロキの髪を撫でてみる。 時間は真夜中の2時を過ぎた頃。 不意に来る腹部からの鈍い、痛み。触れて思い出した夕方の悪夢。 「・・・・玲也ちゃん・・・」 一瞬の内の出来事でうまく思い出せない。 彼女は泣いていた気がする。早く見つけてあげないといけない。 今、孤独なのは彼女だ。 「玲也は今、ナルカミ君によって保護されてるよ」 「ロキ君・・」 いつの間にか目覚めたのか、ロキはだるそうな顔を向けたまま状況説明し始めた。 「まず。玲也は街の中を疾走。たまたま彼女を見かけた警察官が ご苦労にも血だらけだったのに気付き事情を聞こうとした。 そのタイミングの良い事にバイト帰りだったナルカミ君がひきとった。 で、今はナルカミ君の家で療養中」 其処までのことを一気に話し終わるとロキは眠そうに瞼を閉じた。 火の光だけが二人を照らす。 何も言えないまゆらの頬に手を添えてロキは耳元にそっと呟く。 「だから安心しなよ。まゆらはまゆらパパに心配をかけないよう 早く傷を治すことに専念して」 僕だって心配なんだから。 それは言わないけれど。 まゆらはにっこりと笑うと素直に眠りについた。 綺麗過ぎました。 きっと玲也があの人を殺そうとしたのはロキサマの為じゃありません。 ロキ様を奪われるという怖さからじゃありません。 玲也はきっと、まゆらさんがー・・・ 一日中眠れなかった。瞳は泣き過ぎた為に真っ赤に腫れ上がり痛みさえあった。 小さな窓から昇る朝日。自分はまだ、見る価値さえ無い朝日。 「ロキ様・・・」 不安なのは多分一緒だ。この先、彼は自分にどう接してくれるのだろうか。 罪を犯した自分を。 眠い。けれど寝てはいけない。先程の悪夢が甦って苦しくなるから。 「ねぇ玲也、どうして人は罪を罪と思わないのか、分かる?」 ロキはそんなことを前に聞いてきたことがる。 玲也は首を振った。罪は罪だと認識するものだとその時は思っていたから。 ロキは苦笑して答えを言ってくれた。 「それはね。犯した時は自己満足が働くからだよ。 それを罪と認めるのは犯罪を終わらせてからなんだ」 あの時の言葉を思い出す。そうか、そうだったのか、と。 「玲也は馬鹿です・・!玲也は人を殺そうとした時凄く幸せでした・・!!」 悲しみに染まった顔を見て、嬉しいと思っていた自分。 今更ながらその感情を怖いと思った。 静かに葛藤するココロ。瞳は只ひたすら朝日を見つづけて。 「おい!そんなに直視してると目がやられちまうぞ!」 「・・いいです。いっそこんな目なんか無くなってしまえば良いです」 ココロ、ここにあらず。 受け答えは出来ているのに、何処か虚ろ。怖すぎる程淡々としている。 陽が目に染み入り、真白になっていく。いっそ、無くなってしまえば良いのに。 嫉妬に明け暮れるこの瞳など。 それを遮らんとするかのようにカーテンがシャッと音を立てて光をぼかした。 「・・・何する、ですか。」 始めてその時玲也は鳴神を見た。その瞳は果てしなく険しい。 だが、鳴神も巨人を相手に戦ってきた身だ。それなりに眼光の鋭さには馴れがある。 ついと扉を顎で示し、ただ静かに言った。 「ロキの家に行くことになってんだ。お前と一緒に」 「・・・・・・分かった、です」 するりと、音も立てず玲也は鳴神の前を通り過ぎた。 その後を追うように鳴神もまた、その部屋を出た。・・・・鍵も掛けずに。 何処かで、自分を呼ぶ声が聞こえそうな気がした。 「和実君御免ね。昨日は行けなくて」 のほほん茶でもしているかのようにまったりとした空気が其処に漂っている。 実際、お茶はその手にあることはある。 「良いんだよまゆらちゃん。まゆらちゃんだって大変だったでしょ」 あえて昨日のことには触れず、和実君ことへイムダルは爽やかに微笑んだ。 昨日、ロキに一喝した彼だが、それはまゆらの事を思ったからこそ。彼女だったが故。 「和実君・・・やっぱり良い子」撫で撫で。頭を優しく撫でられヘイムダルは目を白黒させた。 けれど自然と悪い気はしなかった。くすぐったい気持ちになる。 朝日が照らすこの広く作られた応接間で昨日、あんな事が起きたとは誰も思えない。 「ロキ様、・・・・まゆらさんの傷が癒えたら・・・」 「もちろん記憶は消すよ。・・・あいつも言っていたしね」 少し離れた所で、親子会議は続く。 ソファ―で二人が仲良く話しているのをのんびりと見ている暇は、取り敢えず、無い。 その内来るあの少女の対処が、迅速に求められる。 ―ロキサマは、地震が起きたら玲也とまゆらさんどちらを助けるですか ロキは思わず苦笑してしまった。そう、あの時の言葉。 ・ ・・・まゆら・・? そう思っている自分がいて、それを誤魔化す自分がいて。なんと言う滑稽。 もし、あの時の事が原因ならば、責任は自分が取るべきだ。 「まゆらにまで被害が及ぶとはね・・・」 けれど、ロキは、知らない。玲也が何故、彼女を刺したか。 そして、まゆらも、知らない。玲也が何故、泣いていたのか。 答えは玲也しか、知らない。 伏せがちに瞳を開けて玲也は下を向いた。 目の前にいるのはロキ。 先程まゆらの声が微かに聞こえたが玲也は聞かなかった振りをした。 「玲也ちゃんと話をさせて!!」そう、声は言っていた。 まゆらの優しさ溢れる声が玲也の心を鋭く斬り付ける。凶器だ。今の玲也には、その優しささえも。 今その声に従えばまた、殺意が現れるかも知れない。 怖かった。また傷つけることが。 そして今目の前にいるロキもまた、玲也を静かに燃えるような瞳で見つめていた。 「・・・・玲也」 静かに口を開いてロキは彼女の返答を待っている。どうしてなのか。 ・・・判っているような、気もするのだが。 「ロキサマ・・・玲也は・・・」 彼女もまた、懺悔の場を求めていた。まゆらに等しい人に。 かつん、かつん、と闇野が廊下を歩いていく音が何処までも響いていく。 まだ、朝なのに、この寂しさはなんなのだろうか。 「玲也は勘違いしていたです。まゆらさんが消えれば玲也の位置はずっと 変わらないと。それは嘘です・・なのに」 ポタ・・・ポタ・・強く握っていた拳にぬるい雫が優しく叩き付けていく。 不快感が強烈に襲ってきた。 泣くなんてずるい。卑怯だ。でも、心は泣いていた。本当の悲しさに。 「っ玲也、もうしません!あんな怖い感情なんか、欲しく無いです!! どうしたら償えますか?どうしたら怖い感情をけせますか!?」 最初の内は自分に言い聞かせるように、最後はロキに縋るように、玲也は叫んだ。 顔を上げられない。上げたら最後、悲鳴のように泣き叫んでしまいそうで。 ロキはやはり静かに、淡々と言葉を発した。 「僕が出来ることは何でもしよう。でも、その感情は消えない。 一度芽生えた感情は中々消えないんだ」 分かるかい、と。優しい声で悟す。 コクリと首を一度だけ玲也は振った。分かって言っているのだから。 この醜い感情もまた、彼女が認識して初めて生まれるモノなのだから。 「玲也。僕のせいでこんな事になったのかい?」 光があまり射し込まない部屋なので二人とも相手の表情は窺い知る事は出来ない。 微かに苦悶の表情が浮かんだのはロキの気のせいか。 「そうです。玲也は思い違いをしていたです。 ・・・まゆらさんを刺した本当の理由を」 「え?」 「ロキ様、玲也ここに来た時分かったですよ。 ロキサマは玲也の記憶を壊すために呼んだです。・・・知っているですよ」 哀しげな顔で玲也は淡く微笑んだ。 知っていたんだ、と。 「玲也・・」 辛そうに呟くとロキはその手のひらを玲也の額に当てた。 「ロキサマ・・・」 玲也が何か一言、ロキに呟いた。 ふ・・とまゆらは扉を見つめた。 誰かに呼ばれた気がしたのだ。 「玲也ちゃん?」 もう、一時間近く帰ってくる気配も無く過ぎている。 「まゆらちゃん?」 話し相手をしていたヘイムダルもまゆらの異変に気付き、声を掛けてみる。 「和実君。私なんとなく思うの」 「・・・何を?」 「きっと私、この傷が癒えたら忘れちゃうかなって」 思わずその手にあった果物を落としそうになった。が、その赤い瞳はまゆらから離れる事は無い。 否、離せなかった。 「なんでそんなこと・・・」 震えそうになる声が、やけに悔しい。 まゆらは首を傾げてさらりと髪を揺らした。そうして、穏やかに微笑む。 「だってロキ君も和実君も闇野さんも優しいから。 だからこんな哀しい事私たちに覚えていて欲しくないはずだもの」  ヘイムダルは悟る。そう、彼女は分かっているのだ。自分達がどんな決断をしたのかさえも。 だからこうやって大人しくしているのだ。 「まゆらちゃんて結構鋭いね・・・」 以前、それを感じたことがある。彼女の記憶を奪って自分の操り人形にしたとき。 潜在的な能力を秘めている、と。 だからと言って・・・。 「なんとなく、だよ」 瞼を伏せ、俯きがちに言った姿は漏れてくる光にあたってとても神秘的だった。 だからこそ、覚える恐怖感。ロキは彼女に霊感は無いと言っていたがもし。 もし、何も伝えないだけで『なんとなく』でも分かっていたとしたら。 まゆらは相当勘の良い少女だ。 ヘイムダルはまゆらに対して漠然とした何かを感じられずにはいられなかった。 数日後 「おはようロキ君!!」 賑やかな声が久しぶりに探偵社の中に木霊した。 犯人はもちろん。 「相変わらずだねぇまゆら」 思わず苦笑いしているロキを尻目にまゆらは最近のミステリー(なんだよそれ)を 来ていた玲也に言っていた。 「最近私記憶が曖昧なんだよね〜。もしかしてこれってミステリー!?」 うふふふふ〜と一人怪しい笑いをしているまゆらはさて置き。 「玲也、なんでそんなに思い詰めた顔をしてるんだい?」 「え?あ、ハイ。レイヤもそうなんです。 記憶がナイです。本トにごく最近の記憶が」 不安そうにロキに報告する玲也は実にかわいい。けれど、それを説明するのは困難だ。 また、あの記憶を思い出させてはいけない。 「そうだね・・・人間忘れることはすぐ忘れちゃうからね。 そんなこと難しく悩まずにさ。ここでアヤシイ笑いしているヒトみたいにのーてんきに なってみたら?たまには」 アヤシイ笑い、と言えばロキの隣でグルグル眼鏡を装着してしつこく「ミステリー」を 絶叫しているこのヒトだ。指を差されて随分と憤慨している。 「もぉぉ!ロキ君てば失礼よ!玲也ちゃんもやる?? 楽しいよ〜?」 いいです・・という玲也を追いかけ始めるまゆらはスデに脳神経の回路が飛んでしまって いるらしかった。見ていて変としか言い様が無い。 ロキはそれを見るふりをして、玲也の一言を思い出した。 ロキサマ・・玲也は思うです。これは決して正解の事とは言えないと。 だって分かっているですよ?記憶が無くとも、細胞やココロが覚えているです。きっと でもさ、玲也。覚えていたら君の将来に大きな染みを作ってしまうよ。 それを僕が負担する代わりに・・・ 「二人には輝いて欲しいんだって事」 くすりと笑って二人を見つめる。 幸せに、なって欲しくて。 「玲也もまゆらも、闇の世界は合わないよ。 君たちは光が似合う」 いつも、輝いていて。闇にもがくボクらの癒しに、導になるように。 □□□おまけ的会話■■■ 玲「そう言えば玲也、最近分かったことがあるです」 ロ「へぇ、どんな?」 玲「玲也、ロキ様とまゆらさん見ててスゴク苦しかったです。・・その理由が」 まゆ「どんなりゆう?」 玲「はい。玲也、ロキ様の方だと思ってたですけど、本当は違いました。 ・・本当は。玲也・・」 ロ「・・・?」 まゆ「何何〜?」 玲「玲也、まゆらさんが大好きなんです! だからロキ様に嫉妬していたですよ」 その後、闇野は何かがど派手にぶつかる音を聞いたと言う。 **************************************** はい。終わりました。こんなん誰が貰いたいのだろうか。 ロキと玲也さんの微妙さが・・・(涙) 大ドンデン返し。玲也ちゃんまゆら大好き説(笑) なんとなくこの二人はこんな感じが好きです。玲也ちゃんはまゆらが一人占めすべき?! イメージソングが何故だ・・・『涙がキラリ』。 知っている人いるのかな。寂しい歌を熱唱したくてつい。 この小説のテーマはずばり〔人は思い込むとどこまで行くのか?〕です。 玲也が一番最適っぽい。と思って始めました〜☆ まぁ、実際はロキ君の考えに相当しておりますね、わたくしの考えも。 では玲也ちゃん最後に一言。 玲也「でもやっぱり一番なのはロキ様です!」
***************************************************************** うっはぁv なんだか前編とは違ったまたふあふあ感ってやつがありますなv(何) 何か悟っちゃってる玲也ちゃんがまた溜まらなく切ないっス・・・・・・!! 想像しちゃいますよう。(注:妄想とも言う) まゆらちゃんもなんだかいつもっぽい感じが可愛いですね☆ うんうんv しかも出たぁぁぁ!!「玲也ちゃんまゆら大好き説」!!! こ、これは、「うかうかしてると玲也ちゃん、まゆらっちに捕られちゃうぞ」警告??(笑) しかし、でもやっぱり一番なのはロキ様です!」につきますな、結局玲也ちゃんはvvv でわでわ、ありがとうございました☆☆


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