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by.菊理媛サマ |
夜中、フレイヤは東山和実の家を訪れた。 何となく、「今日はヘイムダルの家へ行こーvv」という気分だったのだ。 寝間着姿だったヘイムダルだが、すんなり家へと入れてくれた。 (お茶まで出してくれた) 「こんな時間に、僕に会いに来てくれたってことは ・・・・期待してもいいんですかね?」 そう言うや否や、フレイヤの顎を掴む。 「フレイヤ様・・・・」 そう言いながら顔を近づけるヘイムダルの顔を、 フレイヤは人差し指だけで、いとも簡単に制した。 「私が好きなのは、ロキだけよ」 ヘイムダルは苦笑する。 「ロキの顔・・・ですか?」 「顔なんて関係ないわ。私が好きなのは、ロキだけ。 あの人を取り巻く、静かな雰囲気が好きなの」 「静かな・・・・雰囲気?」 フレイヤはあえて、美しく微笑みながら答えた。 そんな必要はなかったハズだけど。 「そうよ。あんたは知らないでしょうけど」 そう自嘲気味に答えるフレイヤに向かって、 ヘイムダルはクスリ、と怪しい笑みを浮かべる。 「・・・・・何よ」 少しムッ、としたのが、その声と表情で分かった。 「怖いんでしょう?」 はっ?、とフレイヤは思わず聞き返した。 「僕のことを・・・好きだと認めることが、怖いんでしょう?」 どうしてそういきなり話しが飛ぶのか、分からない。 「何言ってんの?違うわよ。私は本当にロキのことが好きなの」 それでも、ヘイムダルはまだ笑っている。 「あなたはいつも、逃げていてばかりですね。 僕が追いかければ追いかけるほど、あなたは逃げたくなる」 ヘイムダルが神妙な面持ちで、フレイヤに近づく。 「でも・・・僕だって限界なんです。 あなたが逃げたい、と思っていても別に構わない」 トン、とフレイヤを壁に押しつけ、耳元に唇を近付ける。 ヘイムダルが一つ、溜め息を漏らした。 耳が吐息で食べられてる――――!! そう錯覚させるほど、深い、深い溜め息だった。 「ほんとは・・・気づいてるんでしょう?」 途端、フレイヤの身体中の血液が、一気に顔に上昇した。 その反応を見て、ヘイムダルは可笑しそうに嘲笑する。 それが、すっごく・・・口惜しかった。 「・・・・帰るわ。悪かったわね、こんっな真夜中とも言える時間に、 男であるあんたの家に来てっ!!」 フレイヤはそう怒鳴りながら、玄関へと急いだ。 もはや、自分が何を言ってるかも分からなくなるほど、動揺してた。 靴を履いている間中、ヘイムダルはずっと、能面とドアに寄りかかっていた。 「じゃぁ・・・・・・」 「あ、そうそうフレイヤ様。僕思うんですけど」 ヘイムダルは、まだドアに寄りかかったまま、こちらを見つめている。 その姿を見て、少しでも、ドキリとした自分が口惜しい。 「あなたが好きなのは、好きだと勘違いさせてくれる、ロキの雰囲気でしょう?」 「なっ!!」 「ねぇ、フレイヤ様。どうして今日、僕の家に来たんですか?」 「・・・・・・・!!!」 バタンっ!! 思いきり玄関のドアをぶち開けて、外へと急いだ。 口惜しい。 違うのに。 切れる息を整えようともせず、フレイヤは呼吸をしていた。 違う。 ロキのことが好きな理由は、他にもある。 「・・・・・優しいんだもん」 フレイヤは足を一旦止め、また歩き始めた。 それは言い訳だと言うのか。 違う!! そう思いたくても、それはヘイムダルが許さない―――――。 別に、ヘイムダルの許可なんてなくてもいいじゃない。 自分の気持ちは自分のモノ。 そう思いたがる自分が、とても歯がゆかった。 あんな陰険男、大嫌いよ 人の弱みにつけこんで 弱み?人を思うことが? 弱みなんかじゃないのに ・・・・逃げてた? いつも? ずっと・・・・? そんなに昔から 私のことを 待ってて、くれた? ヘイムダルは私のそんなに昔から、私のことを―――――? フレイヤは足を止め、自分の胸を見つめた。 「・・・・あんな陰険男、大っ嫌い」 『それはどうも』 そうヘイムダルが笑った気がして フレイヤは一人、歯を食いしばった ・・・・・・口惜しい。 すごく 口惜しい! ヘイムダルの家に行かなければ ヘイムダルの深い想いを知ることはなかったのに。 なのに知ってしまった。 運命の歯車が、廻り始めたなんて ―――――――――!!! 「口惜しい・・・・っ」 『それでも動き始めた 歯車は、もう止まりませんよ?』 ヘイムダルのあの深い囁きが、耳にこだまする。 分かってる でも 今だけは 口惜しがりたい 今だけは このプライドを捨てたくない――――――― !! 「フレイヤ様」 振り向くと、やっぱり自嘲気味な微笑み。 口惜しいけど、私がどこかで、手に入れたいと求めてる人。 「送りますよ」 分かってる。 それを許さないあなただって。 だから余計に 口惜しいんじゃない―――――――っ ふとヘイムダルはこっちを振り向いた。 「送り狼になろうかな」 「なっ・・・・!」 「―――――なーんて、冗談ですよ」 そう言いながら私の荷物を手に取り、さっさと歩いて行った。 「何よ――意外に紳士じゃない」 そう思うこと自体、運命の歯車のせいなのかしら。 「あっ・・!ちょっ・・ちょっと!!置いて行かないでよ!!」 途中、若いアベックの横を通りすぎた。 「仲良いね」 そういう会話が聞こえた。 その会話を聞いて、少しだけ頬が赤くなった自分が、 口惜しくて、恥ずかしくて・・・・・嬉しくて。 私は少し、頬を赤く染めながら、笑った。 **************** あとがき ******************* 1700hitを取って頂いたいながき様に捧げます☆ フレヘムが出てるかは・・分かりませんけど。。 ああっ!今思えば、こんなモノ送りつけていいのかしらっ。 いながきさんのサイトには素敵小説が、山ほどあるといのにっ。。 うふふ〜。いながきさんのサイトに、汚点が一つv ヘムフレっていいな〜vv と思いながら書いたのに、この有り様☆ ************************************************************************ 菊理姫サマの素敵サイト、「STORE」で1700をとっちゃってもらっちゃいました☆ このサイト初の「ヘムフレ」です〜vvv ちょっと強引っぽいヘムに、読んでる最中ドキドキでしたっ。 フレイヤさまも可愛いしっっ!! 気持ちの変化がそのままの言葉で書かれてあるからすごくわかりやすくて、 その上でリアルさみたいなのがあるんです。 動き始めた歯車、ヘムの欲求と共にこれから超スピード回転ですねっv(爆) にしても、不敵な感じのヘムがステキ。。 ドアに寄りかかったヘム、絶対あたし好みです。(聞いてない。) でわでわ、ホントにホントにありがとうございました〜vvv