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そこは誰も入り込めない世界。
四つのバラの化身たちが、華麗なるスカーレティシア城に咲いていた。
エスメラルダ>ああ、また新しい年がやってきましたわね。
ミルイヒ>そうだね。今年もよい年になるといいね。
ヴァンサン>ああ!そして多くの心の友とめぐり逢いたいものだな!
シモーヌ>う〜ん!まったくだ。わが心の友たちよ、今年一年、よろしくたのむ!
ミルイヒ>私からもよろしく!
ヴァンサン>もちろん私からも!
エスメラルダ>よろしくですわ!
ヴァンサン>それにしても、今日のみんなのファッションセンスは、とても素晴らしいね。
エスメラルダ>もちろんですわ。なんてったって、新年ですもの。今日は振袖を着てみましたのよ。私なりにアレンジしてたくさんフリルをつけましたのよ。
ヴァンサン>なるほど!まったくもってフリ袖だな!
ミルイヒ>・・・・・・。
シモーヌ>・・・・・・。
エスメラルダ>ヴァンサン!あなたの、その羽織袴も素敵ですわよ!
ヴァンサン>そ〜だろう!この特注の全身赤の羽織袴、とても気に入っているんだ。
シモーヌ>体中に咲き乱れる金のバラが最高だよ!
ミルイヒ>鼻緒にもバラがついているところがポイント高いよ!
ヴァンサン>ありがとう、2人とも。君たちのもとっても魅力的だよ。
エスメラルダ>本当に・・・。シモーヌ、あなたのたくさんレースのついたピンクのタキシード、似合ってよ!背中に大きな羽がついているのが私をエキサイティングにさせますわ!
シモーヌ>そうかい?そう言ってくれるとうれしいよ。
ヴァンサン>ミルイヒ、君もとっても素敵だ。青と白のストライプの全身タイツとは!しかも頭からバラが咲きこぼれているよ!
ミルイヒ>ふふっ、ありがとう。なんてったって、新年だからな!
ヴァンサン>そうだな!
シモーヌ>それでは、そろそろ始めないかい?
ミルイヒ>そうだね。では始めよう、新年ナルシーかるた大会を!
エスメラルダ>ええ。私たちが作った、このかるたで!今年の読み手は・・・。
シモーヌ>では、今年は私がつとめさせてもらうよ。さあ、読み札を渡して。
ヴァンサン>準備はオーケーさ!
シモーヌ>よしっ。では一首目だ。う゛、う゛ん!・・・真似できない・・・。
ミルイヒ>アチョーーッ!!
エスメラルダ>まあ、早いですわね、ミルイヒ・・・。
シモーヌ>ミルイヒ、確認の為その札を見せてくれないか?
ミルイヒ>ああ。真似できない、類まれなる、ファッションセンス・・・だろう?
シモーヌ>正解だ!
ヴァンサン>まさに僕たちの事を言っているうただね。
シモーヌ>ああ!では次へ行こう。・・・一度・・・。
ヴァンサン>ノーーンッ!!
シモーヌ>う〜ん。とても早いね。
ヴァンサン>そりゃあ、当たり前だよ!なにせこの歌は、私のためにあるようなものさ!・・・一度でも、見たら忘れぬ、赤いバラ・・・。まさしく、私がいつも持っている赤いバラの事をさしているね!
シモーヌ>そうだね。では次へいこう。・・・胸か・・・あっ!ああっ・・・ああ・・・あああ・・・・・・。
エスメラルダ>どうしたんですの、シモーヌ?
シモーヌ>ヴァ、ヴァンサン、すまない・・・本当に、すまない・・・。
ミルイヒ>どうしたというんだ。とにかく、歌を読んでみてくれ。
シモーヌ>・・・胸飾り、忘れはしない、恨みあり・・・。
ヴァンサン>何だこの歌は!シモーヌを傷つけてしまうようなこんな歌。一体誰が!?
エスメラルダ>きっと、誰かよからぬ者がいたずらにこっそりと入れたのですわ。ひどい事を!
ミルイヒ>まったくだ!シモーヌ、気にすることはない。さあ、次へいこう。
シモーヌ>ああ、ありがとう。・・・戦え・・・。
エスメラルダ>ホーッホッホッホッ!!
ヴァンサン>素晴らしいよ、エスメラルダ!笑いながら、高速で札を取り払うとは!
エスメラルダ>ふふふ。では読みましてよ。戦えない、職人・・・でもない・・・役に・・・た、たな・・・い?一体何を言っているんですの?
ヴァンサン>失礼だが、もしかするとこれは君の事を言っているのではないのかね?
我々ナルシーの中で戦いに参加できず、職人でもないのは君だけだしね。
エスメラルダ>まあまあまあ!なんてことなの!私が役に立たないですって!?十分役に立っているではないの。城中にバラの微笑を分け与えているというのに!
ミルイヒ>まったく、さっきからこのかるた、一体どうなってしまったんだ。
シモーヌ>こんな歌は、ナルシーかるたにはなかったぞ!
エスメラルダ>もう嫌ですわ。やってられません!やめましょう。気分が悪くなるだけですわ!
ヴァンサン>そうだな、もうやめよう。これからは、今回みたいに誰かに入れられてしまう可能性があるから札の菅理をしっかりしよう。
シモーヌ>そうだね。さあ、もういい。片付けてお茶をする事にしよう。
エスメラルダ>そうですわね。そうそう、今日は新種のお茶の葉を手に入れたんですの。今もって参りますわ。
ミルイヒ>では、私は、おいしいパイを持ってくるとしよう。
ヴァンサン>ああ。そして、楽しい話題で盛り上がろうではないか!
シモーヌ>いいねえ!では早く片付けてしまおう!
それぞれが年末に新たにかるたを書き、こっそりと入れたという事を
その後思い出す者は誰もいなかった・・・。

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