ばりゅは一息ついて話を続けた。
「その機体はウィルスと融合したことによって通常の3倍ぐらい機体の性能が上が る。つまりランクF(最低ランク)ならまだ問題はないがランクがNT(最高ラン ク)ならこっちの機体が覚醒でもしない限り敵にはかなわないだろう…。」
 私は目をまるくした。そしてすぐに頭の中を整理した。つまり、私…いや私たちは ウィルスと放置プレイをしている人の機体の融合体に命を狙われている…ということ なの?  そりにしてもいったいなぜ命を狙われるの?私はばりゅに再び聞いてみた。すると ばりゅはしばらく考え込んで言った。
「じつはひとつ心当たりがある…。」  
そこまで言ってばりゅの言葉は止まりばりゅは数ヶ月前の事を思い出していた。  ここは…現実世界のある場所。  回りにはなにもなくそれこそ俗に言う殺風景というやつである。  ここでは4体のEBの機体が通常の3倍ぐらいの大きさの機体と戦っていた。
「くそっなんて強さだ…。」
 しゃべっているのは当時のふぇるだ。ふぇる右にいる一つの機体にのっている男に 話しかけた。その男は能天気な印象を受けるだろうが敵の強さにかなり嫉妬している ようだ。
「う〜ん本当に強いな〜。このまま自爆でもしないと無理かな?」 「まてっ『せぷ』。まだなにか方法があるはずだ。はやまらないで…。」  
これをしゃべっているのは当時のばりゅだ。
「けどせぷの言ってることは確かに一理あるな…。」
 その男の機体はせぷより右斜め前に立っていた。その男からは少し冷たい印象を感 じられる。それを聞いてふぇるが叫んだ。
「やめろっ『fais』。ばりゅの言うとおりまだ何かあるはずだ。」
 faisは言い返した。
「よくあるセリフを言いやがって、ほかに何か方法があるというのか?さっきここを 通りかかった旅客機がこの戦いにまきこまれて墜落してすでに何人も死んでいるんだ ぞ。その人たちの犠牲をオレは無駄にしたくない。」  この時点でもうfaisの意思は固まっていた。機体はおもいっきり加速して敵に 向かって突っ込んでいった。他のみんなは口々に叫んでfaisを止めようとした。 そしてばりゅも加速してfaisを追いかけたがもう遅かった。敵は不意をつかれた ようで驚いていてそれに対処できない。  そしてついにfaisが敵にぶつかろうとした瞬間はげしい閃光がでて自爆する前 にその敵もろともfaisは消えてしまった。  あっという間のできごとだった。そのあとばりゅたちはその周辺はもちろんネット 上のEBの世界にまで捜索範囲をひろめてfaisをさがした。しかし、結局fai sは見つからなかった。  ばりゅはそこまで思い出すと、ふうっとため息をついた。私には読心術はつかえな いのでばりゅが何を考えているのかさっぱりわからなかったがそれでもなんとなく何 かあったんだな〜と感じられた。ばりゅは重い口を開いて語りだした。
「数ヶ月前オレたちはっとある敵と戦っていた。そのときの戦いであやも知っている faisが戦いの最中に消えたんだ。」  faisはラバソの名誉国民的存在である。ラバソのホームページのトップから直 接faisのホームページに行けるようになっていてそこには写真やヘボ作家の小説 がおいてある。これ以上は語ると長くなるから省く。
「それがいったい私たちの命が狙われる原因なの?」  
ばりゅは両手をだして私をなだめた。そして続けた。
「まあまあ、そうはやまるなよ。順序よく話していくから。」
 私はムッとふくれてやろかと考えたが命を狙われているという事態にすることでは ないと判断してやめておいた。
「じつはそのfaisを生きているって情報を先週の日曜日…つまりあやと出会う一 週間前ににつかんだんだ。ただ…。」
「ただ?」
「faisがEBの機体を使って夜あちこちで破壊活動をしているといういらないお まけつきだったんだ。あやが言ってた機体も実はfaisのものなんだ。」
 私はそのときなんて言えばいいのか言葉に悩んだ。しかし、急にそんな話をされて そうすぐに対応するのはむずかしい。結局私は黙りこくってしまった。そんな私に関 係なくばりゅは話を続けた。
「そのことを知ってから不思議なことがたくさん起こりはじめた。そう、管理人はみ んなに報告していないようだが管理人のPCにウィルスが侵入したんだ。それで何体 かの機体が突然操作できなくなったりサーバーエラーがかなり多くおきるようになっ たんだ。子の事態にオレとふぇるとセプターKつまりせぷが話し合った。そして戦う ことに決めたんだ。まあ、あやはとにかく今は自分の身を守らなきゃいけないという ことの方が大事だが。」  私はしつこいようだけどまたばりゅに質問した。ばりゅもそろそろいやになってき たみたいだった。
「それじゃあばりゅたちが狙われる理由はわかるよ。けどなんであとから来た私やぽ よしゃん(私はpoyocoのことをぽよしゃんと呼んでいる)まで命を狙われてい るの?それにどうやって身を守ればいいの?」
「これは推測だけどEBの世界には限られた人しかいけない。その限られた人すなわ ちオレたちが敵にとって何らかの邪魔をしているんだ。もっともその敵の正体はつか めていないけど。あと、身を守るためにあやにも敵と戦えるようにEBの世界から機 体を現実世界に持ってきてもらう。」
「えぇぇぇぇっ。」
午後0時15分  
ばりゅのいったとおりpoyocoの地区も避難勧告が出た。当然真っ先に家に帰 りとりあえずメールチェックをした。poyocoは昨日の興奮が忘れられず家に 帰ってからメールチェックとEBのログインだけはかかさずしっかりやろうと心に決 めておいた。
「あっ新着メールじゃん。」
 poyocoは私が送ったメールを見て避難勧告の意味をだいたいで予想した。p oyocoは一人でうなずきEBにログインした。昨日までなっていた覚醒はもうき れているのでpoyocoは覚醒するまで戦いつづけた。  数分後poyocoはついに覚醒し『女帝』と化した。そして再びメールチェック をすると新着メールが届いていた。差出人はふぇるだ。そのメールには私に送られた のと同じく添付ファイルがあった。  poyocoはためらいなくそれを開いた。『ブン』警告音が鳴りフロッピーを入 れてくださいと出てきた。poyocoにもなんのフロッピーかはすぐにわかった。 指示通りフロッピーをいれると画面が突然暗くなった。ここから先は私とほとんど同 じ展開だった。画面からふぇるがでてきてふぇるがさきほどばりゅが私に説明したこ とをそのままpoyocoに教えた。するとpoyocoは私と違い、まってました いわんばかりに言った。
「私はこういう展開を待っていたのよ。この女帝の名を世に広める大チャンスじゃな い。」  ふぇるはきょとんとしてしばらくpoyocoを見ていた。 (本当にだいじょぶかな…)  そのとき、空が突然暗くなり強烈な光がの市街地にぶつかった。ふぇるが窓から外 を見て言った。
「きたかっ…予定よりはやすぎるぞ。」
 すると、poyocoが
「どうやったら現実世界に機体をもってこれるの?」
 ふぇるはその光を見ながら言った。
「非常に簡単だ。けど一回しか言わないぞ。まずフロッピーをPCにいれてEBにロ グイン画面をだす。そのあと画面に触れずに自分の機体名と機体を現実世界のどこに 出したいかをキーボードで打ち込むだけ。あとオレの地区にも敵はくる。だからこの 地区はぽよさんにまかせたというのがおおまかな説明です。」
 そう言い残すとさっさとまた画面の中に入りふぇるは行ってしまった。
「よしっやるぞ。」
 poyoco機体を現実世界に呼び出した。そして戦闘態勢に入った。しかし、こ のときふぇるは重要なことをpoyocoに言い忘れていた。しかし、そんなことを 知るよしもなくpoyocoは誘導式ビームサーベルをとりだした。
「ぽよこ刑の犠牲になってもらうわよ♪。」
 光は次第に弱まりそしてウィルスと機体の融合体が姿を現した。その姿は完璧に普 通と違う機体だった。どのへんが違うかというとよくSF映画などででてくる血管と 肉みたいなものの生命体が機体と同化しているのだ。その血管と肉のような生命体は まるで心臓のようにドクンドクンと音を立てて動いている。しかし、poyocoは そんなことはおかまいなしに誘導式ビームサーベルで斬りかかった。
「くらいなさ〜い♪」
 しかし、その攻撃は予想以外の方法で止められた。
「あっなにこれ。うごかない。」  
なんと敵についていた心臓のような物から出てきた血管のようなものがpoyoc oの腕ぐるぐるにまきつけて動けなくしたのだ。そして敵はおもいっきりpoyoc oに鉄拳をかました。その鉄拳はpoyocoの機体の加速するためのブーストみた いなものを破壊した。そして敵はとりあえずpoyocoの機体をはなした。どうや ら最初からこれが目的のようだ。 (加速できなくなったから後ろに素早く回って不意打ちができなくなっちゃったな… 相手は鈍そうなのに…。)  poyocoは誘導式ビームサーベルを再び構えなおした。poyocoの顔には もはや余裕の表情はなくなっていた。 (こうなったら時間を稼いで機体を自動的に修復させよう)  この作戦が運命の別れ道だった。ふぇるがpoyocoに言い忘れたこと。それ は、
『現実世界では機体の自動修復は行うことができない』
ということだ。  敵はアトミックバズーカをpoyocoに向けてうちだした。その攻撃は機体の右 足にちょっとかすったがpoyocoは攻撃を間一髪かわすことができた。ほっとp oyocoは胸をなで下ろした。
「あぶないあぶない。」  
っとその時地中からさっきの血管のようなものが現れてpoyocoの機体の足に まとわりついた。そして静かにアトミックバズーカをpoyocoに向けた。その時 目の錯覚かもしれないがpoyocoには敵の機体がにやっと笑ったようにみえた。
午後0時20分
 一方私も機体を現実世界にもってきてすでに戦闘を開始しようとしていた。
「なんだかもう、わけがわからないよ。」
 あれからばりゅも自分の地区に戻って戦闘準備にかかっている。そんなわけで今 は、一人だ。ピンチになったときの助けもいない。おまけこの世界では大破したら死 ぬ(ばりゅはちゃんと説明した)ということも考え物だった。  そして光が100メートル先ぐらいに落ちた。私は息を飲んだ。光は徐々に消えて いき機体が姿を現した。その機体はいままでと違い普通の機体だった。ただその機体 は朝テレビの写真で見たfaisの機体だった



つ・・・ついに現れた『fais』!このあと新展開かも!?
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