その2「結の誕生日2日前(翔編)」
1「ちょっぴりドキドキな朝」
オレが目を開けると、そこには姉の結ねーちゃんの顔があった。
顔が数センチ前に出ればキスが出来る位置だ。
ねーちゃんの腕はオレの体を抱きしめている。抱き枕なんかと間違えているのだろう。
ヘタに動けばこの状況でねーちゃんが目を覚ましてしまうかもしれない。
こんな時に目を覚ましたりなんかしたら気まずいに決まってる。
オレの頭の上で時計の目覚ましベルが鳴っていた。
姉は、こんな時計の音で目を覚ますはずは無いが。
あわてて、開いている手で枕上の目覚ましを消す。
時間は、目覚ましが鳴っていることは、5時50分だろう。
2分ぐらいこのまま、ねーちゃんの寝顔を見つめる。
オレの1日で一番幸せな時間だ。
いつまでも、寝ているわけにもいかない。
抱きついている手をゆっくりとほどくとベットから立ちあがって、降りかえる。
大きなベットが1つ。
オレとねーちゃんは、昔から同じベットで寝ている。
オレが小学低学年までは、ねーちゃんがオレのために一緒に横に寝てくれていたのだが。
今はオレも小学6年生なので、必要は無い。
だけど、今度はねーちゃんが、
一人で電気消して寝られないと言っていたのでオレが添い寝してあげているのだ。
オレも、ねーちゃんと一緒に眠れるのが嬉しい。
時計を見ると、時間は5時55分。
オレは、トイレに行ってから風呂横にある洗面所の鏡で、寝癖を軽くなおす。
それから、ねーちゃんを起こす。いつもの朝のこうけいだ。
「ねーちゃん、ねーちゃん。」
体をゆすりながら声をかける。
ねーちゃんはモソモソと動き近場にあった布団を頭からかぶる。
だめだこりゃ、少し大げさな言葉にする。
「結ねーちゃん。いいかげん起きろよ!学校遅れるって!」
すると、頭からかぶった布団から顔をだす。
時計を確認したねーちゃんは安心して再度眠りにつく。
時間は6時、家からねーちゃんの学校まで自転車で30分。
たしかに普通の人なら2度寝する時間だろう。
「ねーちゃん!!」
オレが布団を奪い取る。これで、少し目が覚めるはずだ。
「お願いもう少し寝かせて〜。翔ぉ・・・」
「ねーちゃんは、低血圧なんだからこの時間から起こし始めないと。絶対遅れるだろっ!」
オレが少しねーちゃんを監視してると。
ゆっくりと上半身を起こし始めた。
そして、ベットの上に座る形までになると、その格好でまた寝出した。
ふぅ、ここまでしておけば30分後くらいに起き出してくるだろう。
オレは自分の学校へ行く準備を始めた。