5「追跡」
オレは、家に帰ったと思わせ2人の後をつけることにした。
ばれないように、離れて歩く。
ねーちゃんは、仲良さそうに男と歩いている。
今の自分は正直カッコ悪いと、思う。
ねーちゃんには、いつか彼氏が出来る。それはわかっている。
ねーちゃんとは本当の姉弟だ。それもわかっている。
でも、でも誰にもねーちゃんを渡したくない。
オレだけのねーちゃんじゃないと嫌なんだ。
ねーちゃん達は、商店街の方へ歩いている。
ねーちゃんにしてみれば、家はまったく逆方向だ。
さっき行っていた通り、男の家に向かっているのだろう。
このまま、追跡すれば男の正体がわかる。
家がわかれば、表札で名字がわかる。電話番号もわかるし。
高校の人にだって聞きこみができるだろう。
情報を集め、彼氏か判断するのだ。
前の時のような、失敗はしない。
あの時は、オレがねーちゃんの彼氏らしき人に食って掛かった。
が、結局オレの勘違いだった。
そのあと、ねーちゃんは怒ってしまい。ゲンコツもらった。
さらに、その日の夕食は「たわしコロッケ」だったのだ。
あんな思いは2度としたくない。
などと、考えているうちに人の数が多くなってきた。
だんだんと、距離も離されいる。
近づこう。オレは、足を速める。
すると、急にねーちゃん達は、本屋の隣を折れた。
あわてて、オレは曲がり角まで走る!
ドン!
「いてぇ!」
「痛いッ!!」
曲がった途端、人にぶつかった。しかも、良く知る奴に。
「アレレ!?翔君何してんノ?お家、帰ったんじゃ無いノ?」
ぶつかった相手は奈々香だった。
何も、こんな時に出てこなくても、オレは奈々香を無視して走りだした。
もう正面には2人の姿は無かった。
どうやら、道なりの家のどれかに入ったか、
途中にわかれている何本もある曲がり角どれかを曲がったのか・・・
とにかく、確認をとらなくては
「ねー!翔君!奈々香だヨ〜。」
ええい!こんな時に、奈々香がオレのあとをつけてくる。
というか、袖をすでにつかんで一緒に走っている。
「付いて来るな!バカ〜!」
「バカじゃないモン!翔君、私無視するんだモン!」
「ぶつかって悪かったよ!オレは急いでるから!」
「なに?なんで急いでるの?奈々香手伝える事あル?」
だー!!巨大お世話だ!!
10分後オレは完璧に2人を見失ってしまった。
・・・奈々香のせいで。
「ハァハァ、待ってよーゥ!」
奈々香はしぶとく、ついて来ていた。
オレは、疲れていて奈々香に怒鳴りつける力は残されていなかった。