3「先輩と2人」
部活は1時間で大体おしまい。
みんな塾やバイトがあるからさっさと帰ってしまった。
今日、可憐は部活には出てこなかった。
なにか、大事な用事があったらしい。
なので今、部室の家庭科教室には私と先輩の二人しかいない。
先輩の名前は、長井 十夜(ながい とおや)。
3年生、調理研究部の部長。デザートを作らせたら部一番だ。
私がお願いして、「アップルパイの作り方」の本を貸して欲しいと頼んだのだが・・・
さっきから、先輩はカバンの中を探しているが見つからない様子。
「おかしいなぁ。今日家を出る前に入れてきたと思ったんだけど。」
「無いんですか?」
聞くまでも無い忘れたのだろう。
私も朝に学校の用意するとよく忘れ物をする。
「ごめん。今日中には、キミの家に届けるよ。」
先輩が頭をさげる
「いえ、そこまでしていただかなくても・・・」
と、言ったものの
その本が無いと誕生日に作ろうと思っていたアップルパイが出来ない。
なら・・・
「あ、よければ私が先輩の家に行きますよ。」

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