7「夜11時」
夜11時翔は、一人で先にベットの中で眠ってしまった。
今日はずっと機嫌が悪かったけど明日には良くなってるだろう。
弟が早く寝てので、今日はアップルパイを作る練習ができる。
私は台所にたち本と睨めっこする。
・・・リンゴを買ってくるのを忘れた。
これでは、アップルパイの作る練習も出来ない。
私はとりあえず、先輩に借りた本を書き写す事にした。
これで、本を返したあとも書き写したもので復習できるし、書くことで憶えられるからだ。
かりかりかり・・・
部屋にペンの走る音が聞こえる。
ちょっと静かすぎる。TVの電源を入れる、番組は特になんでもよかった。
画面には夜のニュース番組が流れてる。
かりかりかり・・・
40分くらいたったあと玄関の開く音が聞こえる。
母親が帰って来たようだ。
「ただいま〜。」
「おかえりなさい。」
私は立ちあがってコンビニで買ってきたおかずとさっき炊いたゴハンを机に並べる。
「何よ〜。今日は夕食つくらなかったの?」
「今日はちょっと家帰ってきたのが遅くなっちゃって。」
母が、机に広げていた本と、ノートに気がつき本を自分の手前に持ってきて軽く目を通す。
「なに?アップルパイ作るの?」
「うん。日曜日私の誕生日だからさ。」
「あ、忘れてた。何?もう、16?」
いつもの事だ。曜日や日にちさえ認識してない母だ。
ここ最近、私の誕生日なんて気がついたことが無い。
「日曜日か、トイレのカレンダーに印付けとかなきゃね。」
母、カレンダー見ないくせに。そんなの意味ないと思うけど。
「結、プレゼント欲しい?」
「んー。」
母のプレゼントなんてあまり期待してなかった。
バックは今日貰ったし、今は、パッは浮かばないなぁ。
「だったらさぁ、翔が欲しがってたTVゲームがあるんだけど。」
「何いってんの、結の誕生日でしょう?」
無理か。
まぁ、母の言う事は一理ある。
欲しい物、欲しい物・・・・。
翔が欲しがってた、コミック来週発売だっけ?
翔の靴がボロボロだったから新しいの買ってあげたいと思ってたんだ。
この前、翔が遊園地に連れて行けってうるさかっな。
翔が・・・。
うーん、翔の事しか浮かんでこないなぁ。
「じゃ、いらない。特に今欲しいもの無いし。」
「そ・・・翔は?」
「もう寝た。」
「そ。」
母は仕事で疲れているのだろう。会話は弾まない。
そのまま、母との会話は終わった。
「じゃぁ、私もう寝るね。食器は適当にまとめといて。」
ノートを書き終えた私は、自分のものを片付ける。
「わかったわ。」
母は私がつけていたTVのニュース番組を見入っていて、返事もかなり適当ぽかった。
ニュースの内容は最近話題「怪盗デンシレンジ」だった。
ま、私には関係ない話だけどね。