ヒムロッチ卒業妄想桜祭り 2




桜祭り(5)「真木」

前回 ニシオギが書いたこの部分

>トレンドを司るなっちん

に異常に反応した私です
やっぱり根っこはアンジェリーカーの私です
この世界ではヒムロッチはいったい何を司るのでしょう
普通に勉強ってことになるんでしょうか

そうなると学園始まって以来の秀才(であるはずの)もりむーの立場がありませんね
(まあもともと彼の立場はゲーム上では無きが如しですが)
仕方ないのでヒムロッチには音楽でも司ってもらいましょうか

あとはプランスに芸術を 和馬に体育を(この言葉のほうがしっくりする)
姫条にはなっちんと同じトレンド 男女で同じものを司どるということで

それから理事長は……魅力?
いや 単に魅力を上げるとチョビヒゲが出現するからなんだけど
すると 男女で同じものを司るから……相手はそうですね
やっぱゴローちゃんかしら!(←男です)
だってゴローちゃんと一緒のチョビヒゲのほうが何倍も魅力的だもの!(超私的意見)

あ 大事な人忘れてた!
はづきち王子ね 彼は昼寝!
……じゃあんまりだから 休息にしましょう
休息を司る葉月王子 病気になる前に休息は大切です
疲れたら休め…… 疲れてなくても休め……の精神です
相方の女の子はもう他にいないから主人公かなあ

ん? そうするとヒムロッチの相方がいなくなっちゃうではありませんか
ああ それからそれから 途中で出てくるひびやんはどうしましょうか

……仕方ない ヒムロッチとひびやんで音楽を司ってもらうしか……
すんごく意見が割れそうな二人組みだな

ときメモGS聖地の未来はめくるめく暗雲の中へ……



長い前振りでしたがここからリレーの続きです↓

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「ちょ、おいおい、こんなとこまでつれてきてお前いったい何のつもりやねん」
「いーからいーから、黙ってついてくる!」

主人公ちゃんの親友なっちんが誰を連れてきたかというと
ええ みなさんおわかりですね?
わからないかたは もう一度ときメモGSをプレイすべしです
やったことないかたはお時間とお金とお暇があれば是非ともプレイしていただきたいです
(↑ちょっとだけ遠慮がちに言ってみました 私の遠慮深〜い部分をクローズアップ!)

あっさりと答えを言わせていただくと
なっちんが連れているのは姫条くんです
関西からやってきたナイスガイ姫条まどか
このストーリーには関係ないですが 私にとって好き度ナンバー2です ラヴv


さて 二人は朝もはよから公園に来ていました
なっちんはきょろきょろと辺りを見回し
その後ろにぶつくさ言いながら 両方のポケットに手を突っ込んでたるそうに歩く姫条君

「ふわぁぁぁあ〜。オレ、すっごく眠いんやけどなー」
「あっそ」
「あっそ、て……」

姫条君が文句を言うのも無理はありません
だって今の時刻は朝の6時です
彼は前日の夜 なっちんからの電話で「5時半にあんたん家行くから」
と言われて てっきり夕方のことだと思って爆睡こいてたら 早朝

ピポピポピポピポーン!

けたたましいチャイムの音に起こされてしまったのです


「藤井〜、な〜、オレ、帰ってもええ?」
「ダメ!」
(即答かい……)

聞こえるようにため息をついても なっちんは振り返るどころか
まるきり他のことに夢中のようです
帰す気がないなら理由くらい言ってもよさそうなものを
さっきから何度聞いても答えてくれない奈津実さん
姫条君はちょっとムッとしました
わざとおどけたような口調でこう呼びました

「お〜い、なつみちゃ〜ん」

ぴた

なっちんの動きがその場で止まりました
すぐに何か言い返してくると思ったのに 返事が返ってくるまでに不自然な間

「……なによ」

あれ? と姫条君は首を傾げました
なっちんは前を向いたまま 再び歩き始めましたが
もうきょろきょろしないでただまっすぐ歩いているだけです
しかも動きがぎくしゃくしているようで 今にもその関節から
ギーギーと音が出そうです

「なんかオレ、変なこと言うたか?」
「……なにが」

これじゃ会話にならへん
しびれを切らした姫条君は 唇をとがらせてこう言いました

「おい、ナツミ!」

今度こそ彼女は完全に足を止めました
姫条が前を覗き込むと 今まで見たことのない表情のなっちんがいました

「藤井……」

姫条君のハートがぴくんと反応しました
顔を赤くしてうつむくなっちん
おろおろしながら彼はこう言いました

「お前…もしかして…………ハライタ(腹痛)か?」

バシ!

なっちんの両方の平手が同時に炸裂!
頬を挟まれた姫条君 目を回しました
甘えた声でこう返します

「何すんねん……心配したったんやないかぁ〜」
「ニブい! アンタニブ過ぎるっちゅうね〜ん!」

なっちんが姫条君の口真似で叫びました


なっちんは実は姫条君のことが大好きです
高校1年から密かに 途中からはかなりおおっぴらに想い続けたにも関わらず
彼はなっちんに対してだけ そのプレイボーイアンテナが働いてくれず
なっちんもそんな彼に告白する勇気が出ぬまま 今日まできてしまったのです


ぷりぷり怒ってズンズン先に行くなっちん
それを慌てて追いかける姫条君
トレンドを司るおされでかっちょいい彼に似合わない 情けない姿です

「いた! ちょっと姫条、隠れて! アンタ図体デカいんだから!早く!」

トレンドを司る(以下同文)彼は言われるがまま 側の茂みに身を隠しました
側になっちんも一緒にしゃがみこみます

わかる? あそこにいるの、ヒムロッチと……
あ!もがもがもが……

でっかい声を張り上げたバカったれの姫条の口を
なっちんは慌てて手の平で塞ぎました

バカ! 大声出さないでよ

怒ってますが 内心は半分嬉しいなっちんです
手の平に姫条の唇の感触がくすぐったくて
しかも濡れた……多分これは彼の唾液がかかってます(←再び下品ですみません)

「で、オレは何したらええねん。オレに何かさせたくて連れてきたんやろ?」

こっそりとヒムロッチたちの後を尾行しながら姫条君は聞きました

「あんたこういうときは察しがいいわね。
ズバリ言うとー。コホン。姫条、今日一日私の彼氏になってくれない?」
「で、ヒムロッチに見せつけて煽るっちゅうわけやな?」

ニヤッと笑ったその顔はもう 姫条君の魅力を余すことなくなっちんに伝えました
再び頬が赤くなるなっちん

「おい、また具合が悪くなったんちゃうやろな?」
「チガウってば!」

脳天にげんこつをくらってうずくまる 1秒前まで魅力的だったハズの姫条君でした


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姫条×なっちんを書いたら止まらなくなりました
ヒムロッチ×主人公デート公園編はニシオギくんにお任せするわv



桜祭り(6)「ニシオギ」

「わぁvすっごく綺麗です〜〜v

森林公園に向かう途中、海辺を通ると綺麗な朝焼けが見えました。
てか一体何時に約束したんでしょうこの二人。
「何だかあの丘の事を思い出します」
「そうか・・・」
これに関してはちっとも計算していなかったヒムロッチでしたが、
主人公ちゃんはうっとりと眺めています。
『ありがとうございます』なんて振り返って微笑まれて、
『いや・・・礼など』なんて言っちゃってます。結構調子良いヒムロッチ先生です。

お陰で湾岸沿いを思い切りドライブです。
まぁそんなに早く森林公園に行っても仕方有りませんから、
丁度良かったかもしれません。

森林公園は残念ながら桜は散ってしまいました。
「桜、散っちゃいましたね」
主人公ちゃんはちょっぴり残念そうです。大体前回のデートでモタモタしていなければ、
ばっちりお花見も出来たでしょうに。ラヴラヴレインボーなどにかまけているからです。

「そうだな・・・しかしまた来年来れば良いだろう」
「・・・そうですね!」
ちょっと眼を瞠って、いきなり元気に返事をする主人公ちゃん。
可愛く上目遣いでにっこりとされ、ヒムロッチ先生は早くも大変です。
何がと言われると困りますが。

「せ、せんせえ、私ボートに乗りたいです!」
思い切り見詰められて照れた主人公ちゃんがいきなりボートを指さしました。
「そ、そうか」
「は、はい」
ヒムロッチは今日は気を付けて彼女の手を握りました。
その靴では歩きにくいだろう等と言うしなくて良い言い訳をして、
じゃあ今度からいつもこの靴で来ますと言われてコケそうになったりもしています。

先にボートに乗り込んだヒムロッチは、主人公ちゃんに手を貸します。
が、主人公ちゃんが屈んだその拍子に、ふわふわとした白いレースに彩られた胸元から、
別のレースが見えてしまい、思わずフリーズするヒムロッチ。
「せんせえ?どうしたんですか?」
「も、問題無い!!」
何が問題無いのかさっぱり分かりませんが、どうにかヨタヨタとボートは発進しました。
と、その直後、今度は座り直した主人公ちゃんのスカートがふわりと舞って、
あともう少しという所でした。何がですか。

「あの、せんせえ」
「何だ?」
「暑くないですか?顔、真っ赤ですよ?」
指摘されて、更に彼の体温は上昇しました。
「あ、暑く等無い!いや、暑いかもしれない。そうだな。ボートを漕いでいるし、
 日が高くなるにつれ、気温は上がる。そうだそのせいだ」
何を懸命に弁解しているのでしょう。
ヒムロッチは上着を脱ぐと、そのままネクタイを緩め、
ボタンを二つほど外しました。いつもの習慣でしょう。
っていうか公園だというのにまたスーツで来たんですか。

しかし気づくと主人公ちゃんがぼーっと彼を見詰めています。
「どうした?」
「な、なんでも無いですぅ」
ヒムロッチはさっきから主人公ちゃんにドキドキしていますが、
主人公ちゃんだって氷室せんせいにドキドキしています。
どうにも気まずくて二人して視線を落とすと、
今度はヒムロッチの眼に、それほど長くは無いスカートを押さえる手と、
その下に伸びる脚が映って、すっかり二人とも無言になってしまいました。

主人公ちゃんは一生懸命言う事を考えました。そして寄りによって。
「そ、そういえばこの公園のボート、恋人同士で乗ると別れるって言われてるんですよね?」
等と言ってしまいました。
「恋・・・人同士」
何て甘美な響きでしょう。恋人同士
「そ、そうか・・・」

いや違うでしょう。ポイントが。

「・・・違う!何だと!!それでは君は私と別れたいというのか!!」

気づいたらしいです。

「ええっ?!そんな事思ってません!!」
「じゃあ私たちは恋人同士で無いとでも?」
非科学がどうこうと言いながら、おみくじの結果を思い切り気にするヒムロッチです。
「何でそうなるんですか!!酷いです〜〜!!」
主人公ちゃん瞳をうるうるさせてヒムロッチを見詰めます。
「せんせえは私を恋人と思ってはくれないんですか?」
「そんな筈無いだろう!私が一体どれ程・・・」
「どれ程・・・何ですか?」
「ど、どうでも宜しい!!」
「あ〜〜ズルいです〜〜〜〜」

全く伝説の甲斐の無い二人です。
ちなみに池のど真ん中。はっきり言って目立ってる上にとても邪魔です。

 『何やっとるんや・・・あの漫才コンビは』
 『アタシが聞きたいわよ・・・』

なっちんと姫条くんの二人は双眼鏡でそんな二人の様子を眺めていました。
本当はボートで追っていくべきなのかもしれませんが、それが出来ない女心です。

そうこうするウチにヒムロッチが主人公ちゃんの手をがっしと握りました。

 『『おおっ?!』』
 
と思った二人でしたが、その時、

「はい1番ボートさん1番ボートさん。時間ですお戻りください」

というボート乗り場のオヤジの声が響きました。



もたもたもたもた

今の彼等に擬音を付けるならばこんな感じでしょうか。
ええ、二人の『関係』ではなく『状態』にです。

ボートのオヤジによって思い切り水を差され行く手を阻まれたヒムロッチでしたが、
現在は水そのものに行く手を阻まれています。
公園に行く以上、ボートに乗る事も有るかも知れないと、
期待・・・いえ、完璧な予測によって『楽しいキャンプ』に載っていた、
『ボートの漕ぎ方』を熟読してきたヒムロッチです。
ちなみにこの本はワタクシが小学生の頃の我が家にありました。

全くもってそれはともかく、知識は完璧な彼ですが、どうにも再現能力が追いついていないようです。
落ち着けばどうという事は無い筈ですが、何と言っても彼はちっとも落ち着いていません。

「あの・・・せんせえ?」
「な、何だ?」
「ボートって不思議な乗り物ですよねぇ〜
 どうして昔の人は後ろに進む乗り物なんて考えたんでしょうね?」
「何?!」
ずっとそんな事を考えていたんでしょうか主人公ちゃんたら。
しかしそれはいつもの事で、質問には真剣に取り組む条件反射なヒムロッチです。

「ふむ・・・そうだな。しかし漕ぎ方は船の種類や地方、国によっても異なる。
 現に前方に進む漕ぎ方が行われている場所もあるが、
 オールを押し出し、前方に進む為にはかなりの体の傾きを必要とする。
 押し出す時に力を加えるので体力の消耗も激しい。人体の構造上一人で漕ぐ為には後方に進む方が、
 より効率が良いと思ったものがいたのでは無いだろうか」
すっかり調子を取り戻したヒムロッチ。ボートはスムーズに動き始めました。
『んと、そうか、えっと、前に進むんだとぉ』
などとぶつぶつ言いながらシミュレーションする主人公ちゃんを
微笑ましく見詰めています。やっとオトナの余裕ってやつです。
と、主人公ちゃんぱっと顔を上げ、
 
「私もボート漕ぎたいです〜〜♪」
と、目を輝かせました。
「何だと?」
主人公ちゃん言うが早いか、立ち上がりかけました。
「あ、危ない!止めなさい!!大体そんな服で君は!!」
折角のオトナの余裕が一瞬にして消し飛びました。
公園のボートです。ちょっと立ち上がったぐらいではどうという事はありませんが、
勿論ヒムロッチは大慌てです。そんなに慌てなければ大して揺れなかったものを、
ボートはぐらりと揺れました。

と、


 ぽすん


何か柔らかくて暖かいものがヒムロッチの腕の中に収まりました。
また1番ボートがどうとかいう声が響いていますが、勿論聞こえちゃいません。


「・・・んせえ・・・せんせえ。ちょっと苦しいですぅ」
という主人公ちゃんの声に、やっと再起動して腕を緩めました。
フリーズでは無く熱暴走していた模様です。

「す、すまない」
「ごめんなさい」

と、二人同時に謝ってから、

「何故君が謝るのだ!」
「何でせんせえが謝るんですか〜」

ちなみにボート乗り場まであと3メートルと言った所。
オヤジは諦めて延長料金を請求しようと思ったのでございました。



夏みかん祭り(7)「真木」

今回はニシオギくんからの熱〜い要望により(←ちょっと脚色してみました)
私が”姫なつ”を書くことになりました
さあ! 季節は夏だぜべいべ!


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ヒムロッチたちが初々しさもこれに極まれりなデートをしているその後方で
姫なつコンビはこれまた初々しく初めての探偵v稼業に勤しんでおりました

「あいつらさっきからおんなじとこぐるぐるまわってんで?」
「しかもスゴイ勢いだね、ありゃ……」

二人はボート屋のおやじがいる建物に体を隠して
上に姫条 下に奈津実の順でぴょこんと顔だけ出していました
そしてこれは尾行するためのお約束とでもいうのでしょうか
二人とも小さな木を両手に持って 頭の横に掲げています
それを 通りすがりの人々がジロジロ眺めていきますが
ボート上のトンチキカップルに熱い視線を注ぐ彼らには周りの反応なんて目に入りません

普通だったらこんなことしてれば尾行対象に即気付かれるでしょうが
まあどうせヒムロッチたちは互いが互いのことしか見えてません
彼らの観察は続きます

「目、まわさないかねーあのコ。ったく、ヒムロッチのバカ!」
あ、止まったで! ふぐっ

またしても大声をあげて 奈津実に口をふさがれた姫条くん
しかし既に言い終わっていたので 今更遅いというものです
しかも姫条は両手に持ってた木を放り投げて暴れたので 余計に目立ちまくる二人
こんな探偵 研修するまでもなく一日でクビですが
幸いにも雇用主がいないのでやっぱり彼らの観察は続くのです

「あ〜もう! どうせ止まるんならもっと近くで止まってよね〜。
ホントに気がきかないんだから。何やってるか全然わかんないじゃない」

そんな気をまわされた時点で尾行失敗です

「ならオレらもボートに乗るか?」
「ダメ!」

なっちんはこう見えて(どう見えるかはゲーム参照←レッツ手抜き描写)
噂とか言い伝えとかものすごく気にする乙女なのです
恋人同士で乗ると別れるといわれてるものに
どうして大好きな姫条と乗れるでしょうか
とはいえ それ以前に二人はちっとも付き合ってないのですが
そこはうまいこと脳内を西へ東へスルーされている様子です

不思議そうな顔をする姫条の隣で なっちんはなにかごそごそと取り出しました

「こんなこともあろうかとこの奈津実さん、ちゃ〜んと用意してきたんだよね〜。
はい、これアンタの分。落とさないでよ」

なっちんが渡したのはぴかぴかの双眼鏡
ひと目で買ったばかりの新品だとわかるものでした
対して彼女が手にしているものは 同じモノでも大層使い込まれた年季を感じる一品
それを扱うさまも同じようにかなり年季が入っておりました
いったい普段 なっちんはこの双眼鏡をどんな時に使っているのでしょう
まあそれは今ここで話すことでもないので次に進みます


「何やっとるんや・・・あの漫才コンビは」
「アタシが聞きたいわよ・・・」

ええ これは前回のヒムロッチ×主人公の話にも出てきた姫なつの会話です

この時 ターゲットは池の真ん中で言い争いをしていました
双眼鏡で二人の姿はよく見えましたが さすがに声までは聞こえません
何言ってるかわからんと言う姫条に なっちんはリアルタイムで会話を教えてあげました
感心する姫条は きらきらした眼差しでなっちんを見ました

「藤井、もしかしてデビルイヤー持ってるん?」
「何ソレ?」
「デビルイヤーは地獄耳♪ って知らんの? デビルウィングは空を飛ぶんやで!」

大変得意げです 特撮モノのヒーローの友人の位置にいる小学生みたいです
なっちんはわけがわからずただぽかんとするばかり
しかし やんちゃな表情の彼がなかなかかわいかったので
今夜こっそりマイPCでググろうと思いました(同義語”ヤフる”←多分こんな言葉はない)

そして その後姫条が聞いた答えは ある意味デビルマンよりすごい能力でした
なんと驚いたことに彼女は読唇術ができるというのです!

「なんだこのありえない設定は」という声が聞こえてきそうですが
そんな声は私の脳内をニシヘヒガシヘスルースルー
とにかくそんなわけで なっちんは遠くにいる二人の会話を知ることができたのです

なっちんの声でヒムロッチ対主人公ちゃんの会話を聞いた姫条は
最初にあるようなセリフを吐いて唸りました
なっちんも自分の口で再現しながら(アホか……)と思っていました
なっちんはいつも心の中では関西弁です
少しでも姫条に近づきたい乙女心は複雑怪奇るるるるるvです


「「おお!」」

姫なつがくだらない会話をしている間にターゲットは超進展!
ヒムロッチが主人公ちゃんの手をがしっと掴んでます
やったぜ氷室! 男を見せたぜ!

らぶ〜な二人を見てなっちんは大変うらやましくなりました
双眼鏡の向こうではどうやら世界は二人のためにあるようです

(いいな〜……)

今日自分がなんの為に来たのか既に忘れてます
ていうか思い出したところで 今の彼らはほっといてもラヴラヴかもしれません
隣で姫条が
「ヒムロッチ、何もたもたしとんねん」とか
「あれやったらオレのほうがウマいで」等と言っていましたが
なっちんの耳にはこれっぽっちも入っていませんでした
もし聞いていたら その言葉を受けて

「じゃあ今度他のトコで姫条のボート漕ぐ腕前を披露してみせてくれる?」

と かわいく言うチャンスもあったことでしょう
こういうのを見事にのがしまくってきた歴史を背負うなっちんなのであります


そんな彼女 突然はた と思いついたことがありました

(そうだ! ここのボートに乗って別れるのは恋人同士限定だよね?
だったらアタシたちってば別に付き合っちゃいないんだからむしろオッケー!
よし! よしよしよし!)

気付くのが大変遅いと思いますが やっと彼女はその事実に目を向けました
ご丁寧に双眼鏡をカバンにしまって両手でガッツポーズ

(よし! 今だナツミ! 思い切って姫条をボートに誘っちゃえ!)

ちょうど姫条も双眼鏡を外してなっちんのほうを見ました

(なんかこれって以心伝心?)

なっちんは熱をもった頬を意識しながら 口を開きました
が 先に声を出したのは姫条の口でした

「なにやっとんねん! 行くで!」
「は?」
「ハ? やあらへんよ。あいつらの後追いかけるんやろ?」

姫条の視線を追うと ヒムロッチたちはとっくに岸に上がり
二人並んで別の場所へ移動するところでした

「いつの間に……」

嗚呼 せっかくの乙女の決意が粉々です
大変気の毒ですが この展開はNオギの好みなので私のせいではありません

「置いてくで!」
「あーっ、待ってよ〜!」


姫なつコンビはこんな調子で本来の目的を達成することができるんでしょうか
(本来の目的とは 二人の前でいちゃいちゃしてみせて
奥手なヒムロッチを煽って二人の仲を身も心もらぶ〜にすること)

今時こんな作戦に相手が乗るのかどうかは別にして
それ以前の問題で この二人がいちゃいちゃな雰囲気を出せるのかどうかも疑問です


池の中心で愛を叫んだ二人組と その二人を追う迷探偵姫なつ
皆の奇異なものを見る目に見送られながら 揃ってボート乗り場を退場したのでした



とりあえず現時点の残りのログを全て収納してみました
続きは……やるかどうかわかりません
年頃の女は興味があっちこっちに行くものですよ ええ ええ……






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