揺らぐ心
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なぜだ なぜだ! なぜだ!!
お前はなぜ そんなことが言える!? 俺を好きだと? 愛していると? そんなものは まやかしだ お前は俺のことを何も知らない 俺はいずれ お前を殺すつもりだ 既に手に入れた お前のこの血で 愛するエリスを蘇らせたならば 俺は容赦なく お前を 亡き者にする ……そうだ 俺はお前の敵だ わざと火事をおこして 中にいるお前を助け 偶然通りかかった旅の剣士の振りをして お前を欺いているのだ 知らないのだろう? お前の目指す行く先には 俺がいるということを お前が倒すべきは この俺 レヴィアス・ラグナ・アルヴィースなのだということを 何も知らないくせに そんな目で俺を見るな 毎日そんなにたくさん怪我をして 女のくせに 大丈夫なもんか なぜ そんな バンソウコウ貼っつけた顔で 俺に笑いかけてくるんだ お前は俺に言ったな 「アリオスがいてくれるからがんばれる」と ……笑っちまうぜ 俺がいるから危ねぇんだよ お前をそんな目に遭わせているのは この俺だ 早く気付けよ だから お前はバカだって……いつも言ってるだろう チッ 俺らしくもねぇ 動揺してやがる あいつの言葉に 俺を好きだと言った あの必死な顔が ちらついて離れねぇんだ バカヤロウ…… あの告白が 宇宙の女王であるあいつの作戦なら 俺はまんまと騙されたということになるぜ ……そんなはずもねぇがな…… あいつはそんなことはしない 妙なところで 俺はあいつを信じちまってるんだ こんなことは エリスに会って以来だ エリスとあいつは同じ顔をしてやがるが 声も 性格も まったく違う エリスは黙って静かに俺を見守ってくれていた 現実から逃げ続ける俺の ありのままを見てくれた しかし あいつときたら 間抜けだし いつもへらへらしてるし ちょっとからかうとムキになるし すぐ口答えするし 変なとこにこだわるし いいとこなんて ひとっつもねぇ なのに 俺は あいつを追いやることができない バカみてぇに あいつの言ったこと繰り返し繰り返し こうやって思い出してるんだ どうかしてるぜ 俺は…… もう 潮時かもしれねぇな これ以上 一緒にいたら 妙な気をおこしちまう 目的はほぼ果たしたのだ 明日 ここを出よう そして 正体を レヴィアスとして 再び お前の前に 姿を現そう そのときまで せいぜい元気でいろ アンジェリーク…… |