エルンスト主任の前髪


王立研究院の職域食堂。ひとりの有能だと評判な新人女性研究員がせっかく頼んだBランチに手もつけずに憂鬱そうな面持ちをしている。
主任、なんだか運の悪いことに、あまつさえ直属でもない部下のそんな様子にたまたま気がついてしまって、よせばいいのに声を掛けてしまった。

主任「最近、あなたの研究の方はいかがですか」
部下「はあ、動物実験では良いデータが取れたのですが」
主任「順調ではありませんか。・・・それにしては浮かない顔つきですね」
部下「うっ・・・・・・・・」
主任「ど、どうしたのですか」

部下に、それもあまりあしらうのが得意でない女性に泣き出されてしまって少し慌てる主任。

主任「泣くのは感心しませんが、一生懸命に研究に打ち込んでいるお気持ちには心を動かされました。少しは協力出来ることもあるかもしれません。なぜ困っているのか、話して御覧なさい」
部下「うっうっ、申し訳ありません。動物実験までは上手くいったのですが、被験者が集まらないのです」
主任「えーと、あなたは、育毛の研究をなさっていたのですよね」
部下「は、はい。そうです」
主任「被験者が集まらないとは?」
部下「赤毛も、金髪も、銀髪も、緑も黒髪もデータとして必要なだけの被験者を集めることが出来たのですがブルー系の髪の方が個体数が多くなくて・・・・。あっっっっっっ!!!!」

主任、部下の熱い目つきに、いやな予感を感じる。

部下「エルンスト主任の髪って、とっても素敵なブルーなんですね。ご協力いただけると仰いましたよね」
主任「・・・・・・・・・・・・・・」

主任、結局、この女性研究員の実験に協力することとなった。
髪を全体に短く切って、新薬の育毛剤を使用したのだった。
実験は失敗とはいえなかったが、多くの課題を残していることが判明し、件の研究員は日夜、新たな局面からの研究に邁進している。
さてエルンスト主任であるが、自慢であった長い前髪の生えていた部分は、他の頭髪の部分よりも著しく成長が遅くなってしまった。アルカディア事件の起こった頃に、やっと他の部分と同じ長さに伸び揃ったのだった。

(おわり)





津和野お姉さまからこの創作が書かれたメールをいただいた時に驚きましたね
なにげなく なにげなく書かれていたんですよ

そのちょっと前に 津和野様のお身内様のサイトにて
「エル主任 トロワで前髪消失」の話でBBSが盛り上がってまして
そこにお集まりの皆さんがそれぞれいろんなあらすじを語ってたんですが
きっと多分そんなことがあったので 津和野様も妄想力が刺激されて
そしてサービスのつもりで私に送ってくださったのだと思います

そしてきっと多分 こんなところに載っけられるなんて夢にも思わず

ふっ ふふふふふふふふふふっ
災難は思わぬところからやってくるものですよ

速攻 津和野様にお返事してみました
もったいないのでお外に出したらどうでしょうかとお返事しました
なんならうちに載せてもいいですか とお聞きしてみました
その際には私の汚れたコメントがつくからと(一応)お伺いをたてました

快諾

ええ メールなので津和野様のお顔は拝見できないのですが
文章から察するに快諾です
たとえ額がひきつっていようともわたくしには見えないのでいいのです(いいのか?)

そういうわけでアップさせていただきました
以下 アップお伺いメールから私の感想を抜粋↓



それにしても育毛の研究……
王立研究院はそんなものも研究していたのですね 新たな事実です
この部下さんが様々な色の髪の毛を採取した経緯も知りたいところ
水色の髪が集まらないのも道理です
だって相手はリュミだもの! 聖地で最強のリュミ様だもの!!

あ……また妄想の世界へダイブしてしまいました
意味がわからないことと思われます ごめんなさい

自慢の長い触角部分が伸びるのが遅くなったのも
この腹黒な部下の仕業だと思われます
被害者エル 可哀想 ぷぷっ



↑こんなコメントを付けちゃうよと書いたんですが
それでもいいと言ってくれた心の広いお姉さまに乾杯
(このメールを送った後に”短い髪のエル”を想像して愉快に気分になり
その後 リュミ様がもし仮に万が一被験者になった場合の
”短髪リュミ ていうかスポーツ刈りリュミ”を妄想してお腹がワクワクしました
楽しいネタをありがとうございます)


さて 津和野様のサイトに行っていただければわかると思いますが
津和野様の文体はとっても綺麗で美しいです
これぞ小説! という感じです
私のコメントでそこのところが伝わらなくなってしまいそうなので……

そんな素敵なものをお書きになるお姉さまのエル創作
本当に本当にありがとうございました




エル万歳