一面の雪景色の中を一台の列車が走っていた。

その列車の中に一人の青年がいた。

彼はこれから7年ぶりに訪れる町にさまざまな思いを抱いていた。

彼は7年前の事をほとんど覚えていなかった。

覚えていることといえば、一緒に遊んだ少女が何人かいたという事ぐらいだ。

後のことはなぜか思い出せなかった。

「まぁ・・・いいか。」

彼はのんきに構え、ポケットの中から写真を取り出した。

その写真には少年と青い髪の少女が写っていた。

この写真がその町で撮った唯一の写真だった。

青い髪の少女は従兄弟だと聞いているが彼はそんな事など覚えていなかった。

彼はその写真を見て淡い期待を抱きながら、また写真をポケットの中に入れた。

その時、彼の乗っている列車が大きく揺れた。

前の車両から「脱線だ!」という叫び声が聞こえてきた。

その直後、列車は横転し、彼の意識も途絶えた。










彼が目を覚ました頃にはそこはまさに地獄のようだった。

列車の中にはむせ返るような血の匂い立ち込め、死体がそこらじゅうに転がっていた。

彼はこの光景を見て嘔吐感を覚えた。しかし、そんな暇はなかった。

とにかく逃げなくては、彼はそう思い、列車から這い出した。

そして彼は町が見えるほうへ歩き出した。

しかし彼自身も怪我を負っており、歩くたびに体力が失われていった。

しばらくして、彼は一軒の家を見つけた。

だが彼の体力も限界に達していた。

彼はその場に崩れ落ち、目の前が真っ暗になった・・・。














彼が再び目を覚ますと、そこはベットの上だった。

彼は状況が把握しきれず、辺りを見ようとすると体中に激痛が走った。

その時、彼の視界を何かが遮った。

そこには栗色の髪に大きなリボンが特徴的な少女がいた。

「あっ、目が覚めたんですね。大丈夫ですか?」

「あ・・・はい・・・。ところでここは?」

彼は何とか上半身を起こし、彼女に尋ねた。

「ここは佐祐理の部屋ですよ♪あっ、ちなみに私は倉田佐祐理と申します。貴方のお名前は何ですか?」

「えっと俺の名前は・・・。」

彼は名前を思い出そうとした。しかしまるで頭の中に霞みがかかったように思い出せなかった。

「駄目だ・・・思い出せない・・・俺は一体誰なんだ・・・?」

「ふえっ?お名前・・・思い出せないんですか?」

「はい・・・。」

彼は力無く答えた。

「う〜ん・・・困りましたね・・・それじゃあ佐祐理が名前をつけてあげますよ。」

そう言うと佐祐理は少し考え込んだ。

「権蔵・・・なんてどうですか?」

「却下。」

「それじゃあ・・・与作はどうですか?」

「却下。」

「ふえ〜・・・権蔵も与作も駄目ですか・・・それじゃあ・・・。」

その時、佐祐理ははっとしたような顔をしていった。

「・・・一弥・・・一弥なんてどうですか・・・?」

「一弥か・・・。」

「気に入ってくれましたか?」

「ああ、それにするよ。」

「それじゃあ一弥さん。はじめまして、倉田佐祐理と申します。」

佐祐理はそう言うと手を一弥に握手を求めた。

一弥は佐祐理の手を握り締めた。






あと書き
どうも♪悪魔狩人です。
えっと、このSSはちょっと違うジャンルに挑戦しようと書いてみたSSです。
一応佐祐理さんがヒロインの予定です・・・。
もしご要望があれは続きを書くかもしれません。
では♪